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― 第五章・魔の領域 ―
第240話 真成
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魔王は、[モルゴン]という名で、齢120を過ぎているらしい。
身長は2Mといったところであろう。
そんな魔王には“長男・次男・長女・三男・四男・次女”といった子らがいる。
一夫多妻制のため、子供たちの母親は全員が異なっていた。
要は、〝魔王には妻が六人いる〟という事だ。
人間などは大体どこも一夫一妻だが、なかには例外もあるらしい。
なお、神どもは一夫多妻である。
さて…。
本来、魔王は、[北の大陸]で生活してきた。
しかし、今は、長男に任せ、長女と三男に両脇を固めさせる形で、[東の大陸]に赴いている。
東陸は、普段、次男が治め、四男と次女に補佐させていた。
かつて、紫蓮が幼馴染を亡くした大戦には、魔王も出張っていたようだ。
ちなみに、[アリプレト]という名前の次男は、背丈175㎝ぐらいで、青紫色の髪は腰あたりまでの長さがある。
どちらかといえば、温和な性格で、内政に向いているらしい。
また、攻戦よりも、守戦を得意としてきた。
ともあれ。
誰もが宴を楽しんでいる。
こうしたなかで、
「〝魔族は神達のように他種族を冷遇し過ぎてはいない〟とのことですが、何か理由があるのでしょうか?」
「あ、いえ。」
「ただ見聞を広めるために知っておきたいだけでして、他意はありません。」
「この件について喋りたくないのであれば、結構です。」
タリアノが魔王に伺った。
「いや、別に隠すような事ではない故、問題ない。」
「それに、我が子らも居るから丁度よかろう。」
「……、これは余の父より聞かされた内容であり、先祖代々に亘って伝えられてきたものである。」
「余は、まだ、誰にも言ったことがなかったがな…。」
そのように述べて、〝すぅー、ふぅー〟と呼吸した魔王が、語りだす……。
遥か昔、本物の神々が、さまざまな種族と共に、地上で平和に暮らしていた頃。
突如として“異世界”より渡来した者どもがいた。
翼を有している連中は、数千万という規模だったそうだ。
コイツラは“侵略者”であった。
詳細は定かではないが、適当な惑星を奪い取ろうと考えたらしい。
こうして、衝突が起きた。
その流れで、“本物の神々”や“聖獣”などが、侵略者どもに呪われたとの事である。
結果、姿が変わってしまい、“魔人/魔物/魔獣/”という扱いになっていった。
いや、正しくは、新たに神を名乗るようになった侵略者どもが、情報操作し続けたのだそうだ。
これによって〝神と魔が逆転してしまった〟らしい。
更に〝魔族の体内に魔石が存在するのも呪詛の影響によるもの〟とのことである。
妖怪は〝いつしか魔族から派生した亜種〟との話しだった…。
魔王が説明を終えたところ、誰もが驚きを隠せずにいる。
「……、つまり、我らは〝正統な神の血筋である〟という事ですか??」
かろうじて口を開いた[次男のアリプレト]に、魔王が軽く〝うむ〟と頷く。
そして…、
「故に、祖先は、いろんな種族を保護してきた。」
「だが、しかし。」
「時が経つにつれて多くの者が事実を忘れていったらしい。」
「そのため〝他種族を優遇すると魔族が不満を抱き謀反に繋がりかねない〟〝反魔王連合軍を造られでもしたなら厄介〟と判断して〝領内に住む人族や獣人族に妖精族は出世させない〟といった方針に定めたとのことだ。」
こう締め括り、杯の酒を飲み干す魔王であった―。
身長は2Mといったところであろう。
そんな魔王には“長男・次男・長女・三男・四男・次女”といった子らがいる。
一夫多妻制のため、子供たちの母親は全員が異なっていた。
要は、〝魔王には妻が六人いる〟という事だ。
人間などは大体どこも一夫一妻だが、なかには例外もあるらしい。
なお、神どもは一夫多妻である。
さて…。
本来、魔王は、[北の大陸]で生活してきた。
しかし、今は、長男に任せ、長女と三男に両脇を固めさせる形で、[東の大陸]に赴いている。
東陸は、普段、次男が治め、四男と次女に補佐させていた。
かつて、紫蓮が幼馴染を亡くした大戦には、魔王も出張っていたようだ。
ちなみに、[アリプレト]という名前の次男は、背丈175㎝ぐらいで、青紫色の髪は腰あたりまでの長さがある。
どちらかといえば、温和な性格で、内政に向いているらしい。
また、攻戦よりも、守戦を得意としてきた。
ともあれ。
誰もが宴を楽しんでいる。
こうしたなかで、
「〝魔族は神達のように他種族を冷遇し過ぎてはいない〟とのことですが、何か理由があるのでしょうか?」
「あ、いえ。」
「ただ見聞を広めるために知っておきたいだけでして、他意はありません。」
「この件について喋りたくないのであれば、結構です。」
タリアノが魔王に伺った。
「いや、別に隠すような事ではない故、問題ない。」
「それに、我が子らも居るから丁度よかろう。」
「……、これは余の父より聞かされた内容であり、先祖代々に亘って伝えられてきたものである。」
「余は、まだ、誰にも言ったことがなかったがな…。」
そのように述べて、〝すぅー、ふぅー〟と呼吸した魔王が、語りだす……。
遥か昔、本物の神々が、さまざまな種族と共に、地上で平和に暮らしていた頃。
突如として“異世界”より渡来した者どもがいた。
翼を有している連中は、数千万という規模だったそうだ。
コイツラは“侵略者”であった。
詳細は定かではないが、適当な惑星を奪い取ろうと考えたらしい。
こうして、衝突が起きた。
その流れで、“本物の神々”や“聖獣”などが、侵略者どもに呪われたとの事である。
結果、姿が変わってしまい、“魔人/魔物/魔獣/”という扱いになっていった。
いや、正しくは、新たに神を名乗るようになった侵略者どもが、情報操作し続けたのだそうだ。
これによって〝神と魔が逆転してしまった〟らしい。
更に〝魔族の体内に魔石が存在するのも呪詛の影響によるもの〟とのことである。
妖怪は〝いつしか魔族から派生した亜種〟との話しだった…。
魔王が説明を終えたところ、誰もが驚きを隠せずにいる。
「……、つまり、我らは〝正統な神の血筋である〟という事ですか??」
かろうじて口を開いた[次男のアリプレト]に、魔王が軽く〝うむ〟と頷く。
そして…、
「故に、祖先は、いろんな種族を保護してきた。」
「だが、しかし。」
「時が経つにつれて多くの者が事実を忘れていったらしい。」
「そのため〝他種族を優遇すると魔族が不満を抱き謀反に繋がりかねない〟〝反魔王連合軍を造られでもしたなら厄介〟と判断して〝領内に住む人族や獣人族に妖精族は出世させない〟といった方針に定めたとのことだ。」
こう締め括り、杯の酒を飲み干す魔王であった―。
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