GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第五章・魔の領域 ―

第224話 意気軒昂

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あれから五日が過ぎている。

神次かみつぐの配下”こと[ユナーダ]が密告していたとおり、鬼王きおうは二つの町に100万ずつの兵を置いて東へと進んでいた。

そのため、現在は200万となっている。

ちなみに、“鬼の一族”は全員が大小さまざまな[ぬえ]に乗っているようだ。

鵺とは“猿の顔/狸の胴体/虎の手足/蛇の尾”といった妖怪である。

なにはともあれ。

東陸とうりく第四神国しんこく”の[王都]までは、あと二日もあれば辿り着くといったところだ。

草原にて。

最前線をゆく鬼王が、

「む?」
「あれは…。」

何かに気づいて目を細め、

「止まれぇいッ!!」

味方の軍をストップさせた。

「待ち構えておったか。」

〝ふッ〟と口元を緩め、

「……、数は、こちらと同じくらいであろうな。」

こう呟いた鬼王の視線の先には、“敵”が布陣していたのである。

後ろを振り向いた鬼王が、

「速やかに臨戦態勢を整えさせよ。」

家臣らに指示した事によって、翼を有した“伝令係”の数十体が各方面へと飛び立った…。


一方、“神の軍”の最後尾には、この国の[王]が見受けられる。

4M級の[男神おがみ]は“金の玉座”に腰掛けていた。

おそらく“持ち運び式の椅子”なのだろう。

そんな王が、

「お前が話したとおりであったな、ペッテェーロンよ。」

傍に控える人間に声をかけた。

「はッ。」

うやうやしく頭を下げた“やや小太りの男性”に、

「このいくさに勝利したならば、現在の“神次”を引退させ、そのほうを就任させてやろうぞ。」
「無論、情報をもたらしたという者にも、相応の褒美を与えることを約束しよう。」

王が告げる。

すぐさま跪いたペッテェーロンは、

「至極光栄にございます!」

仰々ぎょうぎょうしく礼を述べたのであった。


数分が経ち、[神の軍]から“ラッパ”の音が幾重いくえにも聞こえてくる。

[妖怪の軍]は、何台もの“大太鼓おおだいこ”を一斉に叩きだす。

これらによって、突撃を開始する双方だった……。


[ゴッド・スレイヤーズ]は、左翼の先頭あたりに組み込まれている。

そこ・・は“傭兵集団”で形成されていた。

なお、ブラックミノタウロスの夜摩やまであったり、白虎の美麗みれいなど、人型になれるサーヴァント達は、“本来の姿”に戻っている。

補足として、黒龍の新羅しんらは、10Mだった全長が、倍の20Mになっていた。


[機械馬きかいうま]で駆けながら、

(神どもが割といやがるな…。)
(〝中級だけでなく下級も呼び寄せた〟ってことか。)

こう分析した紫蓮しれんが、

(ま、どれだけ揃えたところで関係ねぇけどな。)

〝ニヤリ〟と笑みを浮かべた流れで、[サムライソード]を掲げ、

りにするぞッ!!」

パーティーメンバーを鼓舞したのであった―。
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