GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第六章・吉凶禍福 ―

第261話 迫撃・後編

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男女問わず“中級神”の六割ほどが、

「なんだ?!! お前達は!??」

驚くのと共に立ち上がった。

抜刀しつつ、

「テメェらを殺しにきたんだよ。」

宣戦布告したのは、紫蓮しれんである。

上座にて、

「オワ-リンの者どもか?」

この国の王である“男神おがみ”が問いかけた。

「……、ま、そんなところだ。」

紫蓮の言葉に、

「ならば、死ね。」

そう返した王である…。


[一階エントランス]はもとより、[各廊下]でもバトルが展開していた。

「邪魔だ、どけッ!!」

先頭で[サムライソード]を振るうは、弥太郎やたろうである。

[ラーザの隊]も百人編成だ。

これは、“近衛衆このえしゅう”や“オワ-リン兵”に、“投降兵”であった。

一方の敵は150数くらいだろう。

殆どは人間だが、“下級神”もチラホラ見受けられる。

弥太郎だけでなく、秀嗣ひでつぐにラットなどが、前線で戦うなか、

「“第一広間”までは遠いのかい??」

ラーザに訊かれ、

「いえ、このまま真っ直ぐ行った正面ですので、然程さほどでも。」

側に控えている“60代前半の女性魔術士”が答えた。

〝ふむ〟と頷いて、

「だったら……。」

剣を抜き、

「早いとこ終わらせて、進むとしよう。」

【武器伝導】で“炎”を発するラーザだった…。


およそ5分後。

大きな扉を〝バンッ!〟と開けて、室内に〝ズカズカ〟と入った[ラーザ隊]の目に映ったのは、攻防を繰り広げる[ゴッド・スレイヤーズ]であった。

既に、四十二はしらのうち、半数あたりの神どもが横たわっている。

幾つかの窓ガラスが割れており、天井や壁に床はそれなりに破損しているようだ。

「ここが正解・・だったみたいだな。」

ふと呟き、

「おっし!!」
「俺らも一緒に戦うか!」

歩きだそうとする弥太郎を、

「いや、待った。」

ラーザが止めた。

誰もが〝ん?〟と不思議がったところ、

「あの様子であれば、きっと彼らだけで充分だよ。」
「ボク達は、敵の加勢が来た場合に備えて、部屋の外を見張っておこう。」

そう述べたラーザである……。


百桃星ももせ”が[金棒かなぼう]で中級神の腰を砕き、空中浮遊している“イリィターン”は[大鎌]で首を刎ねた。

勿論、他のメンバーも奮迅している。

ちなみに、紫蓮たちのグループは[GOD SLAYER’S]のみだった。

要は、オワ-リンなどの兵士がいないのだ。

紫蓮らを【瞬間移動】で運んでくれた“40代半ばの男性魔術士”を除いては…。

とかく。

国王に挑んでいるのは、“紫蓮/来夢らいむ権蔵ごんぞう新羅しんら夜摩やま美麗みれい”である。

なお、全てのサーヴァントが“人型”であった。

上級神たる王は、背丈4Mで、“セミロングの巻き毛・眉・鼻と顎の髭”が白く、冠を被っている。

この総大将も含めて、負傷している神々は、明らかに疲弊していた。

そんな国王へと、夜摩が[ハルバード槍斧]を払う。

これを、上級神が、[大剣]で防いだ。

武器を押し合うなか、総大将の右膝あたりを、権蔵が槍で突いたのである。

「ぐッ??」

新たに怪我した王は、後方に離れるのと同時に宙へと逃れていく。

そうして、【ビーム光線】を使うべく、“直径4Mの魔法陣”を構築しだす。

だが、これより先に、スキルを用いた美麗が“最大直径1.5M×長さ2.5M”といったいびつな【クリスタル系の氷】を飛ばした。

それが腹部に当たるなり、上級神を〝ビキビキビキビキィ〟と凍り付かせる。

次の瞬間、氷が自動的に〝バリンッ!!〟と割れ、

「がはッ!」

総大将が吐血した。

すかさず、おもいっきりジャンプして、右膝の外側に“左回し蹴り”をヒットさせたのは、来夢だ。

「ぬッうッ?!!」

堪らず落下して、左膝を着いた国王に、新羅が口から【黒炎】を放射する。

「ぐああ――ッ!」

諸に浴びて燃える上級神へと、紫蓮が駆けだす。

この流れで、刀に【雷】を纏わせた紫蓮は、炎が消えゆく総大将に飛び掛かった。

そして、王の左胸を、[サムライソード]で刺したのである。

これによって感電し、仰向けに倒れる上級神だった―。
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