GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第六章・吉凶禍福 ―

第294話 防衛戦・其之拾壱

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[機械馬]に跨っている紫蓮しれんが、後ろを振り返りながら、

「大丈夫か?!!」

仲間の安否を確認した。

すると、地面に倒れている者たちが流血しながら苦しんでいる。

そこへ、悠々と下降してきた“南陸なんりくの女帝”が、[グレイブ]を握っている右手を上げた。

狙いは紫蓮のようだ。

これに気づいた紫蓮ではあったが、全ての【雷撃】を使い果たしており、[クール(リキャスト)タイム]の真っ最中である。

彼のサーヴァント達も。

「くッ。」

紫蓮らが少なからず焦るところへ、みかどが[武器]を振り下ろそうとする。

次の瞬間、女帝の“左下の翼”が【風の渦】に貫かれた。

「な??!」

帝が若干ふらつくなか、紫蓮たちの右斜め後ろから[親衛隊]が駆けて来る。

さっきの【風】は、先頭の“ロンドー”が[中剣]から飛ばしたものらしい。

そんな“馬上の彼”が、[ソード]を掲げ、

「国主がたの周囲を固めろぉーッ!!」
「前方だけは塞ぐなよ! 邪魔になっから!!」

隊員に指示を出す。

ハエが沸くかの如く…。)
(虫けらどもめ!)

〝ギリィッ!!〟と歯軋りした女帝が、

「神々よ!」
「集まれ!!」

号令を発した。

この間に、“黒髪のさとる”が、

「ブレスト・レイン!」

ルウェーを中心にして【恵みの雨】を注ぐ。

ちなみに、悟は[PEACE MAKER’S]のクレリックだ。

さて。

傷が治ったルウェーも、同じ魔法を扱う。

“巫女の涼音すずね”を軸として。

それで回復した彼女は、【癒しの光】を味方に発動する。

ここから、手分けして怪我しているメンバーを救っていく。

一方、[親衛隊]は、紫蓮達をU字に囲みつつ、帝を攻撃する。

また、女帝のもとに集結しようとしていた神どもにも【スキル】や【魔法】を放ち、牽制していた。

帝はというと、

鬱陶うっとうしい!!」

両手で[グレイブ]を払いまくっている。

その頭上を、すっかり治った新羅しんらたち[空中部隊]が通過してゆく。

女帝の背後を取るために。

これによって優勢に変じようとするも、

「させるか!」

リキャストタイムを終えた帝が、左手で二つの【マジックサークル】を構築した。

そうして、【散弾系のビーム】を乱射する。

新羅達が改めて負傷していくところで、女帝の“右の翼”が二枚同時に爆ぜた。

「ぬあッ?!!」

バランスを崩した帝は、左側面から墜ちだす。

これは、タリアノが飛ばした【エクスプロージョンボール】によるものであった。

陸に体を叩き付けられた衝撃で[兜]が外れた女帝は、“ゆるふわセミロングの金髪”が露わになる。

そこへ、“人型でメイド服姿のメタルスライム”が全力疾走する。

「ぬッ、ぐぅッ。」
「おのれッ。」

上半身を起こす帝の後ろで、1M以上ジャンプしながら右手を[刃]に化した“来夢らいむ”が、

「良かった。」
「これで殺せる。」

このように告げた。

女帝がそちらを向いたタイミングで、

「ミスリルの兜が邪魔だったから。」

[右の刃]で額を突き刺す。

それ・・を抜き、いくらか血飛沫ちしぶきを浴びたメタルスライムが、着地する。

仰向けに倒れゆく帝に、総大将の紫蓮が、

「惜しかったな、デカバエ。」

こう述べた―。
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