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― 第五章・魔の領域 ―
第225話 鬼と神と・前編
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双方の前線が、今、ぶつかり合う。
宙では、新羅が【黒炎】を吐き、他の翼や羽を有している者たちが【雷】【風】【氷】【毒】【麻痺】などを放つ。
地上でも、紫蓮を筆頭に、人間とサーヴァントが、各自で、【スキル】や【魔法】を用いたり、武器を振るっていた。
また、スリアや、ロボット達に、機械馬は、【ビーム】などを使っている。
戦闘が広まっていくにつれ、両軍の至る所で血飛沫が舞う。
なお、此度の神々は、中級が11柱で、下級が約2000柱のようだ。
あちらの右翼隊・中央隊・左翼隊に、それぞれ、中級はニ数ずつ、下級は五百ずつで、残りは王が率いる本隊に控えていた。
なにはともあれ。
[GOD SLAYER’S]が居る“妖怪の左翼隊”もまた、神どもとのバトルが激化していく。
中級が直径3Mの、下級は直径2Mの、魔法陣を、一斉に構築する。
これを察した涼音が素早く【結界】を張るなか、さまざまな【光線】が降り注いだ。
紫蓮たちは間一髪で難を逃れていたが、死傷する人族やサーヴァントに妖怪も見受けられた。
神々の“二発目”が終わったところで、半透明かつドーム型の[防御壁]を鈴音が解くなり、
「ぅおりゃッ!」
[バンプレート(護拳)状のランス]を、下から振り上げたのは、グーランである。
それによって生じた“最小幅30㎝×最大幅8M×高さ13M”の【トルネード】が、敵どもを薙ぎ倒す。
なかには、[風の渦]に巻き込まれて、回転するのと共にダメージを負っている者もいるみたいだ。
やや離れた位置では、紫蓮が[刀]を横に払い、“最大幅30㎝×長さ10M”といった【雷】を、空中に飛ばした。
これにより、中級を含めた数十柱の神どもが感電して、墜ちてゆく。
彼ら以外のメンバーも、ほぼ同時に、攻撃を繰り出したのである……。
中央では[鬼の一族]が大活躍していた。
特に鬼王夫妻は、かなり強い。
先頭集団が [神の軍]を押していくなか、そこよりも割と後ろの方で待機しているユナーダに、連絡が入ったようだ。
ブレスレットを扱い[画面]を開いたら、
『ユナーダよ!』
『何故、こちらに呼応せんのだ??!』
『陛下は御立腹であらせられるぞ!!』
ペッテェーロンが焦りまくったのである。
「どうか落ち着いてください。」
「現在、我々は中盤ほどにおりまして…、周りを妖怪に囲まれております。」
「このような状況で騒ぎを起こしたとしても、すぐに鎮圧されてしまうことでしょう。」
「策を成功させるためには、もっと乱戦にならねば難しゅうございます。」
そう説明したユナーダに、
『つまり??』
ペッテェーロンが聞き返す。
「陛下が自ら最前線までお出ましくだされば、風向きが変わるかと。」
「また。」
「それによって、陛下の武名が東陸全土に轟くに違いありません。」
ユナーダが述べたところ、
『うぅ~む。』
『……、相分かった!』
『陛下にお伝えする故、そちらの指揮は頼んだぞ、ユナーダ。』
こう告げるペッテェーロンであった。
「お任せを。」
会釈した流れで、通話を切ったユナーダは、
「片が付きそうね。」
微かに呟いたのである…。
「――、成程のぉう。」
〝ふむ〟と頷いた[総大将]が、
「確かに、この大陸の、魔族はもとより、神々のなかにも、我を軽んじている者が少なからず存在しておるのは、隠しようのない事実だ。」
「二年前の“大戦”で、魔王軍に敗れた所為でな。」
〝ギリッ〟と歯軋りした。
その正面には、ペッテェーロンが跪いている。
明らかに恐れているのだろう、本人は冷や汗を垂らしていた。
これを余所に、
「よかろう。」
男神が玉座から〝スッ〟と立ち上がる。
そうして、
「鬼の首、獲りに行くぞ!!」
家臣に号令を掛けたのだった―。
宙では、新羅が【黒炎】を吐き、他の翼や羽を有している者たちが【雷】【風】【氷】【毒】【麻痺】などを放つ。
地上でも、紫蓮を筆頭に、人間とサーヴァントが、各自で、【スキル】や【魔法】を用いたり、武器を振るっていた。
また、スリアや、ロボット達に、機械馬は、【ビーム】などを使っている。
戦闘が広まっていくにつれ、両軍の至る所で血飛沫が舞う。
なお、此度の神々は、中級が11柱で、下級が約2000柱のようだ。
あちらの右翼隊・中央隊・左翼隊に、それぞれ、中級はニ数ずつ、下級は五百ずつで、残りは王が率いる本隊に控えていた。
なにはともあれ。
[GOD SLAYER’S]が居る“妖怪の左翼隊”もまた、神どもとのバトルが激化していく。
中級が直径3Mの、下級は直径2Mの、魔法陣を、一斉に構築する。
これを察した涼音が素早く【結界】を張るなか、さまざまな【光線】が降り注いだ。
紫蓮たちは間一髪で難を逃れていたが、死傷する人族やサーヴァントに妖怪も見受けられた。
神々の“二発目”が終わったところで、半透明かつドーム型の[防御壁]を鈴音が解くなり、
「ぅおりゃッ!」
[バンプレート(護拳)状のランス]を、下から振り上げたのは、グーランである。
それによって生じた“最小幅30㎝×最大幅8M×高さ13M”の【トルネード】が、敵どもを薙ぎ倒す。
なかには、[風の渦]に巻き込まれて、回転するのと共にダメージを負っている者もいるみたいだ。
やや離れた位置では、紫蓮が[刀]を横に払い、“最大幅30㎝×長さ10M”といった【雷】を、空中に飛ばした。
これにより、中級を含めた数十柱の神どもが感電して、墜ちてゆく。
彼ら以外のメンバーも、ほぼ同時に、攻撃を繰り出したのである……。
中央では[鬼の一族]が大活躍していた。
特に鬼王夫妻は、かなり強い。
先頭集団が [神の軍]を押していくなか、そこよりも割と後ろの方で待機しているユナーダに、連絡が入ったようだ。
ブレスレットを扱い[画面]を開いたら、
『ユナーダよ!』
『何故、こちらに呼応せんのだ??!』
『陛下は御立腹であらせられるぞ!!』
ペッテェーロンが焦りまくったのである。
「どうか落ち着いてください。」
「現在、我々は中盤ほどにおりまして…、周りを妖怪に囲まれております。」
「このような状況で騒ぎを起こしたとしても、すぐに鎮圧されてしまうことでしょう。」
「策を成功させるためには、もっと乱戦にならねば難しゅうございます。」
そう説明したユナーダに、
『つまり??』
ペッテェーロンが聞き返す。
「陛下が自ら最前線までお出ましくだされば、風向きが変わるかと。」
「また。」
「それによって、陛下の武名が東陸全土に轟くに違いありません。」
ユナーダが述べたところ、
『うぅ~む。』
『……、相分かった!』
『陛下にお伝えする故、そちらの指揮は頼んだぞ、ユナーダ。』
こう告げるペッテェーロンであった。
「お任せを。」
会釈した流れで、通話を切ったユナーダは、
「片が付きそうね。」
微かに呟いたのである…。
「――、成程のぉう。」
〝ふむ〟と頷いた[総大将]が、
「確かに、この大陸の、魔族はもとより、神々のなかにも、我を軽んじている者が少なからず存在しておるのは、隠しようのない事実だ。」
「二年前の“大戦”で、魔王軍に敗れた所為でな。」
〝ギリッ〟と歯軋りした。
その正面には、ペッテェーロンが跪いている。
明らかに恐れているのだろう、本人は冷や汗を垂らしていた。
これを余所に、
「よかろう。」
男神が玉座から〝スッ〟と立ち上がる。
そうして、
「鬼の首、獲りに行くぞ!!」
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