GOD SLAYER’S

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
217 / 303
― 第五章・魔の領域 ―

第217話 海戦・後編

しおりを挟む
こちらの500万と、敵の200万が、魔法・スキル・矢を撃ち合っている。

その最中さなかに、神々は上空に集まっていた。

数は七柱である。

妖怪たちの軍艦を観察した“総大将の男神おがみ”が、

「おそらく、指揮官は、あそこに居るだろう。」
「ソヤツの首を獲れば、この状況を打開できようぞ。」

左腰の鞘から抜いた[ラージソード大剣]を掲げ、

「我に続けぇッ!!」

周囲を促したのであった…。


母船の甲板かんぱんにて。

何やら〝ピクッ〟と反応した鬼王きおうが、斜め上に視線を送る。

ここに、顔を前にして急降下して来た神どもが、それぞれにてのひらを突き出し、幅20㎝×長さ1Mの【ビーム光線】を、100本ずつ発射した。

合計すると700個である。

「ふんッ!」

鬼王が左足で床を〝ドンッ!!〟と踏んだところ、直径5M×高さ10Mの[炎の柱]が生じたのだった。

これによって、【光線】の八割ほどが焼け失せる。

範囲外だった二割ぐらいは、他の妖怪たちや、戦艦そのものにヒットした。

負傷した者らもいるが、命に危険はなさそうだ。

宙で止まった神々に対して、鬼王は、どこか呆れたように笑みを浮かべながら、

下策げさくよのぉう。」

胸元あたりで“抜剣ばっけん”する。

大きさは、柄の長さ50㎝×剣身2M×元幅30cmといったところだろう。

そんな[斬馬剣]を両手で握り、

「ぬぉりゃッ!」

おもいっきり突き出した鬼王によって、最小直径50㎝×最大直径20M×長さ50Mの【竜巻】が、一直線に放たれた。

「な?!」

この規模に驚愕した神どもは、動けずにいる。

ドオオオオォォォォ――ッ!!!!

[風の渦]に巻き込まれ、翼が〝ズタボロ〟になった七柱が、離れ離れで墜ちていく。

そのうちの二柱は、海に沈んでいった。

もはや飛べなくなっており、甲冑が重たい事から、連中は助からないだろう。

実力の差に面白味を感じなかったらしい鬼王が、

「取るに足らんな。」

眉間に軽くシワを寄せるなか、残りの五柱は、別々の船に体を叩き付けられたのである。

連中にとっては最悪なことに、どれもが[妖怪の艦]であった。


「ぐぬぅ~ッ!」

苦しそうに起き上がったのは、総大将・・・である。

武器も防具も割と破損しているみたいだ。

この男神の右側より、

「ようこそ、地獄へ。」

“狐の獣人”である櫻莉おうりが、〝ニィ〟と口元を緩める。

彼女は【武士】の鎧兜に刀を装着していた。

その左隣には、【戦士】の防具とバトルアックス戦斧を備えた“熊の獣人”ことバーガインが見受けられる。

櫻莉&バーガインと敵を挟んだ反対側より、

「“一斉攻撃”で構わないわよね?」

[餓狼がろう蒼群そうぐん]のリーダーたる“剣士のルギー”が確認した。

こういった質問に、神の正面に佇んでいる紫蓮しれんが、

「ああ。」
「早いとこ終わらせちまおう。」

と、伝えたのである。

彼の背後で臨戦態勢に入っているのは、当然、[GOD SLAYER’S]の仲間達だった―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~

やみのよからす
ファンタジー
 病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。  時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。  べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。  月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ? カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。 書き溜めは100話越えてます…

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

【完結】聖女ディアの処刑

大盛★無料
ファンタジー
平民のディアは、聖女の力を持っていた。 枯れた草木を蘇らせ、結界を張って魔獣を防ぎ、人々の病や傷を癒し、教会で朝から晩まで働いていた。 「怪我をしても、鍛錬しなくても、きちんと作物を育てなくても大丈夫。あの平民の聖女がなんとかしてくれる」 聖女に助けてもらうのが当たり前になり、みんな感謝を忘れていく。「ありがとう」の一言さえもらえないのに、無垢で心優しいディアは奇跡を起こし続ける。 そんななか、イルミテラという公爵令嬢に、聖女の印が現れた。 ディアは偽物と糾弾され、国民の前で処刑されることになるのだが―― ※ざまあちょっぴり!←ちょっぴりじゃなくなってきました(;´・ω・) ※サクッとかる~くお楽しみくださいませ!(*´ω`*)←ちょっと重くなってきました(;´・ω・) ★追記 ※残酷なシーンがちょっぴりありますが、週刊少年ジャンプレベルなので特に年齢制限は設けておりません。 ※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。 ※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。

転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】

ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
おなじみ異世界に転生した主人公の物語。 転生はデフォです。 でもなぜか神様に見込まれて魔法とか魔力とか失ってしまったリウ君の物語。 リウ君は幼児ですが魔力がないので馬鹿にされます。でも周りの大人たちにもいい人はいて、愛されて成長していきます。 しかしリウ君の暮らす村の近くには『タタリ』という恐ろしいものを封じた祠があたのです。 この話は第一部ということでそこまでは完結しています。 第一部ではリウ君は自力で成長し、戦う力を得ます。 そして… リウ君のかっこいい活躍を見てください。

処理中です...