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― 第六章・吉凶禍福 ―
第266話 過渡
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紫蓮たちは、人事に着手している。
まず、“神次”といった制度を廃止して、私腹を肥やしてきた者どもを解任した。
これによって、権威を失った“元神次”などは、怨みを抱いてきた人々の報復を怖れ、都から秘かに逃げ出している。
なお、タリアノを“宰相”として、他のメンバーの役職も決めていった。
そうこうしているうちに、[ニッショウ国]を設立した件などが全土に伝わり、生き残っていた神々が何処へともなく去ったのである。
それにより、[妖魔の両軍]も引き揚げていった……。
およそ十日後となっている。
“来夢・権蔵・新羅”が帰って来た。
[広間]にて。
紫蓮が、虎政からの書状に目を通す。
ちなみに、[会議室]は、現在、職人達が改修作業を進めている。
さておき…。
「快諾してくれるそうだ。」
簡略的に紫蓮が告げた。
これによって、かつての“名も無き旅団”に縁のある国々と、オワ-リンやハーリマー(ドワーフ国)に、魔族と妖怪による[連合]が、成立した。
そうしたところで、
「では、近いうちに、国主による宣言を執り行ないましょう。」
タリアノが提案する。
これに対して、〝むぅー〟と眉間にシワを寄せる紫蓮だった……。
五日が経っている。
城のエントランスに、紫蓮を先頭として、[GOD SLAYER‘S]が立ち並んでいた。
彼らの背後の室内には、全サーヴァントが整列しているようだ。
青く澄んだ空の下、庭には群衆が見受けられる。
それは、[南の大通り]にまで続いていた。
こうした状況で、長方形の[マイクロフォン]とかいう代物を、紫蓮が左手に握っている。
エントランスの両脇には、[スピーカー]なるものが設置されていた。
これらはスリアが製造したらしい。
なんでも、[オワ-リン国]でラーザが演説した際に、〝いつか紫蓮も必要に迫られて似たことをやるだろう〟と思い、コツコツと作っていたそうだ…。
ともあれ。
「……、あー。」
「ニッショウの国主、紫蓮だ。」
「皆を支配し苦しめていた神…、つまりは、先の王を討ち取った者でもある。」
「俺は、そもそもこの国で生まれ育ち……、かつて、東の大陸での魔族との戦いに強制出兵させられた。」
「それによって、家族や友人知人を失っている。」
「あのような悲劇は、もう、繰り返させたくない。」
「きっと多くの者が同じ気持ちだろう。」
「だから、誰もが二度と嘆かずに済む国を目指していきたい。」
「そのためにも、種族の垣根を超えて、連合を成した。」
「これを聞いているであろう冒険者や商隊は、各国に広めてほしい。」
「今こそ手を取り合って神どもを一掃すべし!」
「俺たちはいつでも参加を歓迎する!!」
「そして、安寧の世を共に築こう、と。」
そう述べた彼に、万歳したり拍手しながら〝うわ――――ッ!!!!〟と歓声を上げる聴講者達であった―。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
[ニッショウの官職など]
国主=紫蓮(武士)
宰相=タリアノ(魔術士)
内相=ランソワ(弓術士)
外相=ペイニー(剣士)
財相=ルウェー(クレリック)
通産相=涼音(巫女)
科技相=スリア(機工士)
建設相=ランダ―(武闘家)
農水相=撫子(くノ一)
司法相=イリィターン(ジョブ不明/魔人)
大将軍=グーラン(騎士)
副将軍=フゥーリカン(戦士)
憲兵隊長=百桃星(ジョブ不明/鬼人)
・各サーヴァントは、それぞれの主を補佐している
・戦が勃発しそうな際には、全員が立場に関係なく必要に応じて出陣する
まず、“神次”といった制度を廃止して、私腹を肥やしてきた者どもを解任した。
これによって、権威を失った“元神次”などは、怨みを抱いてきた人々の報復を怖れ、都から秘かに逃げ出している。
なお、タリアノを“宰相”として、他のメンバーの役職も決めていった。
そうこうしているうちに、[ニッショウ国]を設立した件などが全土に伝わり、生き残っていた神々が何処へともなく去ったのである。
それにより、[妖魔の両軍]も引き揚げていった……。
およそ十日後となっている。
“来夢・権蔵・新羅”が帰って来た。
[広間]にて。
紫蓮が、虎政からの書状に目を通す。
ちなみに、[会議室]は、現在、職人達が改修作業を進めている。
さておき…。
「快諾してくれるそうだ。」
簡略的に紫蓮が告げた。
これによって、かつての“名も無き旅団”に縁のある国々と、オワ-リンやハーリマー(ドワーフ国)に、魔族と妖怪による[連合]が、成立した。
そうしたところで、
「では、近いうちに、国主による宣言を執り行ないましょう。」
タリアノが提案する。
これに対して、〝むぅー〟と眉間にシワを寄せる紫蓮だった……。
五日が経っている。
城のエントランスに、紫蓮を先頭として、[GOD SLAYER‘S]が立ち並んでいた。
彼らの背後の室内には、全サーヴァントが整列しているようだ。
青く澄んだ空の下、庭には群衆が見受けられる。
それは、[南の大通り]にまで続いていた。
こうした状況で、長方形の[マイクロフォン]とかいう代物を、紫蓮が左手に握っている。
エントランスの両脇には、[スピーカー]なるものが設置されていた。
これらはスリアが製造したらしい。
なんでも、[オワ-リン国]でラーザが演説した際に、〝いつか紫蓮も必要に迫られて似たことをやるだろう〟と思い、コツコツと作っていたそうだ…。
ともあれ。
「……、あー。」
「ニッショウの国主、紫蓮だ。」
「皆を支配し苦しめていた神…、つまりは、先の王を討ち取った者でもある。」
「俺は、そもそもこの国で生まれ育ち……、かつて、東の大陸での魔族との戦いに強制出兵させられた。」
「それによって、家族や友人知人を失っている。」
「あのような悲劇は、もう、繰り返させたくない。」
「きっと多くの者が同じ気持ちだろう。」
「だから、誰もが二度と嘆かずに済む国を目指していきたい。」
「そのためにも、種族の垣根を超えて、連合を成した。」
「これを聞いているであろう冒険者や商隊は、各国に広めてほしい。」
「今こそ手を取り合って神どもを一掃すべし!」
「俺たちはいつでも参加を歓迎する!!」
「そして、安寧の世を共に築こう、と。」
そう述べた彼に、万歳したり拍手しながら〝うわ――――ッ!!!!〟と歓声を上げる聴講者達であった―。
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[ニッショウの官職など]
国主=紫蓮(武士)
宰相=タリアノ(魔術士)
内相=ランソワ(弓術士)
外相=ペイニー(剣士)
財相=ルウェー(クレリック)
通産相=涼音(巫女)
科技相=スリア(機工士)
建設相=ランダ―(武闘家)
農水相=撫子(くノ一)
司法相=イリィターン(ジョブ不明/魔人)
大将軍=グーラン(騎士)
副将軍=フゥーリカン(戦士)
憲兵隊長=百桃星(ジョブ不明/鬼人)
・各サーヴァントは、それぞれの主を補佐している
・戦が勃発しそうな際には、全員が立場に関係なく必要に応じて出陣する
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