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― 第六章・吉凶禍福 ―
第293話 防衛戦・其之拾
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「まずは、お前らから始末してやる!」
“南陸の女帝”が、新羅などの負傷している空中部隊に告げた。
紫蓮達は、地上で、数十柱の上級神や中級神と戦っている。
そうしたなか、帝が、宙のサーヴァントらのなかでも隊長格である“黒龍の新羅”に突進しだす。
[グレイブ]で刺すつもりのようだ。
これに対し、
「ぬぐッ。」
歯を食いしばった新羅が、痛みに堪えながら、全速で女帝に向かう。
〝黒龍は躱そうとするだろう〟と予想していた帝は、
「なッ?!!」
反する動きに戸惑った。
そんな女帝に、新羅が額を当てる。
要は[頭突き]だ。
「くッ!」
後方に弾かれた帝へと、新羅が【黒き爆発の玉】を放つ。
急ぎ[武器]を下から上に振るった女帝によって、爆ぜる音が響く。
これによって生じた熱風に、帝が煽られる。
「ぬッ…むッ。」
〝ピタッ〟と停止した女帝が、
「このッ!!」
「ヘビだかトカゲだかよく分からないデカブツめ!」
新羅を睨み付けた。
ここへ、空中にいる別のサーヴァントたちが[スキル]を一斉に飛ばす。
帝は、おもいっきり上昇して、それらから逃れる。
こうしたところで、陸のサーヴァント集団のなかで、新羅達の怪我に気づき、【治癒】の魔法を発動する者らがいた。
再び止まった女帝が、
(邪魔な連中よ。)
忌々しそうにする。
一方、地上では、紫蓮などが、約65数の神どもを殆ど倒していた。
(……、仕方なし。)
(諸とも滅するとしよう。)
(子孫はまた作ればいいだけの事。)
冷酷無慈悲にも帝がそう決める。
このタイミングで、新羅たちが宙を昇りだす。
女帝は【魔法陣】を横並びで二つ構築してゆく。
他の神々よりも【クール(リキャスト)タイム】が早い。
思いがけなかった状況に黒龍などが少なからず目を丸くする。
そこへ、魔法陣と同じ大きさの【ビーム】を帝が撃った。
回避が間に合わなかった新羅達にヒットしつつ、陸に【光線】が到達する。
数柱の神はもとより、涼音にランダ―と、二人の[機械馬]やサーヴァントが、巻き込まれた。
いささか地面が陥没し、土埃が起きる。
改めて傷を負うのと共に落下していた新羅などは、どうにか地上3Mあたりでストップした。
機械馬が壊れた涼音とランダーは投げ出され、陸に体を叩き付けられて血を吐く。
彼女らのサーヴァントたちも怪我している。
ルウェーなどが急ぎ【治癒魔法】を扱おうとしていた。
が。
帝による【散弾タイプの光線】が降り注ぐ。
その犠牲になっていく“タリアノ・ランソワ・ルウェー・各サーヴァント・機械馬たち”であった―。
“南陸の女帝”が、新羅などの負傷している空中部隊に告げた。
紫蓮達は、地上で、数十柱の上級神や中級神と戦っている。
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要は[頭突き]だ。
「くッ!」
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急ぎ[武器]を下から上に振るった女帝によって、爆ぜる音が響く。
これによって生じた熱風に、帝が煽られる。
「ぬッ…むッ。」
〝ピタッ〟と停止した女帝が、
「このッ!!」
「ヘビだかトカゲだかよく分からないデカブツめ!」
新羅を睨み付けた。
ここへ、空中にいる別のサーヴァントたちが[スキル]を一斉に飛ばす。
帝は、おもいっきり上昇して、それらから逃れる。
こうしたところで、陸のサーヴァント集団のなかで、新羅達の怪我に気づき、【治癒】の魔法を発動する者らがいた。
再び止まった女帝が、
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忌々しそうにする。
一方、地上では、紫蓮などが、約65数の神どもを殆ど倒していた。
(……、仕方なし。)
(諸とも滅するとしよう。)
(子孫はまた作ればいいだけの事。)
冷酷無慈悲にも帝がそう決める。
このタイミングで、新羅たちが宙を昇りだす。
女帝は【魔法陣】を横並びで二つ構築してゆく。
他の神々よりも【クール(リキャスト)タイム】が早い。
思いがけなかった状況に黒龍などが少なからず目を丸くする。
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いささか地面が陥没し、土埃が起きる。
改めて傷を負うのと共に落下していた新羅などは、どうにか地上3Mあたりでストップした。
機械馬が壊れた涼音とランダーは投げ出され、陸に体を叩き付けられて血を吐く。
彼女らのサーヴァントたちも怪我している。
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が。
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