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― 第六章・吉凶禍福 ―
第288話 合議・其之参
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グーラン大将軍たちが海での開戦に及ぶ数分前の事だった。
……、ここは、[南陸第八神国]である。
その南東の陸地に“神どもの軍勢”が集まってきていた。
割と離れた正面で野営しているのは[ニッショウ軍]だ。
こちらにしてみれば、自国の北西にあたる。
作戦本部のテント(ゲル)内には、“紫蓮国主・タリアノ宰相・ランソワ内相・ルウェー外相・涼音通産相・ランダ―建設相”の姿があった。
そこへ、紫蓮の[ブレスレット]に連絡が入る。
操作してみたところ、グーランであった。
[画面]を通じて、
「よう。」
「早速だが…、“サガーミィー”と“妖怪”の軍は、こっちに合流し終えている。」
「あと、百桃星を驚かせるために、鬼王夫婦が内緒で訪れた。」
「ま、それはおいといて。」
「敵の船が大量に向かって来てっから、戦を始めようと思う。」
「問題ねぇよな??」
このように喋ったグーランに、
「あぁ、よろしく頼む。」
紫蓮が簡略的に述べる。
通話を切ったのち、
「皆、聞こえてたか?」
そう紫蓮が尋ねたら、
「えぇ、まさか、鬼王陛下がたまでお越しになられるとは、意外でしたわねぇ。」
“弓術士のランソワ”が天然っぷりを発揮した。
これに、“巫女の涼音”が、
「いえ、そこが論点ではありませんよ。」
すかさずツッコミを入れる。
誰もが笑ってしまったところへ、
「失礼します!!」
「オワ-リンの国主様がお越しです!」
外から“若い男性兵士”の声がした。
「通してあげてくれ。」
そう紫蓮が勧めたことで、なかへと足を運んできたのは“ラーザと近衛衆”だ。
全員が起立して、
「国主に就任なされたそうで、おめでとうございます。」
“魔術士のタリアノ”が会釈し、紫蓮などが続く。
これに、
「いや、まぁ、父上が何かと補ってくれているかおかげで、どうにかなってる感じだよ。」
「個人的にはまだまださ。」
「早いとこ、父にのんびり隠居生活を過ごしてもらえるよう、精進している最中だよ。」
どこか気恥ずかしそうにするラーザだった……。
それぞれに着席した流れにて、
「で??」
「作戦は?」
“弥太郎”が質問する。
「今回は、これといってありません。」
首を横に振ったタリアノが、
「敵も味方も、およそ1200万の大軍勢です。」
「これだけの数ともなると、いくら平原とは言え、自由に動き回るのは難しいため、正面から当たるより他にないでしょう。」
「〝単純に力のぶつかり合いになる〟と予測されます。」
このように答えた。
「分かりやすくていいじゃないか。」
〝ニカッ〟としたラーザに、紫蓮が微笑みながら〝ああ〟と頷く。
そうした次の瞬間、
「ただ、目標は、南陸の帝王を倒す事だ。」
「この戦場に来ていれば、やりやすいんだが…。」
「でなければ、“第一神国”まで乗り込まないといけなくなる。」
「陸路の場合、最低でも“第八”と“第四”を制圧しないと、“第一”には辿り着けない。」
「それだと時間や労力に軍資金が掛かりすぎる。」
「また、多くの犠牲者を出すことにもなるだろう。」
「そういうのを避けるために、できれば、ここで討ち取りたいところだ。」
真顔で告げる“紫蓮総大将”であった―。
……、ここは、[南陸第八神国]である。
その南東の陸地に“神どもの軍勢”が集まってきていた。
割と離れた正面で野営しているのは[ニッショウ軍]だ。
こちらにしてみれば、自国の北西にあたる。
作戦本部のテント(ゲル)内には、“紫蓮国主・タリアノ宰相・ランソワ内相・ルウェー外相・涼音通産相・ランダ―建設相”の姿があった。
そこへ、紫蓮の[ブレスレット]に連絡が入る。
操作してみたところ、グーランであった。
[画面]を通じて、
「よう。」
「早速だが…、“サガーミィー”と“妖怪”の軍は、こっちに合流し終えている。」
「あと、百桃星を驚かせるために、鬼王夫婦が内緒で訪れた。」
「ま、それはおいといて。」
「敵の船が大量に向かって来てっから、戦を始めようと思う。」
「問題ねぇよな??」
このように喋ったグーランに、
「あぁ、よろしく頼む。」
紫蓮が簡略的に述べる。
通話を切ったのち、
「皆、聞こえてたか?」
そう紫蓮が尋ねたら、
「えぇ、まさか、鬼王陛下がたまでお越しになられるとは、意外でしたわねぇ。」
“弓術士のランソワ”が天然っぷりを発揮した。
これに、“巫女の涼音”が、
「いえ、そこが論点ではありませんよ。」
すかさずツッコミを入れる。
誰もが笑ってしまったところへ、
「失礼します!!」
「オワ-リンの国主様がお越しです!」
外から“若い男性兵士”の声がした。
「通してあげてくれ。」
そう紫蓮が勧めたことで、なかへと足を運んできたのは“ラーザと近衛衆”だ。
全員が起立して、
「国主に就任なされたそうで、おめでとうございます。」
“魔術士のタリアノ”が会釈し、紫蓮などが続く。
これに、
「いや、まぁ、父上が何かと補ってくれているかおかげで、どうにかなってる感じだよ。」
「個人的にはまだまださ。」
「早いとこ、父にのんびり隠居生活を過ごしてもらえるよう、精進している最中だよ。」
どこか気恥ずかしそうにするラーザだった……。
それぞれに着席した流れにて、
「で??」
「作戦は?」
“弥太郎”が質問する。
「今回は、これといってありません。」
首を横に振ったタリアノが、
「敵も味方も、およそ1200万の大軍勢です。」
「これだけの数ともなると、いくら平原とは言え、自由に動き回るのは難しいため、正面から当たるより他にないでしょう。」
「〝単純に力のぶつかり合いになる〟と予測されます。」
このように答えた。
「分かりやすくていいじゃないか。」
〝ニカッ〟としたラーザに、紫蓮が微笑みながら〝ああ〟と頷く。
そうした次の瞬間、
「ただ、目標は、南陸の帝王を倒す事だ。」
「この戦場に来ていれば、やりやすいんだが…。」
「でなければ、“第一神国”まで乗り込まないといけなくなる。」
「陸路の場合、最低でも“第八”と“第四”を制圧しないと、“第一”には辿り着けない。」
「それだと時間や労力に軍資金が掛かりすぎる。」
「また、多くの犠牲者を出すことにもなるだろう。」
「そういうのを避けるために、できれば、ここで討ち取りたいところだ。」
真顔で告げる“紫蓮総大将”であった―。
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