各種族に転生した僕らの異世界ライフ

ネコのうた

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黎明期

第77話 派生⑤

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どうも、お久しぶりです。

[ルゴカータ]という王国で商会を営んでいる“ロレフ・ルヴェッキ”でございます。

ルシム大公殿下の御長男であられる“ルーザー様”より、カッフェアを入手するよう指示されました。

コーヒー・・・・という別名があるのは初耳でしたが、ま、いいでしょう。

そこら辺は追究しないほうが身のためです。

誰がコーヒーという呼び方をしているのか明らかにすべく、ルーザー様に直接お伺いしたり、単独で調べたとしても、良い結果には繋がらない気がします。

商人としての勘です。

私は、これによって、お店が潰れかねない局面を何度となく乗り越えてきました。

……、はぁー。

私の次男にも、そういうのが少しでも備わっていてほしかった今日この頃です。

とは言え。

愚息の“ロトーゾ”が暴走した事で、新たな商売を得られそうではあります。

いえ、決して褒めたりはしませんけどね。

あの子は人として鍛え直す必要があるので!

なお、私は、地元に帰ってきています。

店舗の二階に設けられている[執務室]にて、長男の“レンフィ”に経緯いきさつを伝えました。

25歳の彼は、“中背/筋肉質/金色短髪/日焼け肌/青色の瞳”です。

さておき…。

「カッフェアであれば、このサウスト大陸の北東に位置する国に有りますよね?」
「ですが、あそこは内乱中みたいなので、赴くのは危険でしょう。」
「治安が悪化しているに違いありませんからね。」
「生きて戻れる可能性は、かなり低いかと思われます。」
「それに、あの国の住民たちは商売どころではないのでは??」

このように長男が述べました。

さすがはレンフィ。

独自の情報収集と分析には、素晴らしいものがあります。

次男とは“雲泥の差”です。

ロトーゾに至っては、そういうことも怠るから……、やめておきましょう。

グチグチネチネチ、しつこくなりそうなので。

なにはともあれ。

「よく学んでいるな。」

長男を認めてあげた私は、

「父…、つまり、お前達兄弟の祖父が遺した記録によれば、他の地域にもカッフェアは存在しているみたいだ。」
サウエス・・・・大陸に近い“島”にな。」
「そのため、近日中に出発しようと思う。」
「私は訪れた事がないため、今回は船旅になる。」
「お前には、また留守を任せるので、よろしくな。」

こう告げました。

次男を更生させるのは後回しになってしまいますが、やむをえません。

ルシム大公殿下や[タケハヤしま]で損なわれてしまった我が商会の信頼を回復するのが先決です!!



[サウエス大陸]は、世界の南西に位置しています。

その東に在るのが[パニギア]という島です。

私は、“自宅”と“店舗”を交代で警備させている元冒険者のうち5名を連れて、船に乗り込みました。

「特別手当を出してあげるから」との約束で。

ちなみに、船長×1人/操縦士×2/船員×10/料理人×3の、[中型]です。

こうして、私などが住む王国から西へと進みます。

天候にも恵まれ、海の魔物に遭遇することなく、およそ半月後には、島に到着しました。

まぁ、二度ほど、魔物集団に襲われている海賊船を遠くに確認しましたが……。

そんなこんなで、港から、護衛者5人と目的地に向かいます。

[パニギアとう]には、まだ馬車もユニコーン車も無いらしく、そこからは徒歩でした。



四日が過ぎ、[カッフェアの木]が茂っている場に来ています。

周囲の人々によれば「誰の所有地でもない」「果実を持って行きたいなら勝手にどうぞ」「需要が無いのに物好きだなぁ」との話しでした。

このため、[小規模の亜空間収納]から取り出した麻袋に、詰めていく私です。

そうした最中に“ラタトスク”という魔獣が10匹ほど現れました。

約1M大の“リス”で、額に20㎝あたりの一本角いっぽんづのを有しています。

なかなか素早いですが、護衛者たちが殲滅してくれたのです―。
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