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― 第六章・吉凶禍福 ―
第254話 人魔妖連合軍・結
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あれから二日が過ぎている。
[南陸第十三神国]では、“東の軍港”が妖怪たちに制圧された件が、徐々に全土へと広まっていきつつあった。
こうしたなか、オワ-リン軍は[南方領土の中央都市]に辿り着いている。
ラーザは、軍勢を100万ずつの四隊に分け、東西南北の門あたりに待機させた。
少しの時間を置いて、全ての門が息を合わせたかのように内側から開かれる。
四方より、昼下がりの[大通り]を、オワ-リン軍が足並みを揃えて城へと進んでゆく…。
それは、あの[要塞]の“最高責任者”によるものだった。
いや、厳密には、ラーザの指示である。
彼女は、“要塞の最高責任者”に各方面へと連絡させていた。
〝この国の出身である紫蓮という青年を主とすべく神どもを倒す〟〝人間による新たな統治を始めるためにも蜂起せよ〟といった具合に。
これに呼応した者らが、開門したのである。
タイミングも実に良かった。
中央都市で生活している[領主]の“中級神”が、兵を率いて、不在中だったからである。
ソイツは、“東の軍港”へと向かう途中で、[王都]に進路変更した神だ。
このため、[南方の中央都市]には、僅かばかりの“下級神”しか残っていない。
留守を預かっている兵士らが〝この機を逃すまい〟と示し合わせて動いた結果であった……。
翌日。
城に居た“数柱の下級神”は、圧倒的に不利なことを悟ってか、何処へともなく去ったらしい。
それに伴い、地元民などの評価を参考にした“ラーザ”と“叔母のルリィザ”に[GOD SLAYER‘S]が相談し、都市を預ける適任者を選出した。
こうして、オワ-リンの全軍が、[王都]を目指して北上していく…。
“北方領土の150万”と“西方領土の100万”といった兵士らは、[北の軍港]に集結している。
沖には多数の[魔族の戦艦]が見受けられた。
もうじき夜が明けようとするなか、[神々の艦隊]が港から出航する。
魔族の殆どがまだ眠っているであろうところを襲撃する腹積もりらしい。
なお、どちらの船も“木製”である。
ちなみに、魔族は“左右中段の備”を布いていた。
神々は“輪形陣”である。
母船の艦首に佇む“中級の女神”が、
「必ず撃退してやる。」
ふと呟く。
次の瞬間、海中より“巨大な亀”が何匹も浮上してきた。
敵どもが驚き固まっているところで、亀達が頭上に[水の塊]を出現させる。
それらの塊が、最大直径2M×長さ8Mあたりの[一本槍]みたいな形状に変化するのと共に〝ドォウッ!!〟と放たれた。
こうした【スキル】によって、何艘もの艦橋が破壊される。
船がグラつくなか、亀たちは海底へと戻ってゆく。
一方、魔族側では、宙に浮いている“セイレーン”の1体が、
「ザラタン達が先手を打つのに成功しました!」
下方に伝えた。
甲板にて、黒い[戦士の甲冑]と[マント]に[ハルバード]を装備している“男性の魔人”が〝ふむ〟と頷く。
その、背丈180㎝ぐらいで、ガタイが良く、精悍な顔立ちに、紫色の顎髭、といった“四将軍の一角”が、
「そなたらがもたらした情報のお陰で、連中にいい挨拶ができたな、“サハギンの長”よ。」
〝フッ〟と口元を緩める。
こうした魔人の左斜め後ろで、
「恐悦至極に存じます。」
会釈したのは、身長190㎝あたりの“半魚人”だ。
その流れで、真顔となった“四将軍の一角”が、
「告げておいたように、なるべく人間は殺すな!」
「だが、神どもは残さず屠れぇいッ!!」
こう周囲に発するのであった―。
[南陸第十三神国]では、“東の軍港”が妖怪たちに制圧された件が、徐々に全土へと広まっていきつつあった。
こうしたなか、オワ-リン軍は[南方領土の中央都市]に辿り着いている。
ラーザは、軍勢を100万ずつの四隊に分け、東西南北の門あたりに待機させた。
少しの時間を置いて、全ての門が息を合わせたかのように内側から開かれる。
四方より、昼下がりの[大通り]を、オワ-リン軍が足並みを揃えて城へと進んでゆく…。
それは、あの[要塞]の“最高責任者”によるものだった。
いや、厳密には、ラーザの指示である。
彼女は、“要塞の最高責任者”に各方面へと連絡させていた。
〝この国の出身である紫蓮という青年を主とすべく神どもを倒す〟〝人間による新たな統治を始めるためにも蜂起せよ〟といった具合に。
これに呼応した者らが、開門したのである。
タイミングも実に良かった。
中央都市で生活している[領主]の“中級神”が、兵を率いて、不在中だったからである。
ソイツは、“東の軍港”へと向かう途中で、[王都]に進路変更した神だ。
このため、[南方の中央都市]には、僅かばかりの“下級神”しか残っていない。
留守を預かっている兵士らが〝この機を逃すまい〟と示し合わせて動いた結果であった……。
翌日。
城に居た“数柱の下級神”は、圧倒的に不利なことを悟ってか、何処へともなく去ったらしい。
それに伴い、地元民などの評価を参考にした“ラーザ”と“叔母のルリィザ”に[GOD SLAYER‘S]が相談し、都市を預ける適任者を選出した。
こうして、オワ-リンの全軍が、[王都]を目指して北上していく…。
“北方領土の150万”と“西方領土の100万”といった兵士らは、[北の軍港]に集結している。
沖には多数の[魔族の戦艦]が見受けられた。
もうじき夜が明けようとするなか、[神々の艦隊]が港から出航する。
魔族の殆どがまだ眠っているであろうところを襲撃する腹積もりらしい。
なお、どちらの船も“木製”である。
ちなみに、魔族は“左右中段の備”を布いていた。
神々は“輪形陣”である。
母船の艦首に佇む“中級の女神”が、
「必ず撃退してやる。」
ふと呟く。
次の瞬間、海中より“巨大な亀”が何匹も浮上してきた。
敵どもが驚き固まっているところで、亀達が頭上に[水の塊]を出現させる。
それらの塊が、最大直径2M×長さ8Mあたりの[一本槍]みたいな形状に変化するのと共に〝ドォウッ!!〟と放たれた。
こうした【スキル】によって、何艘もの艦橋が破壊される。
船がグラつくなか、亀たちは海底へと戻ってゆく。
一方、魔族側では、宙に浮いている“セイレーン”の1体が、
「ザラタン達が先手を打つのに成功しました!」
下方に伝えた。
甲板にて、黒い[戦士の甲冑]と[マント]に[ハルバード]を装備している“男性の魔人”が〝ふむ〟と頷く。
その、背丈180㎝ぐらいで、ガタイが良く、精悍な顔立ちに、紫色の顎髭、といった“四将軍の一角”が、
「そなたらがもたらした情報のお陰で、連中にいい挨拶ができたな、“サハギンの長”よ。」
〝フッ〟と口元を緩める。
こうした魔人の左斜め後ろで、
「恐悦至極に存じます。」
会釈したのは、身長190㎝あたりの“半魚人”だ。
その流れで、真顔となった“四将軍の一角”が、
「告げておいたように、なるべく人間は殺すな!」
「だが、神どもは残さず屠れぇいッ!!」
こう周囲に発するのであった―。
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