GOD SLAYER’S

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
249 / 300
― 第六章・吉凶禍福 ―

第249話 女子会・後編

しおりを挟む
俯き加減で、やや顔を赤くして、

「……、タリアノさんです。」

恥ずかしそうにルウェーが伝える。

「あぁー、なんか、それっぽいわね。」

納得したのは、ペイニーだ。

こうしたなかで、ランソワが、

「どのようなところに惹かれたのですか?」

微笑みながら尋ねた。

「えーっと、ですね…。」

両頬に手を添えつつ、

「基本的に穏やかなのと、知的な点が、ツボだったみたいです。」

そう述べたルウェーに、

みたい・・・??」

スリアが首を傾げる。

「あ、はい。」
「私は、女性ばかりの“大聖堂”で育ちましたので。」
「男性と言えば、私を含めた数人が契約していた“サーヴァント”ぐらいでしたし……。」

ふと遠い目をしたルウェーに、百桃星ももせ以外が〝あぁ〟と理解を示す。

こういった話しに興味のない鬼姫は、クッキーなどの“お菓子”に舌鼓したづつみしては〝ニコニコ〟していた。

「それで?」
「皆さんは、どうなんです??」
「ランソワさんが紫蓮しれんさんに恋心を抱いていらっしゃるのは判明していますけど…。」
「私達だけが知られてしまっているのは、なんだか不公平だと思います!」

ルウェーの主張に、

「いや、貴女が開いた会でしょ。」

半ば眉をひそめてツッコミをいれたペイニーである。

〝ぐぬぬぅ~〟と反論できないルウェーを見兼ねてか、

「まぁ、まぁ、折角ですので、情報交換しておきませんか?」
「今後、それぞれに、何かと相談したり、協力し合えることがあるでしょうから。」

そのように意見するランソワであった。

これによって、女性陣が語らってゆく……。


撫子なでしこ涼音すずね・ペイニーには、恋愛感情とまではいかないが気になってはいる者たちがいた。

まず、撫子は、グーランだ。

涼音は、ランダ―である。

ペイニーは、フゥーリカンらしい。

撫子とペイニーの場合、グーランやフゥーリカンに対して、“友達”といった感覚が強いようだ。

涼音は、ランダ―の事を、どこか弟みたいに捉えていた。

ただ、涼音には、姉はいるものの、男兄弟がいないため、イマイチよく分かっていなかったらしい。

そのように、各自が本心を確認していくなかで、

「スリアさんは??」

ルウェーが窺う。

「ん?」
「あー。」
「アタシは、地元に恋人がいるから。」

この答えに、百桃星を除いたメンバーが〝えッ??〟と少なからず驚く。

「そうなのですか?」

ランソワに訊かれ、〝ん〟と頷いたスリアに、

「ほったらかしにして旅に出ても大丈夫だったの??」

ペイニーが疑問を投げかける。

「ま、アタシは、子供の頃から〝歴史を変えたい〟と願ってきたからな。」
「ずいぶん前から承諾してくれていたよ。」
「相手は、うちの祖父じいさんの会社で働いてるってこともあって。」

そうした説明を受け、誰もが〝へぇー〟と反応していた。

「百桃星さんは、そういうヒトいないんですか?」

ルウェーに視線を送られた鬼姫が、

「うむ。」
「おらぬ!!」

何故だか堂々と返す。

この流れで、

「まぁ、わらわも、やがては結婚して、子孫を持ち、次の世代に繋げていかねばなるまい。」
「じゃが。」
「現時点では、神どもを滅するのが先決よッ!」

そう告げる百桃星だった―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。 目覚めると彼は真っ白な空間にいた。 動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。 神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。 龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。 六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。 神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。 気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。

なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。 しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。 探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。 だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。 ――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。 Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。 Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。 それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。 失意の内に意識を失った一馬の脳裏に ――チュートリアルが完了しました。 と、いうシステムメッセージが流れる。 それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...