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黎明期
第46話 交錯するもの⑨
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▽
私の名は“マリー・ラキリアス”です。
ラルーシファ王子の教育係にして…、ま、いいでしょう。
私の事よりも、王子がたに関して語らせていただきます。
ルシム大公のもとに赴いてからというもの、なんだか忙しなくなってきました。
しかしながら、幾つもの大発見があったので、まったくもって悪い気はしません。
まず、王子によって[神剣ムラクモ]の能力が明らかとなったのです。
更には、王子やアシャーリー嬢に、ダイワの初代国王と近衛衆が、“転生者”だということが伝えられました。
しかも、アシャーリー嬢は【光属性の神法】を備えておられたのです。
こうした流れで、[パナーア様]や[カティーア様]を御拝顔できました。
武神様は“女神”だったといのも含めて、きちんと記録しておきます。
それにしても……、次々と歴史的瞬間に立ち会えた私は、果報者です!
これはもう、興奮が止まりません!!
なにせ、私の本業ですから!
すみません。
落ち着くまで少々お待ちください。
…………。
失礼しました。
話しを続けましょう。
私の…、いえ、誰の興味をも惹いたのは、アシャーリー嬢のお料理です。
どれもが美味のなか、 [ロール型セミハードパンとスクランブルエッグ]の組み合わせが私の好みとなっています。
ある日、アシャーリー嬢が〝ナイフでパンの縦に切れ込みを入れ、そこにスクランブルエッグを挟む〟という食べ方を披露してくださいました。
真似させていただいたところ、すぐさま虜になってしまったのです!!
「お店のメニューに加えてみる?」
王子が御提案なされるも、
「うぅ~ん、そうですね……。」
「個人的には、できればソフトパンの方が良いと思いますし…、特に食パンでのサンドウィッチを何種類か作ってみたいので、とりあえず保留にさせてください。」
「ただ、柔らかいパンの製造法を詳しくは知らないので、なかなか難しいですね、現状では。」
そのように答えられるアシャーリー嬢でした。
王子とアシャーリー嬢以外が、「さんどうぃっち??」と揃って首を傾げます。
これを受け、アシャーリー嬢が丁寧に説明してくださったのです……。
数日が経ち、お店などの候補が挙がってきました。
修行を終えたヴォルさん達によって、[チキュウビストロ・ルワーテ]の運営が始まります。
一方、我々は、“実戦”の場へと訪れました…。
ベルーグ殿は[騎士位]を賜っているだけあって、かなりの剣捌きです。
私はというと、王子に[槍術]を教えてきたので、得意な鞭から久しく遠ざかっていました。
そのため、魔物と戦う事が決まってからというもの、お庭で復習してきたのです。
おかげで勘を取り戻し、敵に後れを取らずに済んでいます。
なお、王子は次第に戦闘に慣れてきたようです。
とは言え、[アルラウネ]には、いささか躊躇っておられましたが……。
魔物集団を殲滅したところで、
「ベルーグ、マリー、援護してくれて、ありがとう。」
「分かってはいたけど、二人とも、かなりの腕前だね!」
王子が微笑みながらお声がけくださったのです。
補佐を務め上げられたことに胸を撫で下ろす私でした―。
▽
私は“ユーン・バーンネル”でございます。
ラルーシファ様の“お世話係”にして…、よしましょう。
回りくどくなりそうなので。
ただし、お忘れの方もいらっしゃるかもしれないため、“黒猫の耳と尾を有している”という事は、再認識しておいてください。
……、さて。
ラルーシファ様の教育係も兼任するようになってからというもの、奇跡に驚かされてばかりです。
[大公様の館]に到着してからは、[ムラクモ]に秘められた力を目の当たりにしました。
これだけでなく、女神様がたにお会いできたのです。
新たな楽しみとなったのは、アシャーリー様による調理でございます。
私が虜にされたのは[スープ類]でした。
特に“肉や骨などの煮出し汁”こと“ブイヨン”なるものを基にした[コンソメ]を口にすれば、心身に幸せが広まるのです。
私などは、少なからず“肉食”の血を引いているため、お野菜は苦手としてきました。
ですが、コンソメは味わい深いので、自然と食が進みます。
勿論、他のスープも創意工夫がなされているため、今まで飲んできたものより格別です!!
何はともあれ…。
魔物と戦う事になりました。
ラルーシファ様やアシャーリー様の所の“獣人”が、森林に足を踏み入れます。
すると、“マイコニド/アルラウネ/食人花/ウッドゴーレム”の約5体ずつが、歩いていたり、休息していたのです。
各自、そこら辺の石を掴んで投げ当てたら、魔物たちが、奇声を発したり、音を鳴らして、仲間を呼びました。
およそ15体ずつとなった“植物系の群れ”が、私どもに襲い掛かってきます。
ここからは、走って森から出たのです。
そうした役割は〝人間やエルフよりも身体能力が高い獣人〟が適しております。
つまり、[素早さ]や[腕力]などが優れているのです。
しかし、“鬼”や“竜”には劣ると、聞き及んでいます。
私としては、面識がないので、判然としませんが。
ちなみに、“戦闘能力”のほうは【魔法】や【スキル】の数値に左右されます。
結局のところ、〝両方の能力が高いほどに強い〟のです。
さておき……。
魔物を倒しきって、ラルーシファ様に合流したら、
「ご苦労さま!」
「ユーン達も素晴らしい活躍だったね!!」
笑顔で迎えてくださいました。
これには、“お世話係の5人”が、耳や尻尾を〝パタパタ〟させて嬉しがります。
立場的に自分を律しようとした私ではありましたが…、喜びを隠しきれません!
その光景に、アシャーリー様の“教育係”の方々が羨ましそうにしております。
察したらしいアシャーリー様も、感謝や、お褒めの言葉を、述べられたのです。
これによって、ルシム様はもとより、あちらの誰もが、上機嫌となりました―。
私の名は“マリー・ラキリアス”です。
ラルーシファ王子の教育係にして…、ま、いいでしょう。
私の事よりも、王子がたに関して語らせていただきます。
ルシム大公のもとに赴いてからというもの、なんだか忙しなくなってきました。
しかしながら、幾つもの大発見があったので、まったくもって悪い気はしません。
まず、王子によって[神剣ムラクモ]の能力が明らかとなったのです。
更には、王子やアシャーリー嬢に、ダイワの初代国王と近衛衆が、“転生者”だということが伝えられました。
しかも、アシャーリー嬢は【光属性の神法】を備えておられたのです。
こうした流れで、[パナーア様]や[カティーア様]を御拝顔できました。
武神様は“女神”だったといのも含めて、きちんと記録しておきます。
それにしても……、次々と歴史的瞬間に立ち会えた私は、果報者です!
これはもう、興奮が止まりません!!
なにせ、私の本業ですから!
すみません。
落ち着くまで少々お待ちください。
…………。
失礼しました。
話しを続けましょう。
私の…、いえ、誰の興味をも惹いたのは、アシャーリー嬢のお料理です。
どれもが美味のなか、 [ロール型セミハードパンとスクランブルエッグ]の組み合わせが私の好みとなっています。
ある日、アシャーリー嬢が〝ナイフでパンの縦に切れ込みを入れ、そこにスクランブルエッグを挟む〟という食べ方を披露してくださいました。
真似させていただいたところ、すぐさま虜になってしまったのです!!
「お店のメニューに加えてみる?」
王子が御提案なされるも、
「うぅ~ん、そうですね……。」
「個人的には、できればソフトパンの方が良いと思いますし…、特に食パンでのサンドウィッチを何種類か作ってみたいので、とりあえず保留にさせてください。」
「ただ、柔らかいパンの製造法を詳しくは知らないので、なかなか難しいですね、現状では。」
そのように答えられるアシャーリー嬢でした。
王子とアシャーリー嬢以外が、「さんどうぃっち??」と揃って首を傾げます。
これを受け、アシャーリー嬢が丁寧に説明してくださったのです……。
数日が経ち、お店などの候補が挙がってきました。
修行を終えたヴォルさん達によって、[チキュウビストロ・ルワーテ]の運営が始まります。
一方、我々は、“実戦”の場へと訪れました…。
ベルーグ殿は[騎士位]を賜っているだけあって、かなりの剣捌きです。
私はというと、王子に[槍術]を教えてきたので、得意な鞭から久しく遠ざかっていました。
そのため、魔物と戦う事が決まってからというもの、お庭で復習してきたのです。
おかげで勘を取り戻し、敵に後れを取らずに済んでいます。
なお、王子は次第に戦闘に慣れてきたようです。
とは言え、[アルラウネ]には、いささか躊躇っておられましたが……。
魔物集団を殲滅したところで、
「ベルーグ、マリー、援護してくれて、ありがとう。」
「分かってはいたけど、二人とも、かなりの腕前だね!」
王子が微笑みながらお声がけくださったのです。
補佐を務め上げられたことに胸を撫で下ろす私でした―。
▽
私は“ユーン・バーンネル”でございます。
ラルーシファ様の“お世話係”にして…、よしましょう。
回りくどくなりそうなので。
ただし、お忘れの方もいらっしゃるかもしれないため、“黒猫の耳と尾を有している”という事は、再認識しておいてください。
……、さて。
ラルーシファ様の教育係も兼任するようになってからというもの、奇跡に驚かされてばかりです。
[大公様の館]に到着してからは、[ムラクモ]に秘められた力を目の当たりにしました。
これだけでなく、女神様がたにお会いできたのです。
新たな楽しみとなったのは、アシャーリー様による調理でございます。
私が虜にされたのは[スープ類]でした。
特に“肉や骨などの煮出し汁”こと“ブイヨン”なるものを基にした[コンソメ]を口にすれば、心身に幸せが広まるのです。
私などは、少なからず“肉食”の血を引いているため、お野菜は苦手としてきました。
ですが、コンソメは味わい深いので、自然と食が進みます。
勿論、他のスープも創意工夫がなされているため、今まで飲んできたものより格別です!!
何はともあれ…。
魔物と戦う事になりました。
ラルーシファ様やアシャーリー様の所の“獣人”が、森林に足を踏み入れます。
すると、“マイコニド/アルラウネ/食人花/ウッドゴーレム”の約5体ずつが、歩いていたり、休息していたのです。
各自、そこら辺の石を掴んで投げ当てたら、魔物たちが、奇声を発したり、音を鳴らして、仲間を呼びました。
およそ15体ずつとなった“植物系の群れ”が、私どもに襲い掛かってきます。
ここからは、走って森から出たのです。
そうした役割は〝人間やエルフよりも身体能力が高い獣人〟が適しております。
つまり、[素早さ]や[腕力]などが優れているのです。
しかし、“鬼”や“竜”には劣ると、聞き及んでいます。
私としては、面識がないので、判然としませんが。
ちなみに、“戦闘能力”のほうは【魔法】や【スキル】の数値に左右されます。
結局のところ、〝両方の能力が高いほどに強い〟のです。
さておき……。
魔物を倒しきって、ラルーシファ様に合流したら、
「ご苦労さま!」
「ユーン達も素晴らしい活躍だったね!!」
笑顔で迎えてくださいました。
これには、“お世話係の5人”が、耳や尻尾を〝パタパタ〟させて嬉しがります。
立場的に自分を律しようとした私ではありましたが…、喜びを隠しきれません!
その光景に、アシャーリー様の“教育係”の方々が羨ましそうにしております。
察したらしいアシャーリー様も、感謝や、お褒めの言葉を、述べられたのです。
これによって、ルシム様はもとより、あちらの誰もが、上機嫌となりました―。
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