GOD SLAYER’S

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
279 / 300
― 第六章・吉凶禍福 ―

第279話 防衛戦・其之壱

しおりを挟む
昼食を済ませて二時間ほどが経った頃、[ニッショウ国]の中央と南方の残る総勢100万が、ほぼ同時に到着した。

その約三十分後、作戦本部の[テント(ゲル)]に、ある情報が飛び込んだ。

外に出た[ゴッド・スレイヤーズ]は、“機械馬きかいうま”や“三輪バイクトライク”に乗って、急ぎ前線へと向かう……。


紫蓮しれんを筆頭に、計13人が、[手持ちの望遠鏡]を覗いている。

望遠鏡は、“銅製”で、装飾が施されており、二段階の伸縮・・・・・・が可能となっていた。

これらは、スリアの恋人である“エトン”に、“ドワーフと人間の男女四人組”が、もたらした物だ。

彼らの自国たる[ハーリマー]では、既に市場に出回っているらしい。

[ニッショウ]においては、エトン達が、その技術を教えていってるところだ。

ちなみに、[魔道機関車]と[鉄道]のプロジェクトも着々と進んでいる。

何はともあれ。

“軍師のタリアノ”が、[ブレスレット]の機能を用いて、

「確かに慌ただしくなっていますね。」

メンバーに通話した。

「あぁ、総大将のお出ましみてぇだな。」

そう反応した“グーラン大将軍”に続いて、

「全軍に合図を。」

“紫蓮国主”が味方に伝える…。


敵本隊およそ50万は、ひとまず落ち着くためにも、陣を布いていってる最中であった。

ここへ、向こう側から“太鼓の”が幾つも響きだす。

それを皮切りに、ニッショウ軍300万が突撃を始める。

[南陸なんりく第十二神国しんこく]にとっては予想外の事態だった。

何故なら〝ニッショウの増援も現地に来たばかりなので、取り敢えずは休ませ、開戦は明日以降になるだろう〟と勝手に思い込んでいたからだ。

そこを読んで、裏をかいたのは、当然、タリアノである。

ただ、合流したニッショウの100万も、連日の行軍で疲労が蓄積されているため、全体の後方に配置していた。

できるだけ、先頭から中盤にかけての200万で戦う考えらしい。

相手は500万なので、この策は無謀だろう。

しかし、不意を打たれた敵は、浮き足立っている。

第一線を駆けているのは[GOD SLAYER’S]だ。

その頭上を進む“新羅しんら”などのが、一斉に咆哮を放つ。

初めてのことに、500万の殆どが怯えだす。

味方も驚いたようだが、すぐに興奮へと変わり、士気が高まる。

一方、相手の陣営から数十のラッパが鳴りだすも、これらの音はいびつであった。

どうやら、担当者たちは恐怖に支配され、まともに吹けずにいるみたいだ。

そのような状況にて、右手で抜いた[サムライソード]を掲げ、

「蹴散らせッ!!」

最前で指示する紫蓮だった―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

1001部隊 ~幻の最強部隊、異世界にて~

鮪鱚鰈
ファンタジー
昭和22年 ロサンゼルス沖合 戦艦大和の艦上にて日本とアメリカの講和がなる 事実上勝利した日本はハワイ自治権・グアム・ミッドウエー統治権・ラバウル直轄権利を得て事実上太平洋の覇者となる その戦争を日本の勝利に導いた男と男が率いる小隊は1001部隊 中国戦線で無類の活躍を見せ、1001小隊の参戦が噂されるだけで敵が逃げ出すほどであった。 終戦時1001小隊に参加して最後まで生き残った兵は11人 小隊長である男『瀬能勝則』含めると12人の男達である 劣戦の戦場でその男達が現れると瞬く間に戦局が逆転し気が付けば日本軍が勝っていた。 しかし日本陸軍上層部はその男達を快くは思っていなかった。 上官の命令には従わず自由気ままに戦場を行き来する男達。 ゆえに彼らは最前線に配備された しかし、彼等は死なず、最前線においても無類の戦火を上げていった。 しかし、彼らがもたらした日本の勝利は彼らが望んだ日本を作り上げたわけではなかった。 瀬能が死を迎えるとき とある世界の神が彼と彼の部下を新天地へと導くのであった

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

推しがラスボスなので救いたい〜ゲーマーニートは勇者になる

ケイちゃん
ファンタジー
ゲームに熱中していた彼は、シナリオで現れたラスボスを好きになってしまう。 彼はその好意にラスボスを倒さず何度もリトライを重ねて会いに行くという狂気の推し活をしていた。 だがある日、ストーリーのエンディングが気になりラスボスを倒してしまう。 結果、ラスボスのいない平和な世界というエンドで幕を閉じ、推しのいない世界の悲しみから倒れて死んでしまう。 そんな彼が次に目を開けるとゲームの中の主人公に転生していた! 主人公となれば必ず最後にはラスボスに辿り着く、ラスボスを倒すという未来を変えて救いだす事を目的に彼は冒険者達と旅に出る。 ラスボスを倒し世界を救うという定められたストーリーをねじ曲げ、彼はラスボスを救う事が出来るのか…?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...