270 / 300
― 第六章・吉凶禍福 ―
第270話 揺籃期・結
しおりを挟む
[広間]の扉が開かれる。
紫蓮を先頭に入室してきたのは、“タリアノ宰相/ランソワ内相/ペイニー外相/涼音通産相/スリア科技相”だ。
彼らの後ろには“各サーヴァント”が付き従っていた。
他の面子は、公務で外出しているみたいだ。
「あ!」
椅子から立ちがった“金髪の青年”が、
「兄…、じゃなかった。」
「国主様。」
「お久しぶりです。」
嬉しそうに挨拶した。
なお、彼に同行している男女20人とサーヴァント50体も、起立している。
〝ニコニコ〟する青年に、
「デカくなったな、ロンド―。」
「一瞬、分からなかったぞ。」
紫蓮が微笑んだ。
「国主様こそ、背も髪も伸びて、誰かと思いましたよ。」
こう述べたロンド―に、
「お前たちと初めて会ってから、およそ二年は経っているからな。」
「あと、国主様というのは、やめてくれ。」
そのように告げる紫蓮であった。
ちなみに、ロンド―達は15歳となっている。
一方の紫蓮はというと、故郷を離れてから約三年が過ぎているため、現在は18歳だ。
こうした彼の黒髪は、腰あたりまでの長さになっており、普段は後頭部で一本に束ねていた。
さて…。
「数が増えたわね。」
何気なく言葉を発したペイニーに、
「ええ、皆さんと別れてから、西と南の大陸を冒険しつつ、仲間を募りましたので。」
“赤髪の女性”であるルーシャが説明する。
そうしたところで、
「理解はしていたが……。」
「もはや、本来の歴史とは完全に異なるな。」
改めて認識するスリアだった。
このような流れにて、
「それにしても懐かしいですね。」
「こちらへは旅の途中に寄られたのですか??」
素朴な疑問を投げかけたのは、涼音だ。
「あー、その事なんすけど…。」
「俺らのうち、初期メンバーは、紫蓮国主がたにいろいろと世話になったんで、恩返しとして、何か力になれないかと思って訪ねてみた次第っす。」
ロンド―が答えたら、
「会議を開いて、職分を決めましょう。」
そう紫蓮に伝えるタリアノであった……。
夕刻となり、宴が催される。
城に戻ってきたのは“ルウェー財相・ランダ―建設相・撫子農水相・イリィターン司法相・グーラン大将軍・フゥーリカン副将軍・百桃星憲兵隊長”だ。
[PEACE MAKER’S]に気づくなり、
「おぉ~、本当にロンド―たちじぇねぇか!!」
喜びを表したのは、グーランだった。
「ご無沙汰っす!」
「将軍閣下!!」
こう喋ったロンド―に、
「よせよぉ~、その呼び方ぁ~。」
「照れちまうだろぉ~。」
グーランが少なからず上機嫌となる。
「しっかし、お主ら…、大きくなったな。」
「どやつも、私の背丈を、追い越しおって。」
いささか悔しそうにしたのは、撫子だ。
大半の者が〝クスクス〟と笑い、和やかなムードに包まれていったなか、
「そろそろ始めますわよぉ。」
「全員、ご着席くださぁい。」
穏やかに誘導するランソワであった―。
紫蓮を先頭に入室してきたのは、“タリアノ宰相/ランソワ内相/ペイニー外相/涼音通産相/スリア科技相”だ。
彼らの後ろには“各サーヴァント”が付き従っていた。
他の面子は、公務で外出しているみたいだ。
「あ!」
椅子から立ちがった“金髪の青年”が、
「兄…、じゃなかった。」
「国主様。」
「お久しぶりです。」
嬉しそうに挨拶した。
なお、彼に同行している男女20人とサーヴァント50体も、起立している。
〝ニコニコ〟する青年に、
「デカくなったな、ロンド―。」
「一瞬、分からなかったぞ。」
紫蓮が微笑んだ。
「国主様こそ、背も髪も伸びて、誰かと思いましたよ。」
こう述べたロンド―に、
「お前たちと初めて会ってから、およそ二年は経っているからな。」
「あと、国主様というのは、やめてくれ。」
そのように告げる紫蓮であった。
ちなみに、ロンド―達は15歳となっている。
一方の紫蓮はというと、故郷を離れてから約三年が過ぎているため、現在は18歳だ。
こうした彼の黒髪は、腰あたりまでの長さになっており、普段は後頭部で一本に束ねていた。
さて…。
「数が増えたわね。」
何気なく言葉を発したペイニーに、
「ええ、皆さんと別れてから、西と南の大陸を冒険しつつ、仲間を募りましたので。」
“赤髪の女性”であるルーシャが説明する。
そうしたところで、
「理解はしていたが……。」
「もはや、本来の歴史とは完全に異なるな。」
改めて認識するスリアだった。
このような流れにて、
「それにしても懐かしいですね。」
「こちらへは旅の途中に寄られたのですか??」
素朴な疑問を投げかけたのは、涼音だ。
「あー、その事なんすけど…。」
「俺らのうち、初期メンバーは、紫蓮国主がたにいろいろと世話になったんで、恩返しとして、何か力になれないかと思って訪ねてみた次第っす。」
ロンド―が答えたら、
「会議を開いて、職分を決めましょう。」
そう紫蓮に伝えるタリアノであった……。
夕刻となり、宴が催される。
城に戻ってきたのは“ルウェー財相・ランダ―建設相・撫子農水相・イリィターン司法相・グーラン大将軍・フゥーリカン副将軍・百桃星憲兵隊長”だ。
[PEACE MAKER’S]に気づくなり、
「おぉ~、本当にロンド―たちじぇねぇか!!」
喜びを表したのは、グーランだった。
「ご無沙汰っす!」
「将軍閣下!!」
こう喋ったロンド―に、
「よせよぉ~、その呼び方ぁ~。」
「照れちまうだろぉ~。」
グーランが少なからず上機嫌となる。
「しっかし、お主ら…、大きくなったな。」
「どやつも、私の背丈を、追い越しおって。」
いささか悔しそうにしたのは、撫子だ。
大半の者が〝クスクス〟と笑い、和やかなムードに包まれていったなか、
「そろそろ始めますわよぉ。」
「全員、ご着席くださぁい。」
穏やかに誘導するランソワであった―。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1001部隊 ~幻の最強部隊、異世界にて~
鮪鱚鰈
ファンタジー
昭和22年 ロサンゼルス沖合
戦艦大和の艦上にて日本とアメリカの講和がなる
事実上勝利した日本はハワイ自治権・グアム・ミッドウエー統治権・ラバウル直轄権利を得て事実上太平洋の覇者となる
その戦争を日本の勝利に導いた男と男が率いる小隊は1001部隊
中国戦線で無類の活躍を見せ、1001小隊の参戦が噂されるだけで敵が逃げ出すほどであった。
終戦時1001小隊に参加して最後まで生き残った兵は11人
小隊長である男『瀬能勝則』含めると12人の男達である
劣戦の戦場でその男達が現れると瞬く間に戦局が逆転し気が付けば日本軍が勝っていた。
しかし日本陸軍上層部はその男達を快くは思っていなかった。
上官の命令には従わず自由気ままに戦場を行き来する男達。
ゆえに彼らは最前線に配備された
しかし、彼等は死なず、最前線においても無類の戦火を上げていった。
しかし、彼らがもたらした日本の勝利は彼らが望んだ日本を作り上げたわけではなかった。
瀬能が死を迎えるとき
とある世界の神が彼と彼の部下を新天地へと導くのであった
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界召喚されたけど必要ないと言われて魔王軍の領地に落とされた私は『魔物使い』の適性持ちですよ?
はむ
ファンタジー
勝手に異世界に召喚しといて必要ないって分かると魔王軍の領地に落とすなんて信じられない!
でも『魔物使い』の適正持ってる私なら…
生き残れるんじゃない???
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
推しがラスボスなので救いたい〜ゲーマーニートは勇者になる
ケイちゃん
ファンタジー
ゲームに熱中していた彼は、シナリオで現れたラスボスを好きになってしまう。
彼はその好意にラスボスを倒さず何度もリトライを重ねて会いに行くという狂気の推し活をしていた。
だがある日、ストーリーのエンディングが気になりラスボスを倒してしまう。
結果、ラスボスのいない平和な世界というエンドで幕を閉じ、推しのいない世界の悲しみから倒れて死んでしまう。
そんな彼が次に目を開けるとゲームの中の主人公に転生していた!
主人公となれば必ず最後にはラスボスに辿り着く、ラスボスを倒すという未来を変えて救いだす事を目的に彼は冒険者達と旅に出る。
ラスボスを倒し世界を救うという定められたストーリーをねじ曲げ、彼はラスボスを救う事が出来るのか…?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる