GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第四章・西陸行路 ―

第147話 ゴーレム・改

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現場がピリついていくなか、

「なんでぇい? なんでぇい??」
「どいつもこいつも仕事ほっぽりだしやがって。」
「一体なんの騒ぎだ!?」

初老の男が近づいて来る。

身長は160㎝くらいだろう。

短めの髪に、鼻の下と顎の髭は、割と白い。

この男性に、

「久しぶりだな、棟梁。」
「会ったのは2~3年前か?」

フゥーリカンが声を掛けた。

「ん~??」

眉間にシワを寄せつつ、目を細めた相手に、

「なんだ忘れちまったのかよ?」
「城を改修する際に、上質な岩を運んでくれただろ、何回かに分けて。」
「そん時に会ってるんだが。」

フゥーリカンが伝える。

その言葉で〝ハッ!〟と思い出した男が、

「これはこれは、国主様の、お孫さんでしたか。」
「あの頃より成長なさってたんで、すぐには分からず、失礼しやした。」

会釈する流れで、

「おめぇら、が高けぇぞ!!」

部下を一括し、お辞儀させた。

「いや、そういう堅っ苦しいのはいいから、らくにしてくれ。」

優しく接するフゥーリカンによって、

「へ、へぇ。」
「それじゃあ、失礼して。」

親方を始め、姿勢を戻す石工達であった。


作業員らの本部として使っているのだというテント(ゲル)内にて、

「加工する前の“天然岩”ですかい??」

棟梁が不思議がる。

このような注文は殆どないらしい。

「ええ。」
「代金を支払いますので、譲っていただけませんでしょうか?」

伺うタリアノに、

「まぁ、無料タダじゃねぇんなら、構いませんぜ。」
「うちとしては。」

親方が笑顔で承諾してくれた。


改めての外で。

大・中・小の様々な“岩石”を確認していくタリアノだった……。


採石場から北へと二時間ほど進んだあたりで日が暮れたので、一向はテントを張ったようだ。

1Fのエントランスでは、[樹木人形ウッドゴーレム]の正面で、両のてのひらを突き出したタリアノが、何やら〝ブツブツ〟と呪文を唱えている。

みなが見守るなか、ウッドゴーレムの全身が〝カッ!〟と光った。

次の瞬間。

バラバラになった樹木が、体内に納められていた“魔鉱石”と共に、床に落下する。

直径25㎝ぐらいの球体である透明な魔鉱石を両手で掴んだタリアノが、自分の胸の高さで魔力を注いでいく。

それ・・が虹色に変化したところで、側に置いておいた幾つもの岩に近づけた。

すると。

タリアノの手を離れ、宙に浮いた魔鉱石に、岩と石が纏わりついていき、人型になったのである。

身長は5Mあるようだ。

全体的に〝ゴツゴツ〟している。

顔にあたる部分には、事前に棟梁に頼んで、両目を刻んでもらっていた。

これらは横向きで細長に窪んでいる。

何はともあれ。

完成した[岩石ゴーレム]に、

「おおーッ!!」

「すっげぇ!」

「やるな、タリアノ!!」

「なかなかカッケェじゃん!」

などと盛り上がる[GOD SLAYER‘S]だった―。
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