GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第四章・西陸行路 ―

第139話 気勢

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[ピースメーカーズ]のみの“配置”は、こうである。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

               少年騎士のロンド―

     少女武闘家のルーシャ         少年戦士のヌラーバ

               少女弓術士の真凪

    少女魔法使いのララベーリャ       少年クレリックの悟

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

金髪少年騎士の右斜め前から飛んできた【光線ビーム】は、彼の心臓を貫通して〝スッ〟と消えたようだ。

負傷したロンド―が仰向けで倒れてゆくのと、鈴音すずねが【結界】を張ったのは、ほぼ同時であった。

地面に背中を打ち付けた金髪少年騎士が、

「がはッ!」

口から血を吐く。

「ロンドーッ!!」

顔面蒼白になりながら我先に駆けだしたのは、茶髪セミロングのウィッチ魔女であるララベーリャだ。

茶髪坊主の少年戦士ことヌラーバが、後ろを振り向いて、

さとる!」
「“治癒魔法”を!!」
「おそらく“ポーション”を飲ませようとしても喉が受け付けないだろうから!」

このような指示を出したのである。

見れば、ロンド―は、〝ガハッ! ゴホッ!!〟と咳き込んでいた。

「う、うん!」

黒髪ショートヘアの少年クレリックが走っていき、少年騎士の頭の側で両膝を着く。

その流れで、

「ブレスト・レイン!!」

こう唱えて、【恵みの雨】を発動した。

降り注ぐ“水色のシャワー”を浴びたロンド―が、

「ぶはぁあ――ッ!」

大きく呼吸するのと共に、上半身を〝ガバァッ〟と起こす。

「あっぶねぇ~!」
「死ぬかと思った…。」

一命を取り止めた彼に〝ホッ〟としたララベーリャが、

「良かったぁ。」

安堵のあまり〝ヘナヘナ〟と脱力していくのを、近くに居た赤髪ボブショートの少女武闘家ことルーシャが両手で支える。

「皆、心配かけちまって悪かったな。」

立ち上がった金髪少年騎士に、

「安全な場所まで後退するか?」

紫蓮しれんが声を掛けた。

それに対して、

「いや、そんなことしたら、“男がすたる”っすよ、兄貴。」
「俺だったら大丈夫なんで、このまま戦うッス!!」

ロンド―が決意を表明した。

「おっし!」
「〝そうこなくっちゃ〟だよなッ!!」

笑みを浮かべたのはグーランである。

二人は互いに【騎士】である事から、師弟関係が強まったらしい。

あと、脳内および性格が割と似ているという点においても、絆を深めたようだ。

黒髪ボブの少女弓術士こと真凪まなが、

「それにしても……、鎧を貫くだなんて、あの光線は、結構な威力なんですね。」

こう述べたところ、

「神をしょくして得た力なので、“それ相応”と言えますね。」
「当然、神々の個体差によって異なるでしょうし…、もっと頑丈な防具であれば、穴を開けることなど出来なかったかもしれません。」

タリアノが分析した。

紫蓮が周囲を見回した後に、

「こっから反撃といくが……、改めて、覚悟はいいな?!」

全員に確認する。

それによって、

「うむ!」

「おう!!」

「ええ!」

「うっス!!」

「はい!」

誰もが真剣な表情へと変わっていった―。
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