GOD SLAYER’S

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
134 / 294
― 第四章・西陸行路 ―

第134話 真夏を往く

しおりを挟む
紫蓮しれんたちは、[イッズーモの首都]の北門を目指している。

この道中、撫子なでしこが、

「なぁ、ランソワ。」
「あくまで素朴な疑問なのだが…。」
「そなたの一族は“エルフの血筋”なのか??」

と、尋ねた。

それに、

「はい。」
「私の、お祖母ばあ様が、エルフとの“クォーター”ですので。」

ランソワが答える流れで、寿命に関して教えてくれる。

例えば……、“純血のエルフ”は800~1000年は生きるのだそうだ。

ハーフのいち生涯は400~500年で、クォーターは200~250年といったとこらしい。

クォーターの子や孫は生きたとしても100~150年なのだそうだ。

無論、純血であれ、混血であれ、病や戦などで短命に終わる者もいるとの話しであった。

グーランの、

「でも、まぁ、通常であれば人間よりも長く生きられるんだろ。」
「それって、幸せなことだよなぁ。」

との発言に、

「どうでしょうか?」

軽く首を傾げたランソワが、

「お祖母様は、私などよりも長寿のため、ご自身の子孫が先に旅立つのを見送らねばなりません。」
「それは、きっと、辛く悲しい事でしょう。」

寂しげに胸中を吐露とろしたのである。

暫しの沈黙のあと、

「今のは、完全に、あんたが悪いわよ、グーラン。」

ペイニーが口を開き、涼音すずねが、

「確かに、そうですね。」

同意した。

「いや、その、悪気は無かったんだけど…、すまなかった!」

グーランが頭を下げ、

「いえいえ、私の方こそ、皆さんを暗くさせてしまったようで、申し訳ございません。」

ランソワも謝る。

「ん~、これは、あれだな。」
「お詫びのしるしとして、今日の晩ご飯は、グーランの奢りということで手を打とう!!」
「当然、全員分!」

撫子の提案に、

「なんでだよ!?」
「ランソワだけ……、いいや、出したとしてランソワのサーヴァント達まで、だろッ!!」
「お前らは割り勘にすべきだ!」

グーランが主張する。

「ふッ、男らしくないのぉう。」
「年長者だというに、器が小さいわッ!!」

撫子が挑発したところ、

「なにをッ!」
「上等だ!!」
「まとめて支払ってやらぁッ!」

乗ってしまい、

「あ!!」
「しまった…。」

我に返って後悔するグーランに、誰もが笑う。

ペイニーと涼音による、

「単純よねぇ~。」

「ええ、本当に。」

との喋り声が聞こえてくるなか、

「だいぶ賑やかになりましたね。」

タリアノが述べ、

「ああ、そうだな。」

紫蓮が、にこやかに頷く……。


都を出た紫蓮らは、“北西”に位置する[イナバ―ン国]へと進路を取っていた。

その国の北隣に[ハーリマー国]が在るため。

つまり、[ピース・メーカーズ]の目的地であるハーリマーに辿り着くには、イナバ―ンを通過する必要があるのだ。

何はともあれ、時折、襲ってくる賊や魔物どもを蹴散らしながら、紫蓮達は冒険を続けていく。

ランソワは、戦闘の際に、グリーンを基調とした“エルフ服”と、白銀のサークレット/胸当て/肘当て/籠手/膝当て/脛当て、といった装備になる。

武器は、弓の上部に“槍の穂(刀身)”が付属している[弭槍はずやり]だ。

ランソワが弓を構えて弦を引くと、何も無かった場所からオレンジ色とホワイト色が入り混じったかのような“矢”が出現する。

この“不思議な矢”が、生命体や物質に当たると、[爆発]を起こす。

範囲は、直径2.5Mのようだ。

今のところは。

また、槍の部分で突かれたり斬られたりしても、爆発が発生する。

規模は小さめだが。

いずれにしろ、黒髪ボブの少女こと真凪まなは、ランソワに稽古をつけてもらうようになって、弓矢の腕前が上達しているみたいだ。

そんなこんなで、夏の日差しが強まっていくなか、こまめに休憩を取りつつ、旅路を進んでいく紫蓮たちであった―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜

自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成! 理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」 これが翔の望んだ力だった。 スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!? ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。

小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です  2024年6月中旬に第一巻が発売されます  2024年6月16日出荷、19日販売となります  発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」 中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。 数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。 また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています 戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています そんな世界の田舎で、男の子は産まれました 男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました 男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります 絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて…… この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです 各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

処理中です...