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― 第四章・西陸行路 ―
第168話 逆撃・其之肆
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総大将たる利通の命令にて、ミーノン軍“中央隊”の二列目と三列目も押し上がっていく。
一方、紫蓮たちの眼前の神が、直径3Mの魔法陣を構築した。
それを目視した涼音が再び【結界】を施す。
ほぼ同時に、神が、幅20㎝×長さ1Mで白い【光線】を、魔法陣から百本ほど〝ビュン! ビュン!ビュン! ビュン!〟と乱射したのである。
[結界]で守られているなかで、
「アイツの背後に居るのは…、“親衛隊”か。」
紫蓮が呟く。
確かに、この神の後ろには、馬に跨った騎士が100数ぐらい見受けられた。
またしても直径3Mの魔法陣を展開させた神が、今度は、それと同じ大きさの[光線]を〝ドォウッ!!〟と放つ。
だが、この“ビーム”も、涼音の[結界]が阻んだ。
そうした状況下で、紫蓮が、[ブレスレット]の“通話機能”にて、
「これで、あの神は、どちらの能力も暫く使えない。」
「おそらく、2分30秒は。」
「今のうちに総攻撃を仕掛けるが、親衛隊どもが立ちはだかってくるだろうから……、まとめてブッ倒すぞ!」
と、一斉に伝える。
「結界、解きます!!」
涼音に続き、
「冥護!」
ルウェーが発動した。
なお、[GOD SLAYER’S]における“人間”のクール(リキャスト)タイムは、4分である。
サーヴァント達は、4分30秒~5分と、個体差があるようだ。
ちなみに、撫子の【影分身】は一人から二人に増えていた。
〝本人を含めれば三人〟という計算になる。
ただし、“影分身”のクールタイムは、もともと2分30秒だったのが3分となっていた。
なんでも、出現させられる分身の数が増加するにつれて、リキャストタイムが延びていくらしい。
何はともあれ。
紫蓮の合図で、[ゴッド・スレイヤーズ]が駆け出した。
これに呼応して、敵兵が向かってくる。
左利きのグーランが、“機械馬”に乗ったまま、
「邪魔だぁあ――ッ!!」
バンプレート(護拳)状のランスを、[神の親衛隊]へと、突き出す。
それによって、最小幅10㎝×最大幅50㎝×長さ5Mといった【風の渦】が、前方へと一直線に飛んでいく。
どうやら、[武器伝導]を用いたらしい。
フゥーリカンは【地撃】を、ランダ―が【氷撃】を、ペイニーは【炎撃】を、扱っている。
また、各自のサーヴァントらも、スキルを発した。
これらの攻撃にて“親衛隊”が崩れていくなか、他の面子は[神]を狙う。
それぞれが魔法やスキルを放ち、スリアとロボットたちは“ビーム”を飛ばす。
しかし、神が上空10M程へと逃れた事で、どれもこれもが敵の後続部隊に直撃したのである。
紫蓮が、神を睨みながら、
(あん時みたいに、足を活用するか。)
[南陸第十神国]での戦闘を思い出す。
そこへ、
「飛行できるサーヴァントやロボットを、神に対応させましょう。」
タリアノが“通話”で仲間に提案した。
了解したメンバーが指示を送ろうとしているなか、
「あの“魔術士”が連中の頭脳といったところか…。」
[大剣]を抜いた“男神”が、
「で、あれば、真っ先に殺しておくとしよう。」
このように定めて、得物を襲う鳥かのように〝ギュンッ!〟と急降下したのである。
タリアノの心臓を、剣で刺すべく―。
一方、紫蓮たちの眼前の神が、直径3Mの魔法陣を構築した。
それを目視した涼音が再び【結界】を施す。
ほぼ同時に、神が、幅20㎝×長さ1Mで白い【光線】を、魔法陣から百本ほど〝ビュン! ビュン!ビュン! ビュン!〟と乱射したのである。
[結界]で守られているなかで、
「アイツの背後に居るのは…、“親衛隊”か。」
紫蓮が呟く。
確かに、この神の後ろには、馬に跨った騎士が100数ぐらい見受けられた。
またしても直径3Mの魔法陣を展開させた神が、今度は、それと同じ大きさの[光線]を〝ドォウッ!!〟と放つ。
だが、この“ビーム”も、涼音の[結界]が阻んだ。
そうした状況下で、紫蓮が、[ブレスレット]の“通話機能”にて、
「これで、あの神は、どちらの能力も暫く使えない。」
「おそらく、2分30秒は。」
「今のうちに総攻撃を仕掛けるが、親衛隊どもが立ちはだかってくるだろうから……、まとめてブッ倒すぞ!」
と、一斉に伝える。
「結界、解きます!!」
涼音に続き、
「冥護!」
ルウェーが発動した。
なお、[GOD SLAYER’S]における“人間”のクール(リキャスト)タイムは、4分である。
サーヴァント達は、4分30秒~5分と、個体差があるようだ。
ちなみに、撫子の【影分身】は一人から二人に増えていた。
〝本人を含めれば三人〟という計算になる。
ただし、“影分身”のクールタイムは、もともと2分30秒だったのが3分となっていた。
なんでも、出現させられる分身の数が増加するにつれて、リキャストタイムが延びていくらしい。
何はともあれ。
紫蓮の合図で、[ゴッド・スレイヤーズ]が駆け出した。
これに呼応して、敵兵が向かってくる。
左利きのグーランが、“機械馬”に乗ったまま、
「邪魔だぁあ――ッ!!」
バンプレート(護拳)状のランスを、[神の親衛隊]へと、突き出す。
それによって、最小幅10㎝×最大幅50㎝×長さ5Mといった【風の渦】が、前方へと一直線に飛んでいく。
どうやら、[武器伝導]を用いたらしい。
フゥーリカンは【地撃】を、ランダ―が【氷撃】を、ペイニーは【炎撃】を、扱っている。
また、各自のサーヴァントらも、スキルを発した。
これらの攻撃にて“親衛隊”が崩れていくなか、他の面子は[神]を狙う。
それぞれが魔法やスキルを放ち、スリアとロボットたちは“ビーム”を飛ばす。
しかし、神が上空10M程へと逃れた事で、どれもこれもが敵の後続部隊に直撃したのである。
紫蓮が、神を睨みながら、
(あん時みたいに、足を活用するか。)
[南陸第十神国]での戦闘を思い出す。
そこへ、
「飛行できるサーヴァントやロボットを、神に対応させましょう。」
タリアノが“通話”で仲間に提案した。
了解したメンバーが指示を送ろうとしているなか、
「あの“魔術士”が連中の頭脳といったところか…。」
[大剣]を抜いた“男神”が、
「で、あれば、真っ先に殺しておくとしよう。」
このように定めて、得物を襲う鳥かのように〝ギュンッ!〟と急降下したのである。
タリアノの心臓を、剣で刺すべく―。
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