GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第六章・吉凶禍福 ―

第286話 合議・其之弐

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[ニッショウ城]にて。

ここの広間に、[ゴッド・スレイヤーズ]が続々と足を運んで来る。

紫蓮しれん国主”が召集をかけたらしい。

それぞれに着席していくなか、各サーヴァントは直立している。

なお、すべての顔ぶれが“類似の黒い軍服”を纏っていた。

厳密には、装飾の細かい部分に違いが見受けられる。

さておき…。

「状況は?」

“グーラン大将軍”の質問に、

「私が説明しましょう。」

こう“タリアノ宰相”が告げた。

そして、

「まず、この大陸で現在も残っている神国しんこくは、第一から第八までと、第十一です。」
「それらの3つ、あるいは4つが、ここ“ニッショウ”に攻め込む事が予想されます。」

このようにタリアノが述べたところ、

「結構な数だな。」

“フゥーリカン副将軍”が眉間に軽くシワを寄せた。

「ええ、そのため、“オワ-リン”と“サガーミィー”に、百桃星ももせ憲兵隊長の故郷である“妖怪ノ国”へ、既に援軍の要請を済ませてあります。」

そうタリアノがみなに伝えら、

「ほぉう。」
「再び叔父上が出張られるか。」

“鬼姫”が〝ニヤリ〟とする。

「で??」
「他の神どもは、どう動くと思う?」

ふと尋ねた“イリィータン司法相”に、

「十中八九、これまでのかんに制圧された国々を、奪い返そうとする筈です。」
「もし、いくさが激化すれば、南陸の連合国が全て参加しだすでしょう。」
「そうなった場合、無駄な犠牲が増えかねません。」
「ただ、その前に第一神国を支配する“帝王”を倒せば、敵は統率を執れなくなるでしょう。」

軍師でもあるタリアノがこう述べた。

「……、結局、ソイツが出て来ないことには、どうしようもねぇな。」

紫蓮が意見したところ、

ちまたでは〝神々の頂点たる大帝が激昂した〟と囁かれています。」
「この話しが本当だとすれば、東西南北、四大陸のみかど達は、自ら軍を指揮するでしょう。」
体裁ていさいを保つために。」
「とは言え、ここ南陸の、帝王が、どこに現れるかまでは判断しかねます。」
「しかし…、我々を狙ってくる可能性は高いでしょうね。」
「“連合の中心”なので。」

そのようにタリアノが分析する。

場が沈黙に包まれていこうとするなか、

「ま、なんにしたって、負けるわけにはいかないわね。」

“ペイニー外相”が口を開く。

これに〝ああ〟と頷き、

「正念場だ。」
「絶対に勝つぞ!」

全員に発破はっぱを掛ける紫蓮だった……。


およそ1ヶ月が経っている。

戦場になるであろうと推定される地域に、軍勢が揃い踏みしつつあった。

[ニッショウ国]においては、“北西の野原”と“北の港”だ。

そのため、[GOD SLAYER‘S]は分かれて着陣している。

こうした二ヵ所へ、それぞれ合流しだす[ニッショウ軍/サガーミィー軍/妖怪軍]であった―。
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