GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第五章・魔の領域 ―

第191話 巡り巡りて・急

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敵軍が退却し、いくさが終結した。

日が暮れたこともあって、オワ-リン側は、各自、テント(ゲル)を張り、夕食の準備に取り掛かろうとしている。

そのような光景のなか、既に武装を解いている[鮮紅せんこうの豹一団]と[GOD SLAYER’S]とが、野外で改めて対面していた。

近くには、かおる・ウィヴ・バウン・イザッドなどの遺体が、丁寧に置かれている。

どれもが、布で綺麗にくるまれているようだ。

紫蓮しれん来夢らいむ権蔵ごんぞうをマジマジと見た弥太郎やたろうが、

「いろいろと変わったな。」

懐かしそうに目を細める。

「そっちも、知らない顔が増えているな。」

こう返した紫蓮に、

「ん??」
「ああ、君らと別れてから、新しいメンバーを幾らか入れたからね。」
「まぁ、結局、ボクの所為で、仲間の四割ぐらいが亡くなってしまったけど…。」

説明したラーザが、肩を落とす。

生き残っているのは、人間が15数と、サーヴァントが10体だ。

その半分ほどは、紫蓮との面識がない。

重たくなった場の空気を変えようと、

「にしても、紫蓮。」
「大きくなったねぇ~。」
「一緒に旅していた頃は、こんなだったのに。」

ラットが、両手で宙に“球体”を形作かたちづくった。

このジェスチャーに、

「それは来夢だ。」
「俺じゃねぇ。」

紫蓮がツッコんだところ、多くの者が〝ドッ!!〟と笑ったのである。

雰囲気が良くなったのを感じた秀嗣ひでつぐが、

「で? ラーザ。」
「今回は、何故、こういった戦いに参加したんだ??」
「珍しく。」

そのように尋ねたら、

「あー、……、それは、だな…。」

[赤髪の団長]が口ごもった。

再び全員が静まったタイミングで、

「お嬢様。」

横から男性が声をかけてきたのである。

みなが視線を送ったら、鎧姿の兵士たちが5人ぐらい佇んでいた。

なお、兜は脱いでいるみたいだ。

集団の先頭には、背丈が170㎝あたりで、60代半ばくらいの男が立っている。

ちなみに、オールバックの髪と、眉に、髭は、白い。

隊長格であろうこの男性が、

「戦場で貴女様を見かけたとの報告があり、探しておりました。」
ラーザお嬢様・・・・・・。」

こう述べるのと共に頭を下げ、背後に控えている兵士らが会釈した。

それには、

「は?」
「……、お嬢様ぁあッ?!」

弥太郎達が驚き、紫蓮なども目を丸くしたのである。

「うぅ~ッ。」
「とうとうバレてしまったか…。」

ばつが悪そうにして、

「黙っていて、すまない。」

謝ったラーザが、

「いつか言うつもりではいたんだが……、実のところ、ボクは、オワ-リン国主の娘なんだ。」

このように知らせるのだった―。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

涼音すずねのサーヴァント達

九尾きゅうびの白狐
人型の女性への変化へんげが可能に
その際の身長は170㎝くらいで、背中あたりまでの髪・頭上の耳・九つの尻尾は白く、手から肘に掛けてと、足から膝に掛けては、人間っぽいものの、狐の特徴を残している
顔立ちは綺麗系
ジョブは【弓術士】
武器は“弓矢”
スキルは[狐火][風撃]

メスのラミア
上半身の人間の部分は70㎝のままで、5Mだった下半身の蛇の部分は10Mに
人型の女性への変化へんげが可能に
その際の身長は175㎝くらいで、背中あたりまでの髪は腰ぐらいまで伸びており、二本の脚は〝緑色の鱗〟で覆われている
顔立ちはクールビューティー
ジョブは【武闘家】
武器は“ほこ
スキルは[地撃]

オスの鎌鼬かまいたち
変わりなし
身長は150㎝のまま
ジョブは【武士】
武器は“鎖鎌くさりがま
スキルは[風撃]

オスのワーウルフ(狼の獣人)
ほぼ変わりなし
170㎝の身長は180㎝に
ジョブは【騎士】
武器は“ラージソード大剣
スキルは[氷撃]

朱雀すざく
5Mだった全長は10Mに
“人型”への変化へんげが可能に
見た目は二足歩行の赤鳥せきちょうで、身長は185㎝くらいとなり、両腕と、翼を、有する
ジョブは【剣士】
武器は“中剣”
スキルは[火炎]
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