GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第六章・吉凶禍福 ―

第256話 到来・破

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敵陣にて、“突撃のラッパ”が鳴り響く。

先鋒部隊たちが駆けだしたところ、後方で騒ぎが起こった。

〝何事か??!〟と驚いた先陣の者らが、立ち止まるのと同時に振り向いてみたら、全体の四割ほどが反旗を翻していたのである。

そこへ、オワ-リン軍が整列したままで〝ザッ、ザッ、ザッ、ザッ〟と歩いて近づいてゆく。

なお、新羅しんら夜摩やま美麗みれいなどのサーヴァントたちは、本来の姿・・・・となっていた。

ともあれ。

オワ-リン側は至る所から、

「倒すべきは神どもである!!」

「我らと力を合わせようぞ!!」

「自由を勝ち取るために戦え!!」

「新たな時代を共に築くべし!!」

こう呼び掛けている。

その最後尾で、

「上手くいきそうだな。」

馬上のラーザが〝ニッ〟と口元を緩めた…。

これは、あの要塞都市の“最高責任者”が、[神ノ軍]に加わっている知人に前もって伝えていた結果である。

その連絡を受けた男性・・・・・・・・・・は“司令官”の一人らしい。

[南陸なんりく第十三神国しんこく]の出身である“紫蓮しれん”を中心として〝政変を行なう〟といった旨を聞いたは、信頼できる幹部らに話しを付けて、結託していたのだ。

こうして、敵軍は、混乱に陥った……。


本隊に居る“下級神”の一柱が、

「ここは、一旦、退きましょう!」

“総大将の中級神”に進言する。

「どこへだ!!?」

八つ当たり気味で怒りを露わにした男神・・に、周囲が委縮した。

そもそもコイツ・・・が判断を誤った所為でもあるのだが…、横柄でしかない。

「もはや我らに逃げ場はないと思え!」
「かくなるうえは大将首を獲るしかなろう!!」
「さすれば陛下も“東の軍港”の件を許してくださる筈だ!」

このように都合よく解釈して、

「空より攻め込むぞ!!」

そう告げる“中級神”だった……。


誰もが陸地での展開に集中している隙に、“数百柱の神々”が頭上を通過しようとする。

しかし、いち早く気づいた新羅が、すぐさま【黒炎】を吐く。

これに、他のも続きだす。

また、距離的に【スキル】や【魔法】が届く人間などにサーヴァント達も、発動してゆく。

更には、何台かのロボットが【ビーム】を飛ばした。

それらによって、神どもは応戦を余儀なくされる。

[機械馬きかいうま]に跨ったまま、“右のてのひら”から15本の【雷】を放った紫蓮が、

「アイツラ…、舐めてんのか??」
「それとも、ただ単にバカなのか?」

眉間にシワを寄せつつ首を傾げた。

「冷静さを失って、自暴自棄になっているのかもしれませんね。」

こう分析したのは、“ホブゴブリン”の権蔵ごんぞうである。

一方で、

「出番、ない。」

つまらなそうに目を細める“パラライズスライム”の来夢らいむであった―。
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