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― 第五章・魔の領域 ―
第226話 鬼と神と・後編
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前線へと飛来する神々を、視界に捉え、
「お出ましか。」
そう呟いた鬼王が、
「アヤツは我が倒す!」
「他は任せたぞ!!」
自身の一族に伝える。
これに気づいた周囲の妖怪集団も、百桃星らと共に【炎】【風】【雷】【氷】【毒】などのスキルを一斉に放った。
ほぼ同時に、神どもが【光線】を発射する。
それぞれが宙でぶつかって消滅するなか、
「我が直々に屠ってやる故、降りてくるがよい。」
敵の“総大将”を煽る鬼王だった。
「ふん!」
「安い挑発よのう。」
「悔しければ、お前も飛んでみよ。」
こう返した[男神]に、
「ならば、我が墜としてみせるまでよ。」
鬼王が告げる。
「妖怪めが…、見くびるな!!」
怒りを露わにした[王]は、左の掌で直径4Mの魔法陣を構築する。
その流れで、直径30㎝×長さ2Mの【ビーム】を200本ぐらい撃ってきたのであった。
これらに対し、鬼王も左手を用いて、直径30㎝×長さ無限の【雷】を、やはり200数ほど放ったのである。
全てが〝ズババババァーンッ!!!!〟と、ぶつかって、煙が巻き起こったところ、
「ぬぅ~ッ。」
〝ギリィッ!〟と歯軋りした総大将が、
「致し方あるまい。」
左腰より“ラージソード”を鞘から抜いてゆく。
一方、鵺に跨っている鬼王もまた、抜刀していった。
ほんの一瞬ばかりの静寂を経て、かなりの速さで距離を詰めてきた男神が、剣を振り下ろす。
それを、鬼王が“斬馬刀”を横にして〝ガキィンッ!!〟と防ぐ。
このまま暫し、互いに、得物を押しながら、睨み合う。
そうした状況で、鬼王が斬馬刀に“オレンジ色の光り”を纏わせる。
「!」
これが【武器伝導】である事を察した総大将が、素早く後方に逃れようとした。
しかし、鬼王が突き出した刀の“切っ先”が、腹部に刺さるなり、男神は〝ボオオオォーンッ!!!!〟と派手に爆発したのだった。
「この国の頂点だと思って、それなりに期待しておったというのに……、たいしたことなかったな。」
鬼王が少なからず失望するなか、[主君]が木端微塵になった事で、さまざまな悲鳴を上げた“敵の中央隊”が、逃げだしていく。
神々も、例外なく。
「父上、籠城されてしまっては、いささか厄介なのでは?」
背後より伺ってきた息子(長男)に、
「ふむ。」
「確かにな。」
「では…、追うとしよう。」
鬼王が答えたところで、神どもの左側より飛んできた幾つもの【スキル】と【魔法】が、直撃していったのである。
その方角へと視線を送った鬼王が、
「ほぉう。」
「“ゴッド・スレイヤーズ”か。」
と、認識した。
どうやら、“敵の右翼隊”は、“妖怪の左翼隊”によって、既に崩されているみたいだ。
味方の左翼隊は、指揮官による判断にて、半分ずつに別れたらしい。
残兵を捕らえる者らと、“中央隊”に合流するグループとに。
なにはともあれ。
特に強さを誇っているのは、紫蓮達である。
この働きに、
「おおーッ!!」
「やりおるなぁッ!」
誰よりも瞳を輝かせる百桃星であった―。
「お出ましか。」
そう呟いた鬼王が、
「アヤツは我が倒す!」
「他は任せたぞ!!」
自身の一族に伝える。
これに気づいた周囲の妖怪集団も、百桃星らと共に【炎】【風】【雷】【氷】【毒】などのスキルを一斉に放った。
ほぼ同時に、神どもが【光線】を発射する。
それぞれが宙でぶつかって消滅するなか、
「我が直々に屠ってやる故、降りてくるがよい。」
敵の“総大将”を煽る鬼王だった。
「ふん!」
「安い挑発よのう。」
「悔しければ、お前も飛んでみよ。」
こう返した[男神]に、
「ならば、我が墜としてみせるまでよ。」
鬼王が告げる。
「妖怪めが…、見くびるな!!」
怒りを露わにした[王]は、左の掌で直径4Mの魔法陣を構築する。
その流れで、直径30㎝×長さ2Mの【ビーム】を200本ぐらい撃ってきたのであった。
これらに対し、鬼王も左手を用いて、直径30㎝×長さ無限の【雷】を、やはり200数ほど放ったのである。
全てが〝ズババババァーンッ!!!!〟と、ぶつかって、煙が巻き起こったところ、
「ぬぅ~ッ。」
〝ギリィッ!〟と歯軋りした総大将が、
「致し方あるまい。」
左腰より“ラージソード”を鞘から抜いてゆく。
一方、鵺に跨っている鬼王もまた、抜刀していった。
ほんの一瞬ばかりの静寂を経て、かなりの速さで距離を詰めてきた男神が、剣を振り下ろす。
それを、鬼王が“斬馬刀”を横にして〝ガキィンッ!!〟と防ぐ。
このまま暫し、互いに、得物を押しながら、睨み合う。
そうした状況で、鬼王が斬馬刀に“オレンジ色の光り”を纏わせる。
「!」
これが【武器伝導】である事を察した総大将が、素早く後方に逃れようとした。
しかし、鬼王が突き出した刀の“切っ先”が、腹部に刺さるなり、男神は〝ボオオオォーンッ!!!!〟と派手に爆発したのだった。
「この国の頂点だと思って、それなりに期待しておったというのに……、たいしたことなかったな。」
鬼王が少なからず失望するなか、[主君]が木端微塵になった事で、さまざまな悲鳴を上げた“敵の中央隊”が、逃げだしていく。
神々も、例外なく。
「父上、籠城されてしまっては、いささか厄介なのでは?」
背後より伺ってきた息子(長男)に、
「ふむ。」
「確かにな。」
「では…、追うとしよう。」
鬼王が答えたところで、神どもの左側より飛んできた幾つもの【スキル】と【魔法】が、直撃していったのである。
その方角へと視線を送った鬼王が、
「ほぉう。」
「“ゴッド・スレイヤーズ”か。」
と、認識した。
どうやら、“敵の右翼隊”は、“妖怪の左翼隊”によって、既に崩されているみたいだ。
味方の左翼隊は、指揮官による判断にて、半分ずつに別れたらしい。
残兵を捕らえる者らと、“中央隊”に合流するグループとに。
なにはともあれ。
特に強さを誇っているのは、紫蓮達である。
この働きに、
「おおーッ!!」
「やりおるなぁッ!」
誰よりも瞳を輝かせる百桃星であった―。
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