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Chapter 1/最初の国
№22 遺跡
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夜道で足を止め、空を見上げた【白魔術士】のセイランが、
「シューラちゃんが言っていたとおり、また月が欠けたみたいねぇ。」
そのように口を開き、
「うん。」
「…………。」
「“立待月”っていうらしい。」
[少女剣士]が説明する。
「お名前が、どんどん変わっていくねぇー。」
【黒魔術士】の少年たるソソが話しかけたところ、
「ん。」
「不思議。」
軽く頷いたシューラだった。
「結局どうなるのかな?」
【騎士】のサーガによる素朴な疑問に、
「数日後には消えて無くなるけど、そこから次第に回復していくみたい。」
シューラが答えた。
これに、
「いわゆる“蘇り”か…。」
「まさに儂らが目標としておる“不死の存在”じゃのう。」
そう呟いたのは【武士】のソリュウである。
「ええ。」
「その為にも、いろんな“チーム”のなかで最初にクリアしないとね。」
【アーチャー】たるサザミンが述べたら、
「けど、慌てるのは禁物。」
「〝急いては事を仕損じる〟〝全滅したくなければ焦らずに〟て……。」
皆に伝えるシューラであった。
「成程。」
「肝に銘じておこう。」
理解を示した【シールダー】のシリウスが、
「さ、“遺跡”に進むとするか。」
このように仲間を促したのである。
それによって、改めて歩きだす[Team S]だった……。
▽
翌朝――。
[イッチューズ]は“西の町”に到着したようだ。
ジュエルなどを換金したヤトが、
「さて。」
「町だと、そこまで良い武器は購入できないだろうから、道具屋でポーション類を揃えて、先に進もうぜ。」
こう告げたのである。
「ん??」
「商品が少ないの?」
首を傾げたカリンに、
「あー、武器や防具は、町ぐらいの規模だと鉄製品までしか販売してないんだよ。」
「村に至っては、革と木のみだ。」
ヤトが教えたのであった。
「それじゃあ、町や村では、誰も装備品を買わないんじゃない??」
セブンが質問したところ、
「いや、そうとも限らない。」
「どれもが扱い続けていると破損するからね。」
「例えば、革の場合は破れてしまうし、木は折れたりする。」
「鉄以上だと、罅が生じたり、刃こぼれしたりで、使いものにならなくってしまうんだよ。」
「ま、専門の職人たちに通貨を支払えば修理してもらえるけど…、あまりにも壊れすぎていると買い替えを勧められるんだ。」
そのようにニケが語ったのである。
女性陣が〝へぇー〟と納得していたら、すぐ近くに何者かが【テレポート】してきた。
見たところ、ヤトたちと同じくらいの年頃だろう男女3人ずつの計6人組である。
このなかの“二人の少女”は、白狐や黒猫の耳&尾が付属していた。
ふと目が合った少年の一人が、
「あれ??」
「ヤト?」
「他にも、ニケとクマッシー、だよな??」
そう訊いてきたのである。
「……、あ!」
「“カミュ―”か?!」
ヤトが返したら、
「やっぱり!!」
背丈165㎝前後で、金髪ショートに、青い瞳の、カミュ―が、満面の笑みとなった。
ちなみに、布製の長袖と長パンツや、レザーのショート手袋&ブーツは、ブラックである。
防具は“薄革”だが、[木彫りのダガー]を左腰に帯びているので【アサシン】だと推測できた。
「知り合い?」
こっそり尋ねたエイトに、
「うん。」
「同じ小学校だったんだ。」
「過去作では一緒にパーティーを組んでいたんだけど…、中学は区域が違うから別々になっちゃたんだよ。」
そう答えたのは、クマッシーだ。
「カミュ―達も村に農具を届けるのか??」
ヤトが伺ったところ、
「いや、〝遺跡を調査する学者たちの護衛〟だけど?」
このようにカミュ―が述べたのである。
〝んん~??〟と意味が分からない様子の二人に、
「おそらく、お互いに異なるギルドで依頼を受けたんじゃない?」
ニケが伝えたら、ほぼ同時に〝あぁー〟と察したのだった。
「じゃ、俺らは、そろそろ出発するから、これで。」
軽く右手を挙げたヤトに、
「おう。」
「いつかまた、な。」
カミュ―が〝ニッコリ〟したのである……。
▽
更に一日が経った。
“古びた神殿”の正面へと、[Team S]が足を運んでいる。
それなりに近づいたところで、最後尾から、
「おお、ここじゃ。」
「あれこそが、我々が目指しておった遺跡である。」
調査団の“団長”が喋りだした。
ストップした全員が振り向いたところ、
「体力などに不安があるのなら、今のうちに回復しておくが良かろう。」
「準備が整い次第、儂らのことは気にせず中へと進んで構わん。」
団長が告げたのである。
これによって、
「そうしておこう。」
皆を促すシューラであった。
石造りの[神殿]は、かなりの高さがある何本もの円柱によって三角屋根が支えられている。
とはいえ。
風化にて、三割ほどが崩れているみたいだ。
なお、シューラ達は、あれからも何度かのバトルを経験し、魔物らを倒した結果、個人差はあるもののレベルが4~5になっていた。
「いよいよ内部を捜索するわけだが…、問題ないよな??」
シリウスが見回し、メンバーが首を縦に振る。
「おし。」
「どんな事が起きるのか予測できないから、各自で注意しつつ、危険に陥った仲間の援護を忘れずに。」
真剣な表情で申し送りした流れで、〝スゥ――〟と息を吸い、
「行くぞ!」
号令をかける[リーダー]のシリウスだった―。
「シューラちゃんが言っていたとおり、また月が欠けたみたいねぇ。」
そのように口を開き、
「うん。」
「…………。」
「“立待月”っていうらしい。」
[少女剣士]が説明する。
「お名前が、どんどん変わっていくねぇー。」
【黒魔術士】の少年たるソソが話しかけたところ、
「ん。」
「不思議。」
軽く頷いたシューラだった。
「結局どうなるのかな?」
【騎士】のサーガによる素朴な疑問に、
「数日後には消えて無くなるけど、そこから次第に回復していくみたい。」
シューラが答えた。
これに、
「いわゆる“蘇り”か…。」
「まさに儂らが目標としておる“不死の存在”じゃのう。」
そう呟いたのは【武士】のソリュウである。
「ええ。」
「その為にも、いろんな“チーム”のなかで最初にクリアしないとね。」
【アーチャー】たるサザミンが述べたら、
「けど、慌てるのは禁物。」
「〝急いては事を仕損じる〟〝全滅したくなければ焦らずに〟て……。」
皆に伝えるシューラであった。
「成程。」
「肝に銘じておこう。」
理解を示した【シールダー】のシリウスが、
「さ、“遺跡”に進むとするか。」
このように仲間を促したのである。
それによって、改めて歩きだす[Team S]だった……。
▽
翌朝――。
[イッチューズ]は“西の町”に到着したようだ。
ジュエルなどを換金したヤトが、
「さて。」
「町だと、そこまで良い武器は購入できないだろうから、道具屋でポーション類を揃えて、先に進もうぜ。」
こう告げたのである。
「ん??」
「商品が少ないの?」
首を傾げたカリンに、
「あー、武器や防具は、町ぐらいの規模だと鉄製品までしか販売してないんだよ。」
「村に至っては、革と木のみだ。」
ヤトが教えたのであった。
「それじゃあ、町や村では、誰も装備品を買わないんじゃない??」
セブンが質問したところ、
「いや、そうとも限らない。」
「どれもが扱い続けていると破損するからね。」
「例えば、革の場合は破れてしまうし、木は折れたりする。」
「鉄以上だと、罅が生じたり、刃こぼれしたりで、使いものにならなくってしまうんだよ。」
「ま、専門の職人たちに通貨を支払えば修理してもらえるけど…、あまりにも壊れすぎていると買い替えを勧められるんだ。」
そのようにニケが語ったのである。
女性陣が〝へぇー〟と納得していたら、すぐ近くに何者かが【テレポート】してきた。
見たところ、ヤトたちと同じくらいの年頃だろう男女3人ずつの計6人組である。
このなかの“二人の少女”は、白狐や黒猫の耳&尾が付属していた。
ふと目が合った少年の一人が、
「あれ??」
「ヤト?」
「他にも、ニケとクマッシー、だよな??」
そう訊いてきたのである。
「……、あ!」
「“カミュ―”か?!」
ヤトが返したら、
「やっぱり!!」
背丈165㎝前後で、金髪ショートに、青い瞳の、カミュ―が、満面の笑みとなった。
ちなみに、布製の長袖と長パンツや、レザーのショート手袋&ブーツは、ブラックである。
防具は“薄革”だが、[木彫りのダガー]を左腰に帯びているので【アサシン】だと推測できた。
「知り合い?」
こっそり尋ねたエイトに、
「うん。」
「同じ小学校だったんだ。」
「過去作では一緒にパーティーを組んでいたんだけど…、中学は区域が違うから別々になっちゃたんだよ。」
そう答えたのは、クマッシーだ。
「カミュ―達も村に農具を届けるのか??」
ヤトが伺ったところ、
「いや、〝遺跡を調査する学者たちの護衛〟だけど?」
このようにカミュ―が述べたのである。
〝んん~??〟と意味が分からない様子の二人に、
「おそらく、お互いに異なるギルドで依頼を受けたんじゃない?」
ニケが伝えたら、ほぼ同時に〝あぁー〟と察したのだった。
「じゃ、俺らは、そろそろ出発するから、これで。」
軽く右手を挙げたヤトに、
「おう。」
「いつかまた、な。」
カミュ―が〝ニッコリ〟したのである……。
▽
更に一日が経った。
“古びた神殿”の正面へと、[Team S]が足を運んでいる。
それなりに近づいたところで、最後尾から、
「おお、ここじゃ。」
「あれこそが、我々が目指しておった遺跡である。」
調査団の“団長”が喋りだした。
ストップした全員が振り向いたところ、
「体力などに不安があるのなら、今のうちに回復しておくが良かろう。」
「準備が整い次第、儂らのことは気にせず中へと進んで構わん。」
団長が告げたのである。
これによって、
「そうしておこう。」
皆を促すシューラであった。
石造りの[神殿]は、かなりの高さがある何本もの円柱によって三角屋根が支えられている。
とはいえ。
風化にて、三割ほどが崩れているみたいだ。
なお、シューラ達は、あれからも何度かのバトルを経験し、魔物らを倒した結果、個人差はあるもののレベルが4~5になっていた。
「いよいよ内部を捜索するわけだが…、問題ないよな??」
シリウスが見回し、メンバーが首を縦に振る。
「おし。」
「どんな事が起きるのか予測できないから、各自で注意しつつ、危険に陥った仲間の援護を忘れずに。」
真剣な表情で申し送りした流れで、〝スゥ――〟と息を吸い、
「行くぞ!」
号令をかける[リーダー]のシリウスだった―。
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