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黎明期
第71話 ダンジョン探索①
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ルシム大公たちが[アイテムボックス]に魔物と魔獣を収納し終えた。
それによって、僕らは[鉱石洞窟]へと向かう……。
▽
出入口である[穴]は、最大幅3M×最大高さ5Mといったところで、歪なドーム型だ。
こうした洞窟へと僕達は足を踏み入れた。
そこから、薄暗い内を暫く進む。
すると、次第に明るくなってきた。
地面から幾つかの鉱石がまばらに突き出していたからだ。
もしくは〝タケノコみたいに生えている〟といった表現のほうが、しっくりくるだろうか?
高さは1㎝~15㎝くらいで、“白/赤/青/黄/緑/紫”と、さまざまだった。
これらが光を放っているのだ。
一本道を歩きつつ、
「こっちの世界の鉱石って、どれもこんな感じで光っているの??」
誰ともなく素朴な疑問を口にした僕に、
「あー。」
「そこら辺に関しては、まだ授業していませんでしたね。」
〝ふむ〟と頷いたマリーが、
「では。」
「良い機会ですので、お教え致します。」
右手の中指で、眼鏡の中央を〝スチャッ〟と上げる。
そうして、
「普通の鉱石は、自然に発光したりはしません。」
「一方で、この洞窟のような魔鉱石は〝魔素を含んだことで起きる現象〟と、昔から伝えられてきました。」
「ですが、詳細は未だ解明されていないため、真偽のほどは分からないのです。」
「ただ…、こうした魔鉱石は、純度が高くなっています。」
「そのため、宝石に加工した際には、結構な値が付くのです。」
「また、粉々にした魔鉱石を混ぜて作った武器や防具は、強度が増します。」
「当然、そうした完成品も値段が高くなりますけどね。」
「あと、魔鉱石はギルドが買い取ってくれるので、冒険者などにとっての資金源になります。」
このように語ったのだ……。
▽
あれから、開けた場所に来た。
先程までとは違って、高さ5㎝~30㎝あたりの[魔鉱石]が割と存在している。
そのため、より明るい。
僕とアシャーリーやヴァイアに先生は〝おぉー〟と少なからず感動した。
こうした僕らに、“ハーフエルフのリィバ”が、
「下の階層へ行くほど、魔鉱石は大きくなりますよ。」
〝ニコニコ〟と微笑む。
僕たちが〝へぇー〟と興味を示していたところ、
「さて、どうするかのう。」
トラヴォグ公爵が呟いた。
何故ならば、奥へと続く道が“二又”になっているからだ。
「分かれて進むしかないでしょうなぁ。」
大公が述べた事で、僕らは相談していく…。
▽
僕と“教育係”や“お世話係”に、先生&トラヴォグ公は、右となった。
他のメンバーは、勿論、左だ。
モンスターに遭遇する危険性は無いに等しいみたいだけど、もしもに備えて数のバランスを考えたからだった。
それだけでなく、万が一、強敵にバッタリ出会ってしまったときは、[大公の館]に【瞬間移動】することになっている。
詠唱している最中に攻撃されでもしたなら、まずい事態になりかねない。
しかし、ヴァイアと先生は【闇属性の神法】も使えるので、無詠唱で済む。
こうした理由で、チームを決めたのだった。
そのような経緯で、
「前方は私どもにお任せください。」
“黒猫の獣人”こと“ユーン”が立候補する。
彼女達は、耳が良い種族のため、異変を察知しやすい。
こうして、慎重を期す僕らだった……。
▽
新たな一本道を進んでゆく。
魔鉱石は、また少量になっている。
5分ぐらい歩いただろうか?
下への階段が見受けられた。
▽
地下2階は、若干ながら複雑な造りになっている。
ちょっとした迷路だ。
左に曲がっては、行き止まりとなって、来た道を戻り、右に曲がっては――、というのを何度か繰り返す。
そのような状況で、
「どこか怖い気もしますが、〝ワクワク〟のほうが勝りますねぇ~。」
楽しそうにしているのは、先生だった…。
▽
約20分が経ち、地下3階に出る。
僕らの対面に在る階段から、大公たちが下りてきた。
おそらくだけれども、このエリアの北側に僕らがいて、アシャーリー&ヴァイアの一同は南側だと思われる。
そうした仮定でいくと、東側は壁になっており、西側で崩落が起きていた。
リィバが西へと視線を送りつつ、
「この規模であれば、ダンジョンブレイクでしょう。」
「きっと、代替わりしたばかりの“触手目玉”が改築に失敗したのであって、自然災害ではありませんよ。」
「ここの“ダンジョンマスター”は、あれらの崩れた岩の下敷きになって、既に息絶えているかと。」
こう喋った事で、僕とアシャーリーやヴァイアに先生が〝ん~??〟と首を傾げる。
そうした流れにて、
「まぁ、話しは後にしよう。」
「取り敢えず、崩落の影響で散らばったのであろう魔鉱石を、回収したい。」
「ギルドの依頼を受けなくなっておる冒険者どもを動かすため、儂に考えがある故。」
このように告げる大公だった―。
それによって、僕らは[鉱石洞窟]へと向かう……。
▽
出入口である[穴]は、最大幅3M×最大高さ5Mといったところで、歪なドーム型だ。
こうした洞窟へと僕達は足を踏み入れた。
そこから、薄暗い内を暫く進む。
すると、次第に明るくなってきた。
地面から幾つかの鉱石がまばらに突き出していたからだ。
もしくは〝タケノコみたいに生えている〟といった表現のほうが、しっくりくるだろうか?
高さは1㎝~15㎝くらいで、“白/赤/青/黄/緑/紫”と、さまざまだった。
これらが光を放っているのだ。
一本道を歩きつつ、
「こっちの世界の鉱石って、どれもこんな感じで光っているの??」
誰ともなく素朴な疑問を口にした僕に、
「あー。」
「そこら辺に関しては、まだ授業していませんでしたね。」
〝ふむ〟と頷いたマリーが、
「では。」
「良い機会ですので、お教え致します。」
右手の中指で、眼鏡の中央を〝スチャッ〟と上げる。
そうして、
「普通の鉱石は、自然に発光したりはしません。」
「一方で、この洞窟のような魔鉱石は〝魔素を含んだことで起きる現象〟と、昔から伝えられてきました。」
「ですが、詳細は未だ解明されていないため、真偽のほどは分からないのです。」
「ただ…、こうした魔鉱石は、純度が高くなっています。」
「そのため、宝石に加工した際には、結構な値が付くのです。」
「また、粉々にした魔鉱石を混ぜて作った武器や防具は、強度が増します。」
「当然、そうした完成品も値段が高くなりますけどね。」
「あと、魔鉱石はギルドが買い取ってくれるので、冒険者などにとっての資金源になります。」
このように語ったのだ……。
▽
あれから、開けた場所に来た。
先程までとは違って、高さ5㎝~30㎝あたりの[魔鉱石]が割と存在している。
そのため、より明るい。
僕とアシャーリーやヴァイアに先生は〝おぉー〟と少なからず感動した。
こうした僕らに、“ハーフエルフのリィバ”が、
「下の階層へ行くほど、魔鉱石は大きくなりますよ。」
〝ニコニコ〟と微笑む。
僕たちが〝へぇー〟と興味を示していたところ、
「さて、どうするかのう。」
トラヴォグ公爵が呟いた。
何故ならば、奥へと続く道が“二又”になっているからだ。
「分かれて進むしかないでしょうなぁ。」
大公が述べた事で、僕らは相談していく…。
▽
僕と“教育係”や“お世話係”に、先生&トラヴォグ公は、右となった。
他のメンバーは、勿論、左だ。
モンスターに遭遇する危険性は無いに等しいみたいだけど、もしもに備えて数のバランスを考えたからだった。
それだけでなく、万が一、強敵にバッタリ出会ってしまったときは、[大公の館]に【瞬間移動】することになっている。
詠唱している最中に攻撃されでもしたなら、まずい事態になりかねない。
しかし、ヴァイアと先生は【闇属性の神法】も使えるので、無詠唱で済む。
こうした理由で、チームを決めたのだった。
そのような経緯で、
「前方は私どもにお任せください。」
“黒猫の獣人”こと“ユーン”が立候補する。
彼女達は、耳が良い種族のため、異変を察知しやすい。
こうして、慎重を期す僕らだった……。
▽
新たな一本道を進んでゆく。
魔鉱石は、また少量になっている。
5分ぐらい歩いただろうか?
下への階段が見受けられた。
▽
地下2階は、若干ながら複雑な造りになっている。
ちょっとした迷路だ。
左に曲がっては、行き止まりとなって、来た道を戻り、右に曲がっては――、というのを何度か繰り返す。
そのような状況で、
「どこか怖い気もしますが、〝ワクワク〟のほうが勝りますねぇ~。」
楽しそうにしているのは、先生だった…。
▽
約20分が経ち、地下3階に出る。
僕らの対面に在る階段から、大公たちが下りてきた。
おそらくだけれども、このエリアの北側に僕らがいて、アシャーリー&ヴァイアの一同は南側だと思われる。
そうした仮定でいくと、東側は壁になっており、西側で崩落が起きていた。
リィバが西へと視線を送りつつ、
「この規模であれば、ダンジョンブレイクでしょう。」
「きっと、代替わりしたばかりの“触手目玉”が改築に失敗したのであって、自然災害ではありませんよ。」
「ここの“ダンジョンマスター”は、あれらの崩れた岩の下敷きになって、既に息絶えているかと。」
こう喋った事で、僕とアシャーリーやヴァイアに先生が〝ん~??〟と首を傾げる。
そうした流れにて、
「まぁ、話しは後にしよう。」
「取り敢えず、崩落の影響で散らばったのであろう魔鉱石を、回収したい。」
「ギルドの依頼を受けなくなっておる冒険者どもを動かすため、儂に考えがある故。」
このように告げる大公だった―。
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