GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第六章・吉凶禍福 ―

第297話 狂瀾

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南陸なんりくでは、[ニッショウ国]などの連合によって、神々が敗れ去った。

[第八神国しんこく]との境にて、

「それじゃぁ、また、何かあった際には遠慮なく声をかけてくれ。」
「出来る限り協力するから。」

“オワ-リンのラーザ”が述べる。

これに、

「ああ、そうさてもらおう。」

微笑んで頷く“紫蓮しれん”だった。

そこから、軍勢を解散させた紫蓮などが、“タリアノ”の魔法によって[城]に【瞬間移動】する。

小一時間後、西陸さいりくの数人の国主から続々と紫蓮に連絡が入った。

あちらでも勝利を収めたようだ。

これによって城の者たちが喜びに沸いた……。


一週間が経った夕暮れ。

ニッショウ城に戻ってきた[飛空艇]から、“グーラン将軍”などが庭に降り立つ。

こうして、宴が催され、夜が更けていく…。


翌朝。

“第四魔王子のイリィータン”に、[ブレスレット]を通じて、ある報せが届いた。

[画面]に映っているのは兄にあたる“第二魔王子のアリプレト”だ。

青紫色の髪は腰あたりまでの長さがある。

[東の大陸]における魔族の代表だ。

そうした兄が喋った情勢に、

「な??!」

唖然とさせられるイリィータンであった……。


会議の際に使っている[広間]に、主だったメンバーが集まっている。

「〝皆に伝えたいこと〟っていうのは、なんだ?」

紫蓮に促され、

「実は、兄…、次男によれば、まずい状況になっているらしい。」
「特に“北の大陸”が。」

こうイリィータンが切り出す。

〝ん??〟と首を傾げた[ゴッド・スレイヤーズ]に、

「……、三男が、神どもと手を組んで、反旗をひるがえしたそうだ。」

そのように教えるイリィータンだった。

誰もが〝は?!!〟といった感じで驚く。

こうした流れで、イリィータンが状況を語りだした…。

まず、どの大陸にも、大小さまざまな国が三十三数ぐらい存在している。

それを踏まえ、[北の大陸]は殆どが魔族領となっていた。

抵抗してきた神の国は、七つだ。

このため、〝魔族が簡単に勝てるだろう〟と思われていた。

しかし、攻略を担当した三男が、なかなか動こうとしなかったのである。

本人は〝万が一にも負ける事がないように慎重を期している〟と説明していたらしい。

だが、それは表向きであって、裏では神々と交渉していたようだ。

また、味方である魔族への根回しも行なった。

これにより、あちらの魔族で4割が三男に付いたらしい。

数としては、およそ十ヶ国である。

更に、[中央の大陸]における北部から五ヶ国の神軍しんぐんが船で海を渡ってきたそうだ。

現在、あちらでは、魔王と、その長男に長女が、対応に当たっているとのことであった……。

“通産相の涼音すずね”が、

「何故そのような事態に??」

疑問を投げかけたところ、

三兄さんけいは、人間や獣人にドワーフとエルフが、魔族と対等になったのが気にくわなかったらしい。」
「よって、神と同盟を結んだ。」
「おそらくは〝自分が魔王の座に就くために〟と考えられている。」
「それに賛成した者達が一斉に謀反むほんを起こしたようだ。」

イリィータンが答える。

そうして、

「“東の大陸”も少なからず浮き足立っているらしい。」

このように話しを続けるのだった―。
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