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― 第六章・吉凶禍福 ―
第249話 女子会・後編
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俯き加減で、やや顔を赤くして、
「……、タリアノさんです。」
恥ずかしそうにルウェーが伝える。
「あぁー、なんか、それっぽいわね。」
納得したのは、ペイニーだ。
こうしたなかで、ランソワが、
「どのようなところに惹かれたのですか?」
微笑みながら尋ねた。
「えーっと、ですね…。」
両頬に手を添えつつ、
「基本的に穏やかなのと、知的な点が、ツボだったみたいです。」
そう述べたルウェーに、
「みたい??」
スリアが首を傾げる。
「あ、はい。」
「私は、女性ばかりの“大聖堂”で育ちましたので。」
「男性と言えば、私を含めた数人が契約していた“サーヴァント”ぐらいでしたし……。」
ふと遠い目をしたルウェーに、百桃星以外が〝あぁ〟と理解を示す。
こういった話しに興味のない鬼姫は、クッキーなどの“お菓子”に舌鼓しては〝ニコニコ〟していた。
「それで?」
「皆さんは、どうなんです??」
「ランソワさんが紫蓮さんに恋心を抱いていらっしゃるのは判明していますけど…。」
「私達だけが知られてしまっているのは、なんだか不公平だと思います!」
ルウェーの主張に、
「いや、貴女が開いた会でしょ。」
半ば眉をひそめてツッコミをいれたペイニーである。
〝ぐぬぬぅ~〟と反論できないルウェーを見兼ねてか、
「まぁ、まぁ、折角ですので、情報交換しておきませんか?」
「今後、それぞれに、何かと相談したり、協力し合えることがあるでしょうから。」
そのように意見するランソワであった。
これによって、女性陣が語らってゆく……。
撫子・涼音・ペイニーには、恋愛感情とまではいかないが気になってはいる者たちがいた。
まず、撫子は、グーランだ。
涼音は、ランダ―である。
ペイニーは、フゥーリカンらしい。
撫子とペイニーの場合、グーランやフゥーリカンに対して、“友達”といった感覚が強いようだ。
涼音は、ランダ―の事を、どこか弟みたいに捉えていた。
ただ、涼音には、姉はいるものの、男兄弟がいないため、イマイチよく分かっていなかったらしい。
そのように、各自が本心を確認していくなかで、
「スリアさんは??」
ルウェーが窺う。
「ん?」
「あー。」
「アタシは、地元に恋人がいるから。」
この答えに、百桃星を除いたメンバーが〝えッ??〟と少なからず驚く。
「そうなのですか?」
ランソワに訊かれ、〝ん〟と頷いたスリアに、
「ほったらかしにして旅に出ても大丈夫だったの??」
ペイニーが疑問を投げかける。
「ま、アタシは、子供の頃から〝歴史を変えたい〟と願ってきたからな。」
「ずいぶん前から承諾してくれていたよ。」
「相手は、うちの祖父さんの会社で働いてるってこともあって。」
そうした説明を受け、誰もが〝へぇー〟と反応していた。
「百桃星さんは、そういうヒトいないんですか?」
ルウェーに視線を送られた鬼姫が、
「うむ。」
「おらぬ!!」
何故だか堂々と返す。
この流れで、
「まぁ、妾も、やがては結婚して、子孫を持ち、次の世代に繋げていかねばなるまい。」
「じゃが。」
「現時点では、神どもを滅するのが先決よッ!」
そう告げる百桃星だった―。
「……、タリアノさんです。」
恥ずかしそうにルウェーが伝える。
「あぁー、なんか、それっぽいわね。」
納得したのは、ペイニーだ。
こうしたなかで、ランソワが、
「どのようなところに惹かれたのですか?」
微笑みながら尋ねた。
「えーっと、ですね…。」
両頬に手を添えつつ、
「基本的に穏やかなのと、知的な点が、ツボだったみたいです。」
そう述べたルウェーに、
「みたい??」
スリアが首を傾げる。
「あ、はい。」
「私は、女性ばかりの“大聖堂”で育ちましたので。」
「男性と言えば、私を含めた数人が契約していた“サーヴァント”ぐらいでしたし……。」
ふと遠い目をしたルウェーに、百桃星以外が〝あぁ〟と理解を示す。
こういった話しに興味のない鬼姫は、クッキーなどの“お菓子”に舌鼓しては〝ニコニコ〟していた。
「それで?」
「皆さんは、どうなんです??」
「ランソワさんが紫蓮さんに恋心を抱いていらっしゃるのは判明していますけど…。」
「私達だけが知られてしまっているのは、なんだか不公平だと思います!」
ルウェーの主張に、
「いや、貴女が開いた会でしょ。」
半ば眉をひそめてツッコミをいれたペイニーである。
〝ぐぬぬぅ~〟と反論できないルウェーを見兼ねてか、
「まぁ、まぁ、折角ですので、情報交換しておきませんか?」
「今後、それぞれに、何かと相談したり、協力し合えることがあるでしょうから。」
そのように意見するランソワであった。
これによって、女性陣が語らってゆく……。
撫子・涼音・ペイニーには、恋愛感情とまではいかないが気になってはいる者たちがいた。
まず、撫子は、グーランだ。
涼音は、ランダ―である。
ペイニーは、フゥーリカンらしい。
撫子とペイニーの場合、グーランやフゥーリカンに対して、“友達”といった感覚が強いようだ。
涼音は、ランダ―の事を、どこか弟みたいに捉えていた。
ただ、涼音には、姉はいるものの、男兄弟がいないため、イマイチよく分かっていなかったらしい。
そのように、各自が本心を確認していくなかで、
「スリアさんは??」
ルウェーが窺う。
「ん?」
「あー。」
「アタシは、地元に恋人がいるから。」
この答えに、百桃星を除いたメンバーが〝えッ??〟と少なからず驚く。
「そうなのですか?」
ランソワに訊かれ、〝ん〟と頷いたスリアに、
「ほったらかしにして旅に出ても大丈夫だったの??」
ペイニーが疑問を投げかける。
「ま、アタシは、子供の頃から〝歴史を変えたい〟と願ってきたからな。」
「ずいぶん前から承諾してくれていたよ。」
「相手は、うちの祖父さんの会社で働いてるってこともあって。」
そうした説明を受け、誰もが〝へぇー〟と反応していた。
「百桃星さんは、そういうヒトいないんですか?」
ルウェーに視線を送られた鬼姫が、
「うむ。」
「おらぬ!!」
何故だか堂々と返す。
この流れで、
「まぁ、妾も、やがては結婚して、子孫を持ち、次の世代に繋げていかねばなるまい。」
「じゃが。」
「現時点では、神どもを滅するのが先決よッ!」
そう告げる百桃星だった―。
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