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― 第六章・吉凶禍福 ―
第285話 うねり・急
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ブンゴ―軍だけでなく、ヒューガー軍にも攻め込まれ、[南陸第十二神国]に動揺が走る。
これを機に、蜂起しだす国内の人間達もいた。
その輪が次第に広まっていくにつれ、神どもが混乱をきたす…。
一方、[ニッショウ国]では祝勝会が開かれている。
主に、出兵していた町で。
当然、都も宴となっていた。
春の暖かさと相まったこの陽気さは、束の間のことでしかないのかもしれない。
だからこそ、皆、飲食や歌に舞を存分に楽しんでいる……。
一ヶ月あたりが経ち、初夏が訪れていた。
[第十二神国]は、“タリアノ宰相”の思惑どおり、王都を含んだ東をブンゴ―が、それ以外をヒューガーが、統治している。
こうした話しが至る所に伝わっていき、秋を迎えた頃に、南陸の西側で新たな動きがあった。
[第九神国]の、南西からイッワーミが、南東よりヒーゼンが、ほぼ同時に進撃を開始したのである。
なんでも、[イッワーミ国]が[ヒーゼン国]を誘い、交渉を重ねてきたらしい。
ちなみに、[第九神国]の東には[チークゥゴン国]が隣接している。
そこは、もともと[第十神国]だった。
“侍王清虎”が抑えた国であり、次男の“晴清”が統治している。
この東に[第十一神国]が在り、更に東に位置しているのが[元・第十二神国]だ。
いずれにしろ。
第九神国を、イッワーミとヒーゼンが制圧していく…。
およそ1ヶ月が過ぎ、第九神国は、滅亡した。
国民にしてみれば解放である。
神々と敵対している連合にとっては、それもまた喜ばしい展開であった。
こうした流れで、[西陸]と[東陸]でも戦が起きる。
[西の大陸]では、なかでも八ヵ国の軍勢が、それぞれに、神どもの領地に侵入してゆく。
[東の大陸]で争うは“魔王軍”だ。
分割した軍を、幾つもの神国へ、一斉に送り込んでいる。
なお、“鬼王”は、政務に追われているため、参戦できずにいた。
ま、領土が増えたところで、手が回らなくなるだけだろうから、かえっていいのかもしれない。
そういった状況にて、[北陸]だけはまだ静けさに包まれている。
攻略を買って出た“魔王の三男”が、準備を整えている段階のようだ……。
冬になろうかとしている。
神たちは完全に押されていた。
連中のなかでも、各国の王族どもは、特に仲が悪い。
歴代の王や女王らが、長年に亘って、〝自分の所が最も優れている〟と、いがみ合ってきたのが原因で。
故に、協力しようという気すら無いのだ。
しかし、そんな事は、もはや言っていられなくなった。
[中央の大陸]に居を構える“大帝”が、神々の不甲斐なさに激怒したからである。
恐れをなした神達は、ようやく足並みを揃えだす。
南陸では[第一神国]の“帝”が指揮を執る。
こうして、再びの闘争となる[ニッショウ国]だった―。
これを機に、蜂起しだす国内の人間達もいた。
その輪が次第に広まっていくにつれ、神どもが混乱をきたす…。
一方、[ニッショウ国]では祝勝会が開かれている。
主に、出兵していた町で。
当然、都も宴となっていた。
春の暖かさと相まったこの陽気さは、束の間のことでしかないのかもしれない。
だからこそ、皆、飲食や歌に舞を存分に楽しんでいる……。
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[第十二神国]は、“タリアノ宰相”の思惑どおり、王都を含んだ東をブンゴ―が、それ以外をヒューガーが、統治している。
こうした話しが至る所に伝わっていき、秋を迎えた頃に、南陸の西側で新たな動きがあった。
[第九神国]の、南西からイッワーミが、南東よりヒーゼンが、ほぼ同時に進撃を開始したのである。
なんでも、[イッワーミ国]が[ヒーゼン国]を誘い、交渉を重ねてきたらしい。
ちなみに、[第九神国]の東には[チークゥゴン国]が隣接している。
そこは、もともと[第十神国]だった。
“侍王清虎”が抑えた国であり、次男の“晴清”が統治している。
この東に[第十一神国]が在り、更に東に位置しているのが[元・第十二神国]だ。
いずれにしろ。
第九神国を、イッワーミとヒーゼンが制圧していく…。
およそ1ヶ月が過ぎ、第九神国は、滅亡した。
国民にしてみれば解放である。
神々と敵対している連合にとっては、それもまた喜ばしい展開であった。
こうした流れで、[西陸]と[東陸]でも戦が起きる。
[西の大陸]では、なかでも八ヵ国の軍勢が、それぞれに、神どもの領地に侵入してゆく。
[東の大陸]で争うは“魔王軍”だ。
分割した軍を、幾つもの神国へ、一斉に送り込んでいる。
なお、“鬼王”は、政務に追われているため、参戦できずにいた。
ま、領土が増えたところで、手が回らなくなるだけだろうから、かえっていいのかもしれない。
そういった状況にて、[北陸]だけはまだ静けさに包まれている。
攻略を買って出た“魔王の三男”が、準備を整えている段階のようだ……。
冬になろうかとしている。
神たちは完全に押されていた。
連中のなかでも、各国の王族どもは、特に仲が悪い。
歴代の王や女王らが、長年に亘って、〝自分の所が最も優れている〟と、いがみ合ってきたのが原因で。
故に、協力しようという気すら無いのだ。
しかし、そんな事は、もはや言っていられなくなった。
[中央の大陸]に居を構える“大帝”が、神々の不甲斐なさに激怒したからである。
恐れをなした神達は、ようやく足並みを揃えだす。
南陸では[第一神国]の“帝”が指揮を執る。
こうして、再びの闘争となる[ニッショウ国]だった―。
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