GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第四章・西陸行路 ―

第140話 荒城での悲喜

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鈴音すずねが【結界】を解き、[GOD SLAYER’S]と[PEACE MAKER’S]が、モンスター達に攻撃を仕掛けていく。

討伐隊も、これに続き、二体の[成れの果て]を残した魔物どもを倒すことが出来た。

その際に、15名の討伐者が新たに亡くなったようだ。


既に日は沈みきっている。

満月と星々が闇夜を照らすなか、

「あとは、アイツらを、どうするかだな。」

静止している[成れの果て]たちを見ながらグーランが呟く。

左手を顎に添えて〝ふむ〟と考えたタリアノが、

「魔法とスキルを一斉に当てるのは如何でしょう?」
「ただし、混乱や幻覚などは“成れの果て”を暴走させてしまうと、聞いた事がありますので、控えるのが良いかと思われます。」

このように提案した。

「成程。」

それを受け入れた紫蓮しれんが、

「直接ダメージを負わせられる系統のみ、準備を整えてくれ。」
「まずは、宙に浮いている奴を狙うぞ。」

仲間に告げる。

これによって、来夢らいむ/ペイニーのサーヴァントであるポイズンスライム/タリアノのところの樹木人形ウッドゴーレム/グーランのところのワーバット&モスマン/ランソワのところのアルラウネは、待機することになった。

それ以外の面子が、いつでも発動できるようになったのを確認し、

てぇえッ!!」

紫蓮が号令を下す。

これに合わせて、雷・風・水・氷・地・火炎・神火・狐火といったスキルおよび魔法が、“元ガーゴイル”へと飛んでいく。

ズババババァ――――ッ!!!!

それらの全てがヒットして、

「グギャッ!」

苦痛に顔を歪めた[成れの果て]が、

バシュッ!!

粒子になって消滅し、現れた魔石が地面に落下する。

この一連に、討伐隊が〝おお――ッ!〟と声をあげた。

「うぅ~む。」
「そういう手があるのか…。」

“目から鱗”といった感じの隊長格が、

「ならば。」
「残りの一体は、我々がほふろうぞッ!」

と、宣言する。

「じゃあ、俺らは、観戦するとしよう。」

紫蓮に促され、パーティーメンバーと、六人組の少年少女が、それなりに離れていった。

ちなみに、紫蓮のところ以外のサーヴァントは、今までの戦闘に加え、“元ガーゴイル”を倒した事で、進化している。

一方、討伐チームは、慎重に“元トロール”を包囲していく。

みな、いいか!?」

周りを見渡した隊長が、

「放ってぃッ!!」

合図を送り、四方八方からスキルと魔法が[成れの果て]に浴びせかけられた。

「グッ!」

それらが直撃した“元トロール”が左膝を着く。

このまま息絶えるだろうと、討伐隊の気が緩んだところに、敵が直径4Mの魔法陣を構築した。

「なッ?!」

正面にいた者たちが驚くなか、

ドォオウッ!!

またしても、紫色の【光線ビーム】が一直線に発射されてしまったのである。

30数ぐらいの討伐者が命を失うなか、うつ伏せで倒れた[成れの果て]が、跡形もなく消えてゆく。

どうやら、最後の力を振り絞っての反撃だったようだ。

それに安堵した討伐チームの多くが〝ヘナヘナ〟と座り込む。

金髪の少年騎士であるロンド―が、

「勝った、んだよな??」

半信半疑で尋ね、

「ああ。」

紫蓮が頷く。

これにて、

「おっしゃあ――ッ!!!!」

拳を突き上げたり、抱きしめ合って、はしゃぐ、[ピースメーカーズ]であった―。
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