76 / 80
黎明期
第76話 連関⑧
しおりを挟む
先生の【お取り寄せ】なるものに、
「なんだ?! それは??」
「能力か?」
“武神カティーア様”が訝しがる。
「え??」
「パナーア様が僕らに授けておいてくださった“特殊スキル”の一つですけども?」
僕が首を傾げたところ、
「特殊スキル??」
「そんなものは知らないが?」
眉間にシワを寄せ、
「四人とも、私に詳細を教えてくれ。」
こうお促しになられる武神様だった……。
▽
聞き終えて、〝う~む〟と考え込まれたカティーア様が、
「これは…、パナーア以外の神々も関わっているに違いない。」
そのように推測する。
「恐れながら、どういうことでしょうか??」
お伺いしたのは、“細長眼鏡のマリー”だ。
これを受け、
「まず、私などの父である最高神が、創世を行なったとき、各種族に魔法とスキルに戦闘スキルを付与した。」
「単純なスキルは、亜空間収納などが該当する。」
「で、だ。」
「どの種族も、子孫繫栄していき、代替わりしていく流れで、遺伝子に変化が起きていった。」
「全てを兼ね備えて生まれてくる者もいれば、逆に何ひとつ持ち合わせていない者であったり、一部だけ有している者、みたいな感じだ。」
「ま、それでも、鍛錬や実戦を積む事で開花したりするのだが……。」
武神様が語っていく。
「あー。」
「〝僕が当初は戦闘スキルを全くもって備えていなかった〟みたいなことかぁ。」
独り納得した僕に、カティーア様が〝ふむ〟と頷かれ、
「他には、“ユニークスキル”というものが、いつしか誕生した。」
「父によれば〝これも遺伝子変異であり、そのスキルを持っている者は少ない〟との話しだ。」
「そして、“特殊スキル”というものは、未だかつて存在していないのだよ。」
「この惑星、ガーアの歴史上、な。」
そう喋られた。
「成程、です。」
理解を示した先生が、
「無礼を、承知で、お尋ねしても、よろしい、でしょうか?」
武神様を窺う。
どうやら、まだ緊張が抜けきれていないらしく、言葉がたどたどしい。
ヴァイアに至っては、できるだけカティーア様と視線を合わせないようにしている。
僕には分からないけれど、余程の【神気】なのだろう。
何はともあれ。
「私に答えられそうな内容であれば、遠慮なく。」
武神様が許可なされた。
「ありがとう、ございます。」
会釈した先生は、
「僕らの、特殊スキルに、いろいろな神様が、携わっているかもしれない、というのは、どのような、意味でしょうか??」
こう質問する。
それによって、
「パナーアは“癒し”を司っている。」
「なので、別の神々と協力しない限り、施すのは無理なのだよ。」
「諸君が得ている特殊スキルは、パナーアにとって専門外のものばかりだからな。」
「単独で授けるのが可能なのは、最高神と創造主様くらいだろう。」
このように述べられたカティーア様が、
「時空神は、何故、報告しなかった?」
「もしや、結託しているのか??」
そう呟く。
次の瞬間、
「まぁ、いい。」
「此度の件を再調査し、白日の下に晒したうえで、関与した連中を厳しく罰するとしよう。」
〝フフフフフフフッ〟と不敵な笑みを浮かべた。
これに、大なり小なり【神気】を感じ取れるヒト達が〝ビクッ!!〟と反する。
それらを余所に立ち上がると、
「コーヒー、馳走になった。」
「美味しかったよ。」
優しく目を細められた武神様が、
「では、また、いつか。」
この場から〝パッ!〟と消えた。
それに続いて、何名かが、〝ぶはぁ――〟と深く息を吐き、安堵する。
よほど怖かったのだろう。
こうした[広間]に沈黙が訪れかけたところで、
「あのぉー、父上。」
「例の貿易商人を、スブキィの宿屋に待たせているのですが、如何いたしましょう?」
“長男のルーザーさん”が、ルシム大公に指示を仰いだ。
僕は、(貿易商人??)といった疑問を抱く。
それはさておき。
「午後にでも連れて参れ。」
「儂が直に会おう。」
このように返す大公だった―。
「なんだ?! それは??」
「能力か?」
“武神カティーア様”が訝しがる。
「え??」
「パナーア様が僕らに授けておいてくださった“特殊スキル”の一つですけども?」
僕が首を傾げたところ、
「特殊スキル??」
「そんなものは知らないが?」
眉間にシワを寄せ、
「四人とも、私に詳細を教えてくれ。」
こうお促しになられる武神様だった……。
▽
聞き終えて、〝う~む〟と考え込まれたカティーア様が、
「これは…、パナーア以外の神々も関わっているに違いない。」
そのように推測する。
「恐れながら、どういうことでしょうか??」
お伺いしたのは、“細長眼鏡のマリー”だ。
これを受け、
「まず、私などの父である最高神が、創世を行なったとき、各種族に魔法とスキルに戦闘スキルを付与した。」
「単純なスキルは、亜空間収納などが該当する。」
「で、だ。」
「どの種族も、子孫繫栄していき、代替わりしていく流れで、遺伝子に変化が起きていった。」
「全てを兼ね備えて生まれてくる者もいれば、逆に何ひとつ持ち合わせていない者であったり、一部だけ有している者、みたいな感じだ。」
「ま、それでも、鍛錬や実戦を積む事で開花したりするのだが……。」
武神様が語っていく。
「あー。」
「〝僕が当初は戦闘スキルを全くもって備えていなかった〟みたいなことかぁ。」
独り納得した僕に、カティーア様が〝ふむ〟と頷かれ、
「他には、“ユニークスキル”というものが、いつしか誕生した。」
「父によれば〝これも遺伝子変異であり、そのスキルを持っている者は少ない〟との話しだ。」
「そして、“特殊スキル”というものは、未だかつて存在していないのだよ。」
「この惑星、ガーアの歴史上、な。」
そう喋られた。
「成程、です。」
理解を示した先生が、
「無礼を、承知で、お尋ねしても、よろしい、でしょうか?」
武神様を窺う。
どうやら、まだ緊張が抜けきれていないらしく、言葉がたどたどしい。
ヴァイアに至っては、できるだけカティーア様と視線を合わせないようにしている。
僕には分からないけれど、余程の【神気】なのだろう。
何はともあれ。
「私に答えられそうな内容であれば、遠慮なく。」
武神様が許可なされた。
「ありがとう、ございます。」
会釈した先生は、
「僕らの、特殊スキルに、いろいろな神様が、携わっているかもしれない、というのは、どのような、意味でしょうか??」
こう質問する。
それによって、
「パナーアは“癒し”を司っている。」
「なので、別の神々と協力しない限り、施すのは無理なのだよ。」
「諸君が得ている特殊スキルは、パナーアにとって専門外のものばかりだからな。」
「単独で授けるのが可能なのは、最高神と創造主様くらいだろう。」
このように述べられたカティーア様が、
「時空神は、何故、報告しなかった?」
「もしや、結託しているのか??」
そう呟く。
次の瞬間、
「まぁ、いい。」
「此度の件を再調査し、白日の下に晒したうえで、関与した連中を厳しく罰するとしよう。」
〝フフフフフフフッ〟と不敵な笑みを浮かべた。
これに、大なり小なり【神気】を感じ取れるヒト達が〝ビクッ!!〟と反する。
それらを余所に立ち上がると、
「コーヒー、馳走になった。」
「美味しかったよ。」
優しく目を細められた武神様が、
「では、また、いつか。」
この場から〝パッ!〟と消えた。
それに続いて、何名かが、〝ぶはぁ――〟と深く息を吐き、安堵する。
よほど怖かったのだろう。
こうした[広間]に沈黙が訪れかけたところで、
「あのぉー、父上。」
「例の貿易商人を、スブキィの宿屋に待たせているのですが、如何いたしましょう?」
“長男のルーザーさん”が、ルシム大公に指示を仰いだ。
僕は、(貿易商人??)といった疑問を抱く。
それはさておき。
「午後にでも連れて参れ。」
「儂が直に会おう。」
このように返す大公だった―。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!
マーニー
ファンタジー
※ほのぼの日常系です
病弱で閉鎖的な生活を送る、伯爵令嬢の美少女ニコル(10歳)。対して、亡くなった両親が残した借金地獄から抜け出すため、忙殺状態の限界社会人サラ(22歳)。
ある日、同日同時刻に、体力の限界で息を引き取った2人だったが、なんとサラはニコルの体に転生していたのだった。
「こういうときって、神様のチート能力とかあるんじゃないのぉ?涙」
異世界転生お約束の神様登場も特別スキルもなく、ただただ、不健康でひ弱な美少女に転生してしまったサラ。
「せっかく忙殺の日々から解放されたんだから…楽しむしかない。ぜっっったいにスローライフを満喫する!」
―――異世界と健康への不安が募りつつ
憧れのスローライフ実現のためまずは健康体になることを決意したが、果たしてどうなるのか?
魔法に魔物、お貴族様。
夢と現実の狭間のような日々の中で、
転生者サラが自身の夢を叶えるために
新ニコルとして我が道をつきすすむ!
『目指せ健康体!美味しいご飯と楽しい仲間たちと夢のスローライフを叶えていくお話』
※はじめは健康生活。そのうちお料理したり、旅に出たりもします。日常ほのぼの系です。
※非現実色強めな内容です。
※溺愛親バカと、あたおか要素があるのでご注意です。
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる