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Chapter 1/最初の国
№4 連帯
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それは、[Team S]が、遺跡調査団と面会していた頃である。
中学生六人組は[サウスウエストギルド]に訪れていた。
「イッチューズに…、ヤト、と。」
リーダーが登録を終えたところで、受け付けの男性である“NPC”が、
「それでは、現在この冒険者ギルドで承っている御依頼を、お知らせします。」
「……。」
「逃げたペットを捕まえる。」
「都から最西端の村まで新品の農具を届けてあげる。」
「以上の二つとなります。」
こう伝えてきたのである。
「じゃあ…。」
【武士】のヤトが言いかけたところ、
「ペットを捜そう!!」
【アーチャー】たるカリンが背後から主張した事によって、
「いいねぇ。」
「面白そう。」
【忍】であるセブンと、
「確かに。」
「それを選びましょ。」
【精霊術士】のエイトが、賛同したのだった。
これに、
「よし。」
「決まりだね。」
【シールダー】たるクマッシーが加勢する。
「おま……、なんで女子たちに味方するんだよ、クマッシー。」
「〝農具を届ける〟ほうが冒険っぽいから、そっちがいいだろッ?!」
「男なら!」
ヤトが不満そうにしたところ、
「ま、ここは、〝ペット〟でいこうぜ、ヤト。」
「女性陣は初心者の集まりなんだから、まずは、いろいろと楽しんでもらおう。」
「じゃないと、途中で、つまらなくなって、辞めてしまうかもしれないじゃん??」
「それだと皆が気まずくなりかねないから、自分を押し通そうとばかりせず、メンバーの意見を採用して、仲良くやっていくのも、リーダーの務めだと思うよ、オレは。」
【戦士】のニケが説得したのであった。
「ん~、…、一理あるな。」
「しゃーねぇ。」
「ペットで、決まりだ!!」
ヤトが告げたら、
「では、詳細に入ります。」
「ここ南西地区で生活している資産家の邸宅から猫が失踪したそうです。」
「細かい話しは、ご本人がたがなさるそうなので、お伺いしてください。」
「みなさんの地図に、お家の場所を赤丸で印しておきます。」
「それを参考にすれば、道に迷わず到着できるでしょう。」
そのように説明したNPCが、
「ここまで御理解いただけましたでしょうか?」
「もう一度お聞きになりますか??」
続けざまに質問してきたのである。
「いや、いい。」
ヤトが首を横に振ったところで、
「そうですか……。」
「ちなみに、報酬は、お一人につき金貨2枚となります。」
「この案件を、お受けになりますか?」
男性が尋ねてきた。
「ああ、よろしく!」
元気よく応じたヤトに、
「それでは、誓約書を発行しますので、依頼主に渡してください。」
こう述べる男性だった…。
外に出るなり足を止めたカリンが、
「ここからだと、そこそこ距離がありそうだけど、おっきいわねぇ。」
「何かしら?? あれは。」
南側の建物に、軽く首を傾げる。
[横長である超薄型画面]の“MAP”を確認しつつ、
「大聖堂みたいだね。」
そう教えるクマッシーであった。
この流れで、
「僕たちの目的地は、ここから東の方に位置しているみたいだよ。」
クマッシーが周りに報せる。
それによって、
「おし!!」
「早速、行ってみようぜ!」
仲間を促すヤトだった。
▽
[Team S]と学者たちが、西門を通過していく。
辺り一面に広がる草原には、ところどころ花や樹木が生えている。
青空も含めて、フィールドもまた、“幻想的”だった。
「景色は良いし、風が気持ちいわね。」
こう呟いた女性に、
「ん。」
「そうだね、サザミン。」
シューラが頷く。
背丈が157cmの“サザミン”は、スレンダーで、50歳前後といった感じだ。
金髪ロングの白肌であり、瞳は青い。
ホワイトを基調とした簡素な長袖&長パンツといった“旅人の服”に、ブラウンで革製のロング手袋とロングブーツを、着用している。
左手には[木製で短めの弓]を握っているので、【アーチャー】に違いないだろう。
一同は“土の道”を歩いてゆく。
それなりに整備されている道路は、割と幅広であった。
暫く進んだあたりで、
「む?!」
「何か来る。」
ある女性が告げた。
「どこ?」
「シエル。」
シューラが訊ねたら、
「右斜め前と、左斜め前。」
「どちらも、モンスター達みたいね。」
「数は、合計で10体といったところよ。」
このように伝えたのである。
身長165㎝かつ華奢な体型の“シエル”は、30代半ばのようだ。
銀髪ショートで、瞳は緑色であり、肌は黒い。
布製の長袖と長パンツに、レザーのショート手袋&ブーツは、ブラックである。
右腰に[木彫りのダガー]が見受けられることから、サウスポーなのだろう。
そんな彼女は【アサシン】だと推測できる。
「突撃するか??」
リーダーであるシリウスの提案に、
「うん。」
シューラが賛成したところ、
「待て。」
「〝遺跡調査団が一人でも亡くなってしまうと報酬が支払われない〟のであれば、守りを固めるべきじゃろう。」
初老の男性が指摘したのだった。
この考えを、
「なるほど。」
「ソリュウ、正しい。」
シューラが認める。
“ソリュウ”は、背丈163㎝の細身で、60代半ばのようだ。
後部で束ねているセミロングヘアーに、鼻の下と顎の髭は、白髪交じりである。
青色を基調とした長袖&長パンツの甚平みたいな和装に、|白足袋と草履《ぞうり》を履いていた。
左腰には[木刀]を帯びている。
どうやら【武士】らしい。
「シリウス。」
シューラに名前を呼ばれて、
「おう!!」
と返したリーダーが、
「全員、なるべく調査団から離れるなよ!」
「オレ達のデビュー戦、勝利で飾るぞ!!」
パーティーメンバーを指揮するのであった―。
中学生六人組は[サウスウエストギルド]に訪れていた。
「イッチューズに…、ヤト、と。」
リーダーが登録を終えたところで、受け付けの男性である“NPC”が、
「それでは、現在この冒険者ギルドで承っている御依頼を、お知らせします。」
「……。」
「逃げたペットを捕まえる。」
「都から最西端の村まで新品の農具を届けてあげる。」
「以上の二つとなります。」
こう伝えてきたのである。
「じゃあ…。」
【武士】のヤトが言いかけたところ、
「ペットを捜そう!!」
【アーチャー】たるカリンが背後から主張した事によって、
「いいねぇ。」
「面白そう。」
【忍】であるセブンと、
「確かに。」
「それを選びましょ。」
【精霊術士】のエイトが、賛同したのだった。
これに、
「よし。」
「決まりだね。」
【シールダー】たるクマッシーが加勢する。
「おま……、なんで女子たちに味方するんだよ、クマッシー。」
「〝農具を届ける〟ほうが冒険っぽいから、そっちがいいだろッ?!」
「男なら!」
ヤトが不満そうにしたところ、
「ま、ここは、〝ペット〟でいこうぜ、ヤト。」
「女性陣は初心者の集まりなんだから、まずは、いろいろと楽しんでもらおう。」
「じゃないと、途中で、つまらなくなって、辞めてしまうかもしれないじゃん??」
「それだと皆が気まずくなりかねないから、自分を押し通そうとばかりせず、メンバーの意見を採用して、仲良くやっていくのも、リーダーの務めだと思うよ、オレは。」
【戦士】のニケが説得したのであった。
「ん~、…、一理あるな。」
「しゃーねぇ。」
「ペットで、決まりだ!!」
ヤトが告げたら、
「では、詳細に入ります。」
「ここ南西地区で生活している資産家の邸宅から猫が失踪したそうです。」
「細かい話しは、ご本人がたがなさるそうなので、お伺いしてください。」
「みなさんの地図に、お家の場所を赤丸で印しておきます。」
「それを参考にすれば、道に迷わず到着できるでしょう。」
そのように説明したNPCが、
「ここまで御理解いただけましたでしょうか?」
「もう一度お聞きになりますか??」
続けざまに質問してきたのである。
「いや、いい。」
ヤトが首を横に振ったところで、
「そうですか……。」
「ちなみに、報酬は、お一人につき金貨2枚となります。」
「この案件を、お受けになりますか?」
男性が尋ねてきた。
「ああ、よろしく!」
元気よく応じたヤトに、
「それでは、誓約書を発行しますので、依頼主に渡してください。」
こう述べる男性だった…。
外に出るなり足を止めたカリンが、
「ここからだと、そこそこ距離がありそうだけど、おっきいわねぇ。」
「何かしら?? あれは。」
南側の建物に、軽く首を傾げる。
[横長である超薄型画面]の“MAP”を確認しつつ、
「大聖堂みたいだね。」
そう教えるクマッシーであった。
この流れで、
「僕たちの目的地は、ここから東の方に位置しているみたいだよ。」
クマッシーが周りに報せる。
それによって、
「おし!!」
「早速、行ってみようぜ!」
仲間を促すヤトだった。
▽
[Team S]と学者たちが、西門を通過していく。
辺り一面に広がる草原には、ところどころ花や樹木が生えている。
青空も含めて、フィールドもまた、“幻想的”だった。
「景色は良いし、風が気持ちいわね。」
こう呟いた女性に、
「ん。」
「そうだね、サザミン。」
シューラが頷く。
背丈が157cmの“サザミン”は、スレンダーで、50歳前後といった感じだ。
金髪ロングの白肌であり、瞳は青い。
ホワイトを基調とした簡素な長袖&長パンツといった“旅人の服”に、ブラウンで革製のロング手袋とロングブーツを、着用している。
左手には[木製で短めの弓]を握っているので、【アーチャー】に違いないだろう。
一同は“土の道”を歩いてゆく。
それなりに整備されている道路は、割と幅広であった。
暫く進んだあたりで、
「む?!」
「何か来る。」
ある女性が告げた。
「どこ?」
「シエル。」
シューラが訊ねたら、
「右斜め前と、左斜め前。」
「どちらも、モンスター達みたいね。」
「数は、合計で10体といったところよ。」
このように伝えたのである。
身長165㎝かつ華奢な体型の“シエル”は、30代半ばのようだ。
銀髪ショートで、瞳は緑色であり、肌は黒い。
布製の長袖と長パンツに、レザーのショート手袋&ブーツは、ブラックである。
右腰に[木彫りのダガー]が見受けられることから、サウスポーなのだろう。
そんな彼女は【アサシン】だと推測できる。
「突撃するか??」
リーダーであるシリウスの提案に、
「うん。」
シューラが賛成したところ、
「待て。」
「〝遺跡調査団が一人でも亡くなってしまうと報酬が支払われない〟のであれば、守りを固めるべきじゃろう。」
初老の男性が指摘したのだった。
この考えを、
「なるほど。」
「ソリュウ、正しい。」
シューラが認める。
“ソリュウ”は、背丈163㎝の細身で、60代半ばのようだ。
後部で束ねているセミロングヘアーに、鼻の下と顎の髭は、白髪交じりである。
青色を基調とした長袖&長パンツの甚平みたいな和装に、|白足袋と草履《ぞうり》を履いていた。
左腰には[木刀]を帯びている。
どうやら【武士】らしい。
「シリウス。」
シューラに名前を呼ばれて、
「おう!!」
と返したリーダーが、
「全員、なるべく調査団から離れるなよ!」
「オレ達のデビュー戦、勝利で飾るぞ!!」
パーティーメンバーを指揮するのであった―。
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