GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第四章・西陸行路 ―

第169話 逆撃・其之伍

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[GOD SLAYER’S]は敵兵どもと乱闘になっている。

迫りくる兵士などを蹴散らした[岩石ゴーレム]が、急降下する神に気付き、自身のマスターであるタリアノの真後ろに接近した。

この流れで、神の顔面へと、右のこぶしを繰り出す。

「むッ!!」

首を捻って躱した男神おがみが、一旦、体勢を整え直そうとする。

そこを、左側面から、マンティコアが噛み付きに掛かるも、

「くぅッ!」

神は素早く後退して難を逃れた。

マンティコアは、つい先程までハーピーにキラービーといった翼や羽を有する敵のサーヴァント5体ぐらいと空中戦を演じていたが、これらを死滅させて飛んできたようだ。

それなりに離れて、

「煩わしいヤツラめ。」
「……、まずは、連中から片付けるとするか。」

攻撃する対象を変えようとしていた男神の背に、〝ドドドドドドドッ!!〟とビームライフルがヒットする。

「が、あッ?!」

痛がった神が、

「何事だ??」

顔だけ振り返って見たところ、[鷹のロボット]が新たに照準を合わせようとしていた。

「これは…、機械か?」

男神は少なからず困惑するも、

「なんであれ、我に傷を負わせたこと、後悔させてくれるわッ!」

左へ反転するのと共に、[ラージソード大剣]を叩きつけようとする。

ここへ、一本の“ビーム”が放たれ、神の腹部を貫通した。

それ・・は、地上のスリアが、三輪バイクの“トライク”に乗ったまま、[銃剣ライフル]から発射したものである。

「ぐふッ!!」

よろめいた男神が、

「おのれ。」
「奇妙な武器の女め、殺してくれようぞ!」

怒りを露わにした。

この背中に、最大幅1M×長さ2Mの“歪なクリスタル形の氷”が、

ズドォンッ!!

と、ぶつかる。

どうやら、[機械馬きかいうま]に跨っているタリアノが魔法を展開したらしい。

それによって傷口が開いた神は、より一層に流血し、ふらついていた。

この間に、スリア/ランソワ/ルウェ―/涼音すずねとサーヴァント達が、“タリアノ班”の所へと集結してくる。

彼女たちは、それぞれに戦っていた敵を全て倒したようだ。

「虫ケラどもが、生意気にも我に勝てるつもりでおるか!?」

〝ギリッ!〟と歯軋りした男神が、上昇していき、地面から10Mくらいの位置で止まって、

「後悔させてくれるわッ。」

左のてのひらで直径3Mの魔法陣を構築した。

「!!」
「皆さん、散ってください!」

タリアノが知らせたのと殆ど同時に、幅20㎝×長さ1Mで白い【光線ビーム】が100本ほど降り注いだ。

雪と土とが埃になって舞い広がるなか、

「きゃッ!!」

「うぐッ!」

といった声が、幾つも聞こえてくる。

「どやつも、下等生物の割には、よくやった。」
「称賛を込めて、これ・・で終わらせてやる故、光栄に思うが良い。」

眼下に向けて呟きつつ、再び魔法陣を築いていく神であった―。
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