GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第六章・吉凶禍福 ―

第269話 揺籃期・転

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[中型船]から出てきたのは、“ドワーフ×5”と“人間×4”だった。

そのドワーフの1人に、

「じいさんまで来たのか。」

“ニッショウの科技相”が、半ば呆れる。

「おう。」
「久しぶりだな、スリア。」

〝ニカッ〟と笑みを浮かべたドワーフは、

「まさか、儂の孫娘が、“GOD SLAYER’S”の一員になっただけではなく、新たな国の幹部になるとは…、驚きじゃわいッ!」

愉快そうに述べた流れで、

「話しは変わるが、エトンも来ておるぞ。」
「操縦席におるから、そろそろ降りてくるじゃろう。」
「あとで再会を楽しむといい。」

こう伝えたのであった。

何かを察したらしい“ルウェー財相”が、

「どなたです??」

それとなくスリアに質問する。

「あぁー、……、前に教えたアタシの恋人だ。」

この答えに、〝ほほぉう☆〟と瞳を輝かせるルウェーだった…。


[広間]にて。

やはり、調印に関する話しがなされていく。

ハーリマーからの使者達のなかには、“国主の息子”もいた。

40代後半くらいの容姿だが、実年齢は不明だ。

鼻とあごの“ひげ”は、短い。

“ショートヘア”に“眉”も含めて、体毛はライトブラウンである。

目の色はブルーグレーみたいだ。

ちなみに、スリアの祖父こと“ウェル”は、髭が長い。

それ・・は、“オールバックの髪”などと同じく、ダークブラウンである。

なお、瞳はグレーだ。

としは70代半ばに見受けられる。

こちらは、混血・・のため、通常のドワーフよりは背が高かった。

とにもかくにも。

調印についての確認が行なわれてゆく……。


夜は、当然の如く、宴が催されている。

スリアは、“エトン”と語らっていた。

また、あちらこちらでも談笑がなされている…。


少なからず時間が過ぎた頃に、

「そう言えば、じいさん。」
「ある程度のミスリルが欲しいんだけど、今度、送ってくれないかな?」
「代金は必ず払うから。」

ふとスリアが窺う。

「ん??」
「構わんが……、何か作るのか?」

ウェルが尋ねたところ、

「まぁね。」

どこか嬉しそうに返す孫娘であった。

更には、

「でしたら、ついでに、大量の鉄鋼を頼んでもよろしいでしょうか??」
「〝ハーリマー産は上質〟との定評ですからね。」
「勿論、購入しますので。」

そのように“タリアノ宰相”も発注したのである…。


ドワーフなどが帰国して、半月ほどが経った。

この日の午後、紫蓮しれんの[執務室]に、一人の男性城兵が訪れる。

そうして、二十歳ぐらいの兵士が、

「国主様がたに客人です。」
「なんでも“ピース・メーカーズ”と伝えれば分かるはずとの事でした。」

このように報告した。

それは、かつて、紫蓮らが、“レッドミノタウロス討伐”の際に、[砦]で知り合った少年少女である。

共に冒険した期間は短めではあったが、あの時のメンバーにとっては思い出深いものだった―。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

[スリアの恋人]

エトン
 年齢:23歳(スリアと同い年)
 身長:170㎝
 髪型:ベージュ色のマッシュルームヘア
 瞳:青色の細目
 体型:華奢
 性格:穏和
 ジョブ:機工士
 スキル:無
 魔法:無
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