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― 第四章・西陸行路 ―
第120話 沖にて・其之壱
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[南の大陸]から[西の大陸]へと船で渡るには、最低でも10日は要するそうだ。
雨や風の影響で波が荒れた場合は、15日以上かかるらしい。
小型や中型の船だと、2~3倍の日数となる。
[ゴッド・スレイヤーズ]が港で会った男性の船は大型なので、〝10日ぐらいで目的地に到着する〟との話しだった。
この船には、乗組員たち用の部屋と、貿易品を収納しておく船倉に、250数の客室が設けられている。
客室の内訳は…、六畳の“二等室”が65部屋/十二畳の“一等室”が50部屋/十八畳の“準特級室”が25部屋/二十四畳の“特級室”が10部屋とのことだ。
二等室は全て“シングル”である。
それ以外の部屋には、“シングル”と“ツイン”が用意されていた。
今回の乗客は150数といったところらしい。
紫蓮ら人間は、それぞれに“準特級室”を使わせてもらっている。
サーヴァント達は、主に“一等室”だ。
ただし、黒龍の“新羅”や、黒ミノタウロスの“夜摩”など、体が大きい者たちは、“特級室”を一つあてがってもらい、共有していた。
ちなみに、彼らは、ベッドのサイズが合わないので、床で寝ており、新羅あたりは蜷局を巻いている。
テント(ゲル)を張れるのであれば、“シングルの準特級室”を一つ借りるだけで事足りたのだが…、固定する為の杭を、床に打ち付けるわけにはいかないので、各部屋に宿泊していた…。
そんなこんなで、出港してか七日が過ぎている。
海にも魔物が生息しており、たまに現れていた。
なかでも、水陸両用の、サハギンや蟹型と亀型が、甲板に乗り込んできがちだ。
蟹型と、亀型は、おおよそ1.5Mの大きさである。
個体差はあるが。
いずれにしろ、海上を往来するときは、これらに備えて、冒険者を雇うのが常らしい。
今回は、20人組のパーティーが、そのクエストを受注しており、対応している。
年齢は、20代半ば~60代前半までと、様々のようだ。
紫蓮らは〝自分たちも一緒に戦おうか?〟と申し出たものの、船長に〝いや、君達は、恩人であり客人だから、加わらなくていい〟〝船旅を、ゆっくりと満喫してくれ〟と断られていた。
その結果、暇を持て余した[GOD SLAYER‘S]と六人の少年少女は、朝と昼の一回ずつ、甲板にて、鉄製の武器で鍛錬するのが日課になったみたいだ。
茶髪セミロングの魔女であるララベーリャと、黒髪ショートヘアーのクレリックである悟は、タリアノや涼音などから魔力の流し方を教わっている。
スキルと魔法は似て非なるものらしい。
魔法を発動するためには、魔法陣を構築しなければならない。
未熟だと上手く展開できず、魔法の威力が減少してしまう。
しかし、高度な構築が出来れば、スキルよりも強力になるのだそうだ。
これを可能にするには、魔力を、正確かつ素早く魔法陣に流せるかが“カギ”になってくるらしい。
そのための実習である。
他の面子には、同じジョブのサーヴァント達が修行をつけていた。
例えば、金髪の騎士であるロンドーは、主に、ホブゴブリンになった権蔵・涼音のところのワーウルフ(狼の獣人)・ペイニーのところのポイズンスライム・タリアノのところのリザードマンが、指導してくれている。
このように、茶坊主の戦士であるヌラーバ/赤髪ボブショートの武闘家であるルーシャ/黒髪ボブの弓術士である真凪も、それぞれのチームに分かれて稽古をつけていた。
時には、〝攻撃や防御の仕方が異なるジョブにも慣れおいたほうがいい〟との理由で、ジョブが違う者たちが相手をしている。
他に、紫蓮らのパーティー内で、1対1の試合を行ってもいるみたいだ。
ただ、海の魔物が出現した際には、バトルの邪魔にならないように移動して、見守ることにしていた。
なにはともあれ、[ビィーゼェーン国]への航路は順風である。
今のところは―。
雨や風の影響で波が荒れた場合は、15日以上かかるらしい。
小型や中型の船だと、2~3倍の日数となる。
[ゴッド・スレイヤーズ]が港で会った男性の船は大型なので、〝10日ぐらいで目的地に到着する〟との話しだった。
この船には、乗組員たち用の部屋と、貿易品を収納しておく船倉に、250数の客室が設けられている。
客室の内訳は…、六畳の“二等室”が65部屋/十二畳の“一等室”が50部屋/十八畳の“準特級室”が25部屋/二十四畳の“特級室”が10部屋とのことだ。
二等室は全て“シングル”である。
それ以外の部屋には、“シングル”と“ツイン”が用意されていた。
今回の乗客は150数といったところらしい。
紫蓮ら人間は、それぞれに“準特級室”を使わせてもらっている。
サーヴァント達は、主に“一等室”だ。
ただし、黒龍の“新羅”や、黒ミノタウロスの“夜摩”など、体が大きい者たちは、“特級室”を一つあてがってもらい、共有していた。
ちなみに、彼らは、ベッドのサイズが合わないので、床で寝ており、新羅あたりは蜷局を巻いている。
テント(ゲル)を張れるのであれば、“シングルの準特級室”を一つ借りるだけで事足りたのだが…、固定する為の杭を、床に打ち付けるわけにはいかないので、各部屋に宿泊していた…。
そんなこんなで、出港してか七日が過ぎている。
海にも魔物が生息しており、たまに現れていた。
なかでも、水陸両用の、サハギンや蟹型と亀型が、甲板に乗り込んできがちだ。
蟹型と、亀型は、おおよそ1.5Mの大きさである。
個体差はあるが。
いずれにしろ、海上を往来するときは、これらに備えて、冒険者を雇うのが常らしい。
今回は、20人組のパーティーが、そのクエストを受注しており、対応している。
年齢は、20代半ば~60代前半までと、様々のようだ。
紫蓮らは〝自分たちも一緒に戦おうか?〟と申し出たものの、船長に〝いや、君達は、恩人であり客人だから、加わらなくていい〟〝船旅を、ゆっくりと満喫してくれ〟と断られていた。
その結果、暇を持て余した[GOD SLAYER‘S]と六人の少年少女は、朝と昼の一回ずつ、甲板にて、鉄製の武器で鍛錬するのが日課になったみたいだ。
茶髪セミロングの魔女であるララベーリャと、黒髪ショートヘアーのクレリックである悟は、タリアノや涼音などから魔力の流し方を教わっている。
スキルと魔法は似て非なるものらしい。
魔法を発動するためには、魔法陣を構築しなければならない。
未熟だと上手く展開できず、魔法の威力が減少してしまう。
しかし、高度な構築が出来れば、スキルよりも強力になるのだそうだ。
これを可能にするには、魔力を、正確かつ素早く魔法陣に流せるかが“カギ”になってくるらしい。
そのための実習である。
他の面子には、同じジョブのサーヴァント達が修行をつけていた。
例えば、金髪の騎士であるロンドーは、主に、ホブゴブリンになった権蔵・涼音のところのワーウルフ(狼の獣人)・ペイニーのところのポイズンスライム・タリアノのところのリザードマンが、指導してくれている。
このように、茶坊主の戦士であるヌラーバ/赤髪ボブショートの武闘家であるルーシャ/黒髪ボブの弓術士である真凪も、それぞれのチームに分かれて稽古をつけていた。
時には、〝攻撃や防御の仕方が異なるジョブにも慣れおいたほうがいい〟との理由で、ジョブが違う者たちが相手をしている。
他に、紫蓮らのパーティー内で、1対1の試合を行ってもいるみたいだ。
ただ、海の魔物が出現した際には、バトルの邪魔にならないように移動して、見守ることにしていた。
なにはともあれ、[ビィーゼェーン国]への航路は順風である。
今のところは―。
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