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Chapter 1/最初の国
№24 神殿での攻防戦・承
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先ほどよりは狭くないので、[Team S]は割と自由に戦えている。
だが、それは、敵にしても同じ事であった。
前線のソリュウ・シエル・シューラ・サイザーが各自1対1で勝負しているなか、こちらの二列目へと別のゴブリン達が襲い掛かる。
サーガは[木製の大剣]を突き出して、シリウスが[木の大楯]で、敵どもの攻撃を阻む。 [木槍]をサキに払おうとしていたメスゴブリンには、スイが発砲し、右目を負傷させた。
この左首に、サザミンの射った矢が刺さる。
ほぼ同じタイミングで、オスゴブリンが振り下ろしてきた[棍棒]を、セイランが、
「きゃッ!」
軽く悲鳴をあげながら、〝ヒラリ〟と右に躱す。
体勢を整え直そうとする魔物を、
「石よ。」
ソウヤが床をせり上げて捕捉した。
そこへ、ソソが直径15㎝の【エクスプロージョンボール】を放つ。
これがオスゴブリンの顔面に当たるなり〝ボンッ!!〟と爆発したのである。
「グゥ~ッ。」
低く唸るモンスターの眉間に、サザミンが飛ばした【ホワイトに輝く矢】がヒットした。
更には、ソソが〝ダメ押し〟とばかりに発動した【ファイヤ-ボール】にて、敵が“薄紫色の粒子”に変じる。
一方、スイは、メスゴブリンの胸元を射撃していた。
それが[クリティカルダメージ]になったらしく、こちらの魔物も消えてゆく。
こういった展開のなかで、静観していた残りの四体が、[Team S]の一列目へとダッシュしたのである。
その所為で、シューラたちは、2対1という不利な状況に陥った。
さすがに防ぎきれない4人のHPが削られていく。
急ぎ、ソウヤが、
「石よ。」
「石よ。」
「石よ。」
「石よ。」
連続で唱える。
これらによって、モンスターらの四匹が自由を奪われた。
ちなみに、現在の彼は、一回の陰陽術につき10ポイントのMPを消費する。
また、効果時間は5秒となっているみたいだ。
ソウヤが自身の“アイテムボックス”から出現させた[MP回復ポーション]を摂取していく。
その間に、スイは【短銃】を、サザミンが【弓矢】を、ソソが【アイスボール】を、サーガ&シリウスと闘っているゴブリン達に扱った。
弾丸と矢が腹部に命中してバランスを崩した敵に、サーガが剣を叩き付ける。
ソソによる【氷の玉】で左目が凍って〝パリンッ!〟と割れた魔物には、シリウスが盾を払う。
どちらもが頭に当たり、モンスターらが尻餅を着く。
この機を逃さず、敵を確実に仕留めてゆくサーガとシリウスだった。
陰陽術がタイムリミットを迎え、魔物たちが再び動きだす。
スイの銃と、サザミンの矢が、二体のゴブリンそれぞれにヒットする。
ソソが魔法陣を構築して、
「ウインド!!」
このように唱えたところ、最大幅5㎝×長さ15㎝といった【三日月状の風】が、縦向きで放たれた。
それによって、他の一匹の胴が〝ズブシュッ!〟と斬れる。
ソリュウ/シエル/シューラが反撃を開始するなか、相変わらず2対1のサイザーはガードを固めていた。
「サーガはシューラを補佐してくれ!!」
「オレは、サイザーを援護する!」
「セイラン!!」
「4人の回復を!」
こう伝えたシリウスと、〝コクッ〟と頷いたサーガが、前線に走る。
「はい!!」
元気よく応じたセイランが、魔法陣を形成しては、
「ソロヒール!」
「ソロヒール!」
「ソロヒール!」
「ソロヒール!」
次々と仲間の傷を癒してゆく。
現時点でのセイランが回復させられるヒットポイントは、全体の“三分の一”だけである。
なお、通常の[ポーション]も同じ条件になっているのだそうだ。
サーガとシリウスが一列目に加わるなかで、ソウヤが再び床をせり上げて四体を捕らえた。
それを活かして、サキ&セイラン以外のメンバーが、モンスターどもを殲滅していったのである…。
誰もがポーションを用いてHP・MP・SPを治している。
ここへ、1Mほど宙に〝スゥー〟と浮いた“魔人の少女”が、八匹のゴブリンと共に、ゆっくり距離を詰めだした。
「〝こっからが本番〟て感じだな。」
サイザーの呟きにて、
「サキとセイランは、三列目の4人と位置を交代してくれ。」
シリウスが後ろを振り返りながら指示を飛ばす。
“第二陣”が迫るなか、[Team S]が速やかにポジションを変更していく。
シリウスとサーガは、それまでの流れにて、前線で構えている。
〝ピタッ〟と止まった魔人が、右の掌を突き出して、直径15㎝の魔法陣を築いた。
「サンダーボール。」
彼女が唱えるなり、魔法陣と同じ大きさの【雷の玉】が、シューラに向かって来る。
それを合図に、〝アギャーッ!!〟と奇声を発したモンスター達が一斉に駆けだした。
どちらに対応すべきか判断が遅れてしまったシューラの右肩に、【雷撃】がヒットする。
これによって〝ビリビリィ~ッ!〟と感電したシューラが、両膝を着き、痙攣してしまう。
そういった事態に、
「ここは俺が!!」
シューラを庇うようにして、前に出るサーガであった。
ソリュウ/シエル/サーガ/シリウス/サイザーが、ゴブリンどもと乱闘になってゆくなかで、
「ソソ!!」
「シューラに“特効薬”を使ってあげな!」
サキが促す。
「う、うん!!」
こう答えた“少年黒魔術士”が、[超薄型画面]を操作しだしたところへ、
「ウォーター。」
最大直径5㎝×長さ15㎝といった【水の杭】を、魔人が発射した。
「危ない!」
セイランの指摘にて、
「え?」
ソソが顔を上げる。
その喉元に【水撃】が刺さり、血の“エフェクト”が飛び散った―。
だが、それは、敵にしても同じ事であった。
前線のソリュウ・シエル・シューラ・サイザーが各自1対1で勝負しているなか、こちらの二列目へと別のゴブリン達が襲い掛かる。
サーガは[木製の大剣]を突き出して、シリウスが[木の大楯]で、敵どもの攻撃を阻む。 [木槍]をサキに払おうとしていたメスゴブリンには、スイが発砲し、右目を負傷させた。
この左首に、サザミンの射った矢が刺さる。
ほぼ同じタイミングで、オスゴブリンが振り下ろしてきた[棍棒]を、セイランが、
「きゃッ!」
軽く悲鳴をあげながら、〝ヒラリ〟と右に躱す。
体勢を整え直そうとする魔物を、
「石よ。」
ソウヤが床をせり上げて捕捉した。
そこへ、ソソが直径15㎝の【エクスプロージョンボール】を放つ。
これがオスゴブリンの顔面に当たるなり〝ボンッ!!〟と爆発したのである。
「グゥ~ッ。」
低く唸るモンスターの眉間に、サザミンが飛ばした【ホワイトに輝く矢】がヒットした。
更には、ソソが〝ダメ押し〟とばかりに発動した【ファイヤ-ボール】にて、敵が“薄紫色の粒子”に変じる。
一方、スイは、メスゴブリンの胸元を射撃していた。
それが[クリティカルダメージ]になったらしく、こちらの魔物も消えてゆく。
こういった展開のなかで、静観していた残りの四体が、[Team S]の一列目へとダッシュしたのである。
その所為で、シューラたちは、2対1という不利な状況に陥った。
さすがに防ぎきれない4人のHPが削られていく。
急ぎ、ソウヤが、
「石よ。」
「石よ。」
「石よ。」
「石よ。」
連続で唱える。
これらによって、モンスターらの四匹が自由を奪われた。
ちなみに、現在の彼は、一回の陰陽術につき10ポイントのMPを消費する。
また、効果時間は5秒となっているみたいだ。
ソウヤが自身の“アイテムボックス”から出現させた[MP回復ポーション]を摂取していく。
その間に、スイは【短銃】を、サザミンが【弓矢】を、ソソが【アイスボール】を、サーガ&シリウスと闘っているゴブリン達に扱った。
弾丸と矢が腹部に命中してバランスを崩した敵に、サーガが剣を叩き付ける。
ソソによる【氷の玉】で左目が凍って〝パリンッ!〟と割れた魔物には、シリウスが盾を払う。
どちらもが頭に当たり、モンスターらが尻餅を着く。
この機を逃さず、敵を確実に仕留めてゆくサーガとシリウスだった。
陰陽術がタイムリミットを迎え、魔物たちが再び動きだす。
スイの銃と、サザミンの矢が、二体のゴブリンそれぞれにヒットする。
ソソが魔法陣を構築して、
「ウインド!!」
このように唱えたところ、最大幅5㎝×長さ15㎝といった【三日月状の風】が、縦向きで放たれた。
それによって、他の一匹の胴が〝ズブシュッ!〟と斬れる。
ソリュウ/シエル/シューラが反撃を開始するなか、相変わらず2対1のサイザーはガードを固めていた。
「サーガはシューラを補佐してくれ!!」
「オレは、サイザーを援護する!」
「セイラン!!」
「4人の回復を!」
こう伝えたシリウスと、〝コクッ〟と頷いたサーガが、前線に走る。
「はい!!」
元気よく応じたセイランが、魔法陣を形成しては、
「ソロヒール!」
「ソロヒール!」
「ソロヒール!」
「ソロヒール!」
次々と仲間の傷を癒してゆく。
現時点でのセイランが回復させられるヒットポイントは、全体の“三分の一”だけである。
なお、通常の[ポーション]も同じ条件になっているのだそうだ。
サーガとシリウスが一列目に加わるなかで、ソウヤが再び床をせり上げて四体を捕らえた。
それを活かして、サキ&セイラン以外のメンバーが、モンスターどもを殲滅していったのである…。
誰もがポーションを用いてHP・MP・SPを治している。
ここへ、1Mほど宙に〝スゥー〟と浮いた“魔人の少女”が、八匹のゴブリンと共に、ゆっくり距離を詰めだした。
「〝こっからが本番〟て感じだな。」
サイザーの呟きにて、
「サキとセイランは、三列目の4人と位置を交代してくれ。」
シリウスが後ろを振り返りながら指示を飛ばす。
“第二陣”が迫るなか、[Team S]が速やかにポジションを変更していく。
シリウスとサーガは、それまでの流れにて、前線で構えている。
〝ピタッ〟と止まった魔人が、右の掌を突き出して、直径15㎝の魔法陣を築いた。
「サンダーボール。」
彼女が唱えるなり、魔法陣と同じ大きさの【雷の玉】が、シューラに向かって来る。
それを合図に、〝アギャーッ!!〟と奇声を発したモンスター達が一斉に駆けだした。
どちらに対応すべきか判断が遅れてしまったシューラの右肩に、【雷撃】がヒットする。
これによって〝ビリビリィ~ッ!〟と感電したシューラが、両膝を着き、痙攣してしまう。
そういった事態に、
「ここは俺が!!」
シューラを庇うようにして、前に出るサーガであった。
ソリュウ/シエル/サーガ/シリウス/サイザーが、ゴブリンどもと乱闘になってゆくなかで、
「ソソ!!」
「シューラに“特効薬”を使ってあげな!」
サキが促す。
「う、うん!!」
こう答えた“少年黒魔術士”が、[超薄型画面]を操作しだしたところへ、
「ウォーター。」
最大直径5㎝×長さ15㎝といった【水の杭】を、魔人が発射した。
「危ない!」
セイランの指摘にて、
「え?」
ソソが顔を上げる。
その喉元に【水撃】が刺さり、血の“エフェクト”が飛び散った―。
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