GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第六章・吉凶禍福 ―

第271話 団欒・前編

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あれから更に半月ほどが経った。

[ピース・メーカーズ]は“遊撃隊”となっている。

隊長は“ロンド―”だ。

彼が〝グーラン大将軍と気が合う〟というのもあって、軍師を兼任している“タリアノ宰相”が提案したらしい。

なお、現在は、秋である。

だが、残暑は厳しかった。

こうしたなかの午後に、ある男女4人組が、“紫蓮しれん国主”を訪ねて来たのである……。


[執務室]にて。

「懐かしいな。」
「息災だったか?」

目を細めた紫蓮に、“ウェーブしているロングヘア”と“瞳”の赤い女性が、

「あんたもね!」

笑顔で返す。

それを、

「こらッ。」
「今は立場が違うでしょ。」

“白銀セミロングヘア”で“ライトグリーンの瞳”といった女性が、窘める。

「そうだぞ、まったく。」

眉間に軽くシワを寄せた流れで、

「失礼した。」

紫蓮に会釈したのは、“オールバックの髪”や“瞳”がブラウンの男性だ。

「いや、ここにいるのは俺たちだけだから、あの頃と変わらない接し方で構わない。」

このように“ニッショウの国主”が告げたところ、

「じゃあ、遠慮なく…。」
「久しぶりだな、紫蓮!!」

“後頭部で束ねているセミロングヘア”に“瞳”がライトブルーの男性が、〝ニカッ〟とした。

そこへ、紫蓮のサーヴァント達が、何かしらの書類や資料を手に、入ってくる。

「あ。」
「サエカ、エミカ、ナガトラ、リク。」

こうスライムが認識したら、

「おぉ~。」
「皆さん髪型が違っていたので、分かりませんでしたが、確かに。」
「どうも、ご無沙汰しています。」

ゴブリンが〝ペコッ〟と頭を下げた。

〝んん??〟と首を傾げた4人に、

「メタルスライムが“来夢らいむ”で、ホブゴブリンは“権蔵ごんぞう”だ。」

そのように紫蓮が伝えた。

これに、

「えッ?!」

幸永歌さえかと、

「うそ??」

永美香えみかに、

「はッ?!!」

永虎ながとらや、

「マジで??!」

凛琥りくが、揃って驚く。

“侍王清虎きよとらの孫たち”の反応に、〝フッ〟と口元を緩める紫蓮だった……。


[広間]に赴き、“タリアノ宰相”と“ペイニー外相”を交え、調停に関する説明がなされていく。

ちなみに、使節団の代表は、永虎である。

同盟についての評議が滞りなく済んだところで、

「本日はもう切り上げたら如何です?」
「積もる話しもあるでしょうし。」

そうタリアノが勧めた。

「であれば…、客間に移動してもらえる??」
「この部屋は、歓迎会の準備に取り掛からせたいから。」

ペイニーに促され、移動する紫蓮達であった……。


各自、珈琲コーヒーや紅茶を飲んでいる。

穏やかな雰囲気のなか、

「来夢と権蔵の容姿は、前もって聞いてなかったのか?」

なんとなく尋ねた紫蓮に、

「あぁ。」
「祖父や近衛衆このえしゅうに、父も、黙っていた。」

永虎が苦笑いした。

「絶対に、わざとよね??」

このように幸永歌が推測し、

「きっと、お祖父じい様の指示よ。」
「いまだにイタズラを仕掛けたりするのが好きなんだから。」

永美香が述べたら、

「そうに決まってるだろうなぁ。」

凛琥が頷いたのである。

そこから、紫蓮たちは、いろいろと語らってゆく。

昔のことはもとより、今の状況も…。


使者達は一泊していくらしい。

だからというのもあってか、心より宴を楽しんでいる。

こうして、夜と共にまた深まっていく絆だった―。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

[現在の4人]

永虎ながとら
 年齢:21歳
 身長:175㎝
 髪型:オールバック(かつては短髪)
 ジョブ:騎士
 スキル:爆発

幸永歌さえか
 年齢:19歳
 身長:158㎝
 髪型:ロング(かつてはセミロング)
 ジョブ:ウィッチ魔女
 スキル:無

永美香えみか
 年齢:19歳
 身長:160㎝
 髪型:セミロング(かつてはボブショート)
 ジョブ:クレリック
 スキル:水

凛琥りく
 年齢:17歳
 身長:164㎝(以前は155㎝)
 髪型:セミロングを後頭部で束ねている(かつてはショート)
 ジョブ:剣士
 スキル:氷
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