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― 第五章・魔の領域 ―
第210話 親善
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ナーガリー達に同伴している[サガーミィー国の女性魔術士]が、
「私は、これより、お城に帰って、現状を国主様に御報告しようと思います。」
そのように述べた。
これに、
「分かりました。」
「それでは、お父様が紫蓮さんたちに授けた〝報酬に関する書状〟を持って行ってください。」
「また、こちらに戻る際には、港で待機していらっしゃる船長さんがたを連れて来てくださいませんか?」
「皆で一緒に宴を楽しみましょう。」
ナーガリーが笑顔で応じたのである……。
屋外にて。
紫蓮から“誓約書”を受け取った魔術士が、
「では、失礼します。」
【瞬間移動】によって〝シュンッ!〟と消えた。
そこに、
「おッ。」
「揃い踏みして、どうした??」
「何処かに出掛けるのか?」
ある女性が、左側より声をかけてきたのである。
見れば、二人の鬼が、こちらへと近寄ってきていた。
一人は、黄色肌かつピンク色セミロングヘアーで、背丈は168㎝といったところだろう。
彼女こそが、話しかけてきた鬼だった。
もう一人は、薄紫肌&短く刈られた黒髪の男性で、身長は165㎝くらいである。
ちなみに、どちらも、16歳前後といった感じであり、着物姿であった。
「あら??」
「あなた方は、確か、鬼王陛下の…。」
伺うナーガリーに、
「うむ!」
「妾は、第二王女の“百桃星”である!!」
「そして、脇に控えるは、妾の弟にして第二王子の“八世”だ!」
「宴会まで時間がある故、この近辺を案内してやろうかと、赴いたのだが……。」
「どうじゃ?」
「暇つぶしがてら我々と共に、城下町を廻らぬか??」
このように提案したのである。
「そうですね。」
「悪くありませんわ。」
「紫蓮さん達も、如何です?」
ナーガリーに誘われて、
「…、ま、いいだろう。」
承諾する紫蓮だった。
[石畳の道]を、いろんな妖怪が往来している。
幾つかの店を巡るなか、ナーガリーと護衛隊は目を輝かせていた。
自国から出たことのなかった彼女たちにとっては、まさに異文化であって、何もかもが珍しいようだ。
ナーガリーなどの質問に答えているのは八世である。
一方、百桃星は、[GOD SLAYER’S]に、いろいろと尋ねていた。
「江司郎を倒すとは、実に驚いたぞ!!」
「これまで、どのような鍛錬を積んできたのじゃ?!」
第二王女に聞かれ、
「まぁ、いろんな国を旅して、魔物や神々などと戦ってきたからな。」
紫蓮が返す。
「ほぉう。」
「お主らは“冒険者”であったか。」
「妾たちの兄も、かつて、南と西の大陸を旅して回り、腕を磨いておったからのう。」
「お主が強いのも納得じゃ!!」
そう伝えた百桃星が、
「して??」
「どのような冒険を経験してきたのじゃ?」
新たに訊ねる。
これをきかっけに、紫蓮たちと語らっていく第二王女は、嬉々としていた。
彼女もまた、他国に渡った事がないため、外界に興味津々となっている。
なお、陽気な性格らしい百桃星は、撫子やグーランにフゥーリカンと打ち解けるのが特に早かった……。
90分ほどの散歩を終えた一同は、城の敷地内に足を運んだ。
[貴賓館]の玄関あたりで、
「ではのッ。」
「30分後の宴で、また会おうぞ!」
そう告げて、弟を伴い去っていく第二王女であった―。
「私は、これより、お城に帰って、現状を国主様に御報告しようと思います。」
そのように述べた。
これに、
「分かりました。」
「それでは、お父様が紫蓮さんたちに授けた〝報酬に関する書状〟を持って行ってください。」
「また、こちらに戻る際には、港で待機していらっしゃる船長さんがたを連れて来てくださいませんか?」
「皆で一緒に宴を楽しみましょう。」
ナーガリーが笑顔で応じたのである……。
屋外にて。
紫蓮から“誓約書”を受け取った魔術士が、
「では、失礼します。」
【瞬間移動】によって〝シュンッ!〟と消えた。
そこに、
「おッ。」
「揃い踏みして、どうした??」
「何処かに出掛けるのか?」
ある女性が、左側より声をかけてきたのである。
見れば、二人の鬼が、こちらへと近寄ってきていた。
一人は、黄色肌かつピンク色セミロングヘアーで、背丈は168㎝といったところだろう。
彼女こそが、話しかけてきた鬼だった。
もう一人は、薄紫肌&短く刈られた黒髪の男性で、身長は165㎝くらいである。
ちなみに、どちらも、16歳前後といった感じであり、着物姿であった。
「あら??」
「あなた方は、確か、鬼王陛下の…。」
伺うナーガリーに、
「うむ!」
「妾は、第二王女の“百桃星”である!!」
「そして、脇に控えるは、妾の弟にして第二王子の“八世”だ!」
「宴会まで時間がある故、この近辺を案内してやろうかと、赴いたのだが……。」
「どうじゃ?」
「暇つぶしがてら我々と共に、城下町を廻らぬか??」
このように提案したのである。
「そうですね。」
「悪くありませんわ。」
「紫蓮さん達も、如何です?」
ナーガリーに誘われて、
「…、ま、いいだろう。」
承諾する紫蓮だった。
[石畳の道]を、いろんな妖怪が往来している。
幾つかの店を巡るなか、ナーガリーと護衛隊は目を輝かせていた。
自国から出たことのなかった彼女たちにとっては、まさに異文化であって、何もかもが珍しいようだ。
ナーガリーなどの質問に答えているのは八世である。
一方、百桃星は、[GOD SLAYER’S]に、いろいろと尋ねていた。
「江司郎を倒すとは、実に驚いたぞ!!」
「これまで、どのような鍛錬を積んできたのじゃ?!」
第二王女に聞かれ、
「まぁ、いろんな国を旅して、魔物や神々などと戦ってきたからな。」
紫蓮が返す。
「ほぉう。」
「お主らは“冒険者”であったか。」
「妾たちの兄も、かつて、南と西の大陸を旅して回り、腕を磨いておったからのう。」
「お主が強いのも納得じゃ!!」
そう伝えた百桃星が、
「して??」
「どのような冒険を経験してきたのじゃ?」
新たに訊ねる。
これをきかっけに、紫蓮たちと語らっていく第二王女は、嬉々としていた。
彼女もまた、他国に渡った事がないため、外界に興味津々となっている。
なお、陽気な性格らしい百桃星は、撫子やグーランにフゥーリカンと打ち解けるのが特に早かった……。
90分ほどの散歩を終えた一同は、城の敷地内に足を運んだ。
[貴賓館]の玄関あたりで、
「ではのッ。」
「30分後の宴で、また会おうぞ!」
そう告げて、弟を伴い去っていく第二王女であった―。
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