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黎明期
第24話 交錯するもの➄
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▽
オレは、ラダン=イズモ。
ダイワの“第一王子”だ。
生まれながらにして[戦闘系のスキル]を全て兼ね備えている。
7歳からの“鍛錬”で、四年後には、どれもが[参]になっていた。
“勉学”も順調だった事から、多くの者に「やがては有能な王になるだろう」と噂されるようになったみたいだ。
ただ、【魔法】は何一つ持ち合わせていなかった。
それでも、10歳の頃には、低級ではあるものの“攻撃系”を習得できたので、ひと安心だ。
一方で、妹のリーシアは[全魔法]を扱えるらしい。
更には、頭も良いので、“天才肌”と称賛されている。
しかし、隙あらば悪戯するため、誰からも呆れられているみたいだ。
折角の逸材だというのに…、実に惜しい。
こうした日々が過ぎていったなかで、弟のラルーシファが【神法】を持ち合わせていたのが判明する。
正直、驚いた。
もともと「優しすぎる」「人の上に立つ器ではない」と裏で貶されていたラルの評価が次第に変わっていったのを覚えている。
その三年後には、およそ500年ぶりに[神剣ムラクモ]を抜いたのだ。
オレは、精神的な打撃で、半日ほど寝込んでしまった。
恥ずかしながら……。
父上が「今まで宣べ伝えてきた通り王の座はラダンに継がせる」と広めてくだった。
ラルは「僕なんかより兄上こそが王に相応しいです」と微笑んだ。
嘘が吐けない性格の弟だから、本音であろうことは疑いようがない。
これらの期待に応えるべく、オレは、ますます修行に励みだした。
そうしたなかで、ラルが襲撃されてしまう。
二度に亘って。
しかしながら、ラルの“お世話係”や、ラノワマ宰相によって、難を逃れたそうだ。
できれば兄であるオレが護ってあげたかったところだが…、何より無事で良かった。
なお、オレは、今年の夏に15歳となる。
これによって、正式な戦闘を許可されるのだ。
そうなれば、魔物の討伐などで、より一層に腕を磨いていける。
オレは、もっと強くなりたい。
父が何処かに匿ったという弟が平穏に暮らしていけるようになるためにも―。
▽
私は、リーシア=イズモ。
ダイワの第一王女。
人は私を“天才肌”と呼ぶ。
ふッ。
悪い気はしないわ。
ただ、悪戯が過ぎて失望されているのも分かっている。
……、まぁ、それなりに? 反省してなくもないわ。
面白すぎて止められなかったのは否めないけれど。
でも、11歳になったあたりから徐々に飽きてきたので、最近は回数が激減している。
一方で、ここのところ、妹のエルザが過熱しているらしい…。
え??
私の影響じゃないでしょ?
……、何はともあれ。
ラル君に伝説の【神法】が備わっていた。
更には、[ムラクモ]を抜剣したの。
多くの人が騒然としていたわ。
私も驚愕させられたけど、同時に感動もしたの。
だって、歴史的な場面に立ち会えたのですから。
けれども、それらが原因でラル君が暗殺されかけた。
私は、当初、宰相に目星をつけていたのだけど…、どうやら違ったみたい。
ただし、ラノワマ宰相の預かり知らないところで、ラダン兄上の派閥に属する何者かが勝手に動いている可能性もある。
ま、これらとは別に怪しい人がいるんですけれどね。
それは、私たちの叔父の一人。
……、父上には弟が二人いる。
なかでも、次男の“ラグール公爵”は、20歳くらいの頃に「自分こそが王位を継承すべきだ」と主張したとのこと。
こうした発言が、私などの“お祖父様”を怒らせてしまい、西方の或る領土に飛ばされたのだとか…。
ちなみに、現在、大臣や兵士などは三つに分かれている。
さっき述べたラダン兄上を支持する一派に、ラル君を推すようになった派閥と、中立を保っている人々。
もし、ラグール公が野心を捨て切れておらず、中立派と水面下で繋がっているのだとしたならば、十分にあり得るはず。
〝いずれ自分が国王になるために、最大の障壁になりかねないラル君を真っ先に排除しておこうとした〟という私の考えは……。
といった感じで、いろいろ推理してみたけども、証拠が無いので黒幕は不明のままになっている。
そうした状況のため、父は、秘かにラル君を安全な場所に避難させたらしい。
これによって、エルザの遊び相手が一人いなくなってしまい、私とかの負担が増えている…。
妹は、年齢からして、まだまだ“体力お化け”だから、結構しんどい。
それはもう、いつか必ず私が希望する物を父上に買ってもらわないと割に合わないぐらいに―。
▽
わたしは、エルザ=イズモ。
ダイワの、だいにおうじょ。
まだ、むずかしいもじはわからない。
わたしにわかるのは、にぃさまたちも、ねぇさまも、すごいってこと。
とくに、ラルにぃさまは、みんながさわいでいるほどだから、ものすごいんだとおもう。
にかいもねらわれてしまったぐらいに。
このけっか、ちちが、ラルにぃさまをどこかにおひっこしさせた。
あそびあいてがへってしまったので、さみしい。
でも……。
わたしにはイタズラがある!!
ないしょでリーねぇさまをみつづけておぼえた!
さぁ、きょうもまた、だれかをおどろかせよう!!
…………。
やるまえに、おせわがかりにつかまった…。
むぅー。
どうやらバレてたみたい。
しかたないから、ボールであそんであげる。
そぉ~れ、あははははッ。
……、はぁー。
むなしすぎる。
わたしも、はやいところ、“たんれん”をやってみたい。
なんだかたのしそうだから。
けど、かぁさまに「ちっちゃいころはあぶないからまだダメよ」といわれ、とぉさまには「みんな7さいになってからだぞ」とちゅういされた。
んん~、つまんない…。
でも、まぁ、わたしも“おうじょ”だから、しきたりとかいうのをまもってあげるとしよう。
わたし、えらい!
そんなこんなで、おなかがすいてきた。
おひるごはんはなんだろう??
たとえば、ゆめがかなうなら、もっとおいしいりょうりをたべてみたい―。
オレは、ラダン=イズモ。
ダイワの“第一王子”だ。
生まれながらにして[戦闘系のスキル]を全て兼ね備えている。
7歳からの“鍛錬”で、四年後には、どれもが[参]になっていた。
“勉学”も順調だった事から、多くの者に「やがては有能な王になるだろう」と噂されるようになったみたいだ。
ただ、【魔法】は何一つ持ち合わせていなかった。
それでも、10歳の頃には、低級ではあるものの“攻撃系”を習得できたので、ひと安心だ。
一方で、妹のリーシアは[全魔法]を扱えるらしい。
更には、頭も良いので、“天才肌”と称賛されている。
しかし、隙あらば悪戯するため、誰からも呆れられているみたいだ。
折角の逸材だというのに…、実に惜しい。
こうした日々が過ぎていったなかで、弟のラルーシファが【神法】を持ち合わせていたのが判明する。
正直、驚いた。
もともと「優しすぎる」「人の上に立つ器ではない」と裏で貶されていたラルの評価が次第に変わっていったのを覚えている。
その三年後には、およそ500年ぶりに[神剣ムラクモ]を抜いたのだ。
オレは、精神的な打撃で、半日ほど寝込んでしまった。
恥ずかしながら……。
父上が「今まで宣べ伝えてきた通り王の座はラダンに継がせる」と広めてくだった。
ラルは「僕なんかより兄上こそが王に相応しいです」と微笑んだ。
嘘が吐けない性格の弟だから、本音であろうことは疑いようがない。
これらの期待に応えるべく、オレは、ますます修行に励みだした。
そうしたなかで、ラルが襲撃されてしまう。
二度に亘って。
しかしながら、ラルの“お世話係”や、ラノワマ宰相によって、難を逃れたそうだ。
できれば兄であるオレが護ってあげたかったところだが…、何より無事で良かった。
なお、オレは、今年の夏に15歳となる。
これによって、正式な戦闘を許可されるのだ。
そうなれば、魔物の討伐などで、より一層に腕を磨いていける。
オレは、もっと強くなりたい。
父が何処かに匿ったという弟が平穏に暮らしていけるようになるためにも―。
▽
私は、リーシア=イズモ。
ダイワの第一王女。
人は私を“天才肌”と呼ぶ。
ふッ。
悪い気はしないわ。
ただ、悪戯が過ぎて失望されているのも分かっている。
……、まぁ、それなりに? 反省してなくもないわ。
面白すぎて止められなかったのは否めないけれど。
でも、11歳になったあたりから徐々に飽きてきたので、最近は回数が激減している。
一方で、ここのところ、妹のエルザが過熱しているらしい…。
え??
私の影響じゃないでしょ?
……、何はともあれ。
ラル君に伝説の【神法】が備わっていた。
更には、[ムラクモ]を抜剣したの。
多くの人が騒然としていたわ。
私も驚愕させられたけど、同時に感動もしたの。
だって、歴史的な場面に立ち会えたのですから。
けれども、それらが原因でラル君が暗殺されかけた。
私は、当初、宰相に目星をつけていたのだけど…、どうやら違ったみたい。
ただし、ラノワマ宰相の預かり知らないところで、ラダン兄上の派閥に属する何者かが勝手に動いている可能性もある。
ま、これらとは別に怪しい人がいるんですけれどね。
それは、私たちの叔父の一人。
……、父上には弟が二人いる。
なかでも、次男の“ラグール公爵”は、20歳くらいの頃に「自分こそが王位を継承すべきだ」と主張したとのこと。
こうした発言が、私などの“お祖父様”を怒らせてしまい、西方の或る領土に飛ばされたのだとか…。
ちなみに、現在、大臣や兵士などは三つに分かれている。
さっき述べたラダン兄上を支持する一派に、ラル君を推すようになった派閥と、中立を保っている人々。
もし、ラグール公が野心を捨て切れておらず、中立派と水面下で繋がっているのだとしたならば、十分にあり得るはず。
〝いずれ自分が国王になるために、最大の障壁になりかねないラル君を真っ先に排除しておこうとした〟という私の考えは……。
といった感じで、いろいろ推理してみたけども、証拠が無いので黒幕は不明のままになっている。
そうした状況のため、父は、秘かにラル君を安全な場所に避難させたらしい。
これによって、エルザの遊び相手が一人いなくなってしまい、私とかの負担が増えている…。
妹は、年齢からして、まだまだ“体力お化け”だから、結構しんどい。
それはもう、いつか必ず私が希望する物を父上に買ってもらわないと割に合わないぐらいに―。
▽
わたしは、エルザ=イズモ。
ダイワの、だいにおうじょ。
まだ、むずかしいもじはわからない。
わたしにわかるのは、にぃさまたちも、ねぇさまも、すごいってこと。
とくに、ラルにぃさまは、みんながさわいでいるほどだから、ものすごいんだとおもう。
にかいもねらわれてしまったぐらいに。
このけっか、ちちが、ラルにぃさまをどこかにおひっこしさせた。
あそびあいてがへってしまったので、さみしい。
でも……。
わたしにはイタズラがある!!
ないしょでリーねぇさまをみつづけておぼえた!
さぁ、きょうもまた、だれかをおどろかせよう!!
…………。
やるまえに、おせわがかりにつかまった…。
むぅー。
どうやらバレてたみたい。
しかたないから、ボールであそんであげる。
そぉ~れ、あははははッ。
……、はぁー。
むなしすぎる。
わたしも、はやいところ、“たんれん”をやってみたい。
なんだかたのしそうだから。
けど、かぁさまに「ちっちゃいころはあぶないからまだダメよ」といわれ、とぉさまには「みんな7さいになってからだぞ」とちゅういされた。
んん~、つまんない…。
でも、まぁ、わたしも“おうじょ”だから、しきたりとかいうのをまもってあげるとしよう。
わたし、えらい!
そんなこんなで、おなかがすいてきた。
おひるごはんはなんだろう??
たとえば、ゆめがかなうなら、もっとおいしいりょうりをたべてみたい―。
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ーーーーー
この作品は大変楽しく書けていましたが
49話で終わりとすることにいたしました
完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい
そんな欲求に屈してしまいましたすみません
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