GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第五章・魔の領域 ―

第237話 漸む

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翌日のPM13:00頃。

[ゴッド・スレイヤーズ]は、砦の“南門”に訪れた。

曇り空の下で、

「どうぞ、こちらへ。」

軽く会釈した[人型の梟ストラトス]が、紫蓮しれん達を建物内へと先導していく…。


[広間]にて。

「うむ。」
「来られたか。」

口を開いたのは、最高司令官の[グリフォン]である。

このそばに[ブラックハーピー]が見受けられた。

「そこの家臣によれば、普段“北の大陸”で生活しておられる魔王様は、現在、ここ“東の大陸”に極秘で赴かれていたとのことだ。」
「そのため、行き違いが生じてしまい、いささか日数が掛かってしまった。」
「待たせてしまい、すまなかったな。」

そう述べたグリフォンに、

「いや、構わない。」

紫蓮が返す。

この流れで、

「何か問題でも発生しているのですか??」

ふとタリアノが尋ねる。

「いや、今のところは。」

首を横に振ったグリフォンが、

此度こたび、“妖怪の軍”が第四神国しんこくに攻め込んだとの報せを聞き、詳細を知るべく、お越しになられたそうだ。」
「一つは、〝鬼王殿きおうどのが友好条約を破棄して北上するかもしれん〟というご懸念である。」
「そして、もう一つは、〝他の神どもが焦って魔王領に進軍するやもしれん〟と危惧なされての事だ。」
「何せ、魔族と妖怪が親善関係であるのはヤツラも知っておるからな。」
「我々に挟み撃ちにされる可能性を不安視して、先に行動を起こすかもしれないので、〝すぐに対応できるように〟とのお考えであらせられる。」

そう説明したのであった。

これに、[DOD SLAYER’S]と使者たちが〝成程〟と理解を示す。

「では。」
「そこに控える我が配下が、魔王様が滞在しておられる城へと、これよりお連れ致す。」
「既に話しは付いておるが……、準備に覚悟は、よろしいかな?」

グリフォンに問われ、紫蓮を筆頭に誰もが頷く。

そうして、彼らに近づいたブラックハーピーが、足元に大きな魔法陣を構築する。

「参ります。」

簡略的に伝えたブラックハーピーにてよって、【テレポーテーション】する紫蓮達だった。


[東陸とうりく]の中央に、或る国が存在している。

この中心都市には、なかなか“豪壮な城”がそびえていた。

色は黒を基調としている。

そうした城は、本来、[魔王の次男]が拠点としているらしい。

ここの割と面積があるに、ブラックハーピーが【テレポート】したのであった。

そこには、五体の魔物が佇んでいる。

メンバーは“オスのサテュロス/オスのジャッカロープ/オスのパラライズスライム/メスのラミア/メスのガーゴイル”で、全員が兵士らしき甲冑を装備していた。

一歩だけ前に出た[二足歩行の山羊サテュロス]が、

「お待ちしていました。」
「まずは、皆さんを、“客間”へとお通しさせていただきます。」

こう告げたのである…。


紫蓮たちが案内された[客間]は、かなり広い。

なんとなく窓の外に視線を送ったルウェーが、

「より一層に曇ってきていますね。」
「……、どこか不吉な感じです。」
「魔王に捕らえられたり殺されたりしませんよね??」

そのような心配ごとを吐露とろした。

この意見に対して、

「なぁに、案ずるでない!!」

百桃星ももせが〝ニカッ!〟とする。

更には、

「魔王も馬鹿ではあるまいて、妖怪を敵に回すような真似はすまい。」
「もし襲撃されたならば、応戦するまでよ!!」
「それで負けそうになった際には、“瞬間移動”で何処か安全な場所へと逃げればよかろう!」

何故だか愉快そうにする[鬼姫]だった―。
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