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― 第三章・南陸行路 ―
第119話 いさかい
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[GOD SLAYER‘S]と、六人組の少年少女は、砦から南に在る“港町”へと向かっていた。
その道中で、こないだ[討伐連合隊]の遺体を埋葬した丘に立ち寄り、女性陣が摘んできていた花を手向け、合掌する。
祈りを終えたところ、ロンド―(金髪の少年騎士)が、
「お墓は作ってもらえねぇのかな?」
「人情として、さ。」
独り言かのように、述べた。
これに対して、タリアノが、
「昨夜、グリューさんが、東の町の“副町長”に、お願いしていましたよ。」
「その結果、〝慰霊碑を建ててもらえるよう、上の方々に申請する〟と、約束してくださっていました。」
と、告げる。
それを聞き、
「そっか…。」
「じゃあ、良かった。」
ロンド―が喜んだ。
砦を出発してから、およそ一時間が経つ頃に、紫蓮達は、港町に到着した。
「とりあえず……、船が停めてある所に行ってみる??」
ペイニーの意見に、
「ああ、そうだな。」
紫蓮が賛成し、誰もが頷く。
この町は、[ナーガァートゥ国]と幾つかの国々を貿易で結ぶ、海の要所の一つであり、それなりに栄えてきたほうなので、割と広い。
なので、彼らが波止場に着いたときには、30分が過ぎていた。
港で和気あいあいと語らっている4人の男性に、涼音が、
「あのぉー、少し、よろしいでしょうか?」
声を掛ける。
「ん?!」
こちらを認識した男たちの表情があからさまに変わった。
そのなかの一人が、
「魔物…、サーヴァントか。」
軽く睨み付けてくる。
彼は、身長175㎝くらいで、茶色の髪を角刈りにしていた。
鼻の下の髭もブラウンだ。
髪の毛にも、髭にも、白髪が目立つ。
年齢は50代半ばといったところだろう。
パンツは緑色で、ブーツとコートは黒色だ。
「何か問題でも??」
撫子が伺ったら、
「……、お前たち、どっから来た?」
さっきの男性が逆に質問してきたのである。
これに、黒髪ボブの少女弓術士である真凪が、
「北の砦からですけど??」
と答えたところ、
「なにッ!?」
四人の男達が身構えた。
「どういうことでしょうか?」
首を傾げる鈴音に、
「まさか、砦を占拠していた連中の生き残りじゃねぇよな?!」
角刈り&髭の男性が確認する。
どうやら、〝あの賊どもか??〟と、警戒されているらしい。
一歩〝ズイッ!〟と前に出たララベーリャ(茶髪セミロングの魔女)が、
「なに言ってんのよ!!」
「こっちは、ソイツらを、やっつけてあげたっていうのにッ!」
怒りを露わにした。
4人組は〝キョトン〟としたものの、角刈りの男が気を取り直して、
「そりゃ、本当かい!?」
尋ねてきたのである。
「ま、まぁ…、主に、この人たちが、だけど……。」
言葉に詰まったララベーリャが、紫蓮らの方を振り返った。
「そうなのか?」
窺ってきた角刈りの男性に、
「うむ!!」
「なかでも、我らのリーダーと、そのサーヴァント達が、レッドミノタウロスを倒したのである!」
何故だか撫子が自慢する。
男たちは〝おお―!!〟と感動したようだ。
「いや、こいつぁ、すまねぇ。」
「賊どもが討伐されたっていうのは耳に入っちゃあいたんだが…、詳細までは知らなかったもんでよ。」
「てっきり、砦から逃亡してきた奴らかと、勘違いしちまった。」
左手で後頭部を〝ボリボリ〟掻いた角刈りの男性が、
「申し訳なかったな。」
謝罪した。
ペイニーは、
「……、なるほど。」
「それで、ここに来るまでの間、町の人達に〝ジロジロ〟と見られていたのね。」
「冷たい視線で…。」
状況を察したらしく、苦笑いしている。
「で?!」
「うちらに、なんの用だい??」
角刈りの男が話題を変えたところ、
「“西の大陸”に渡りたいんだが……。」
と、紫蓮が告げた。
「ほぉう。」
「どの国を目指すんだ?」
そのように訊ねた角刈りの男性に、
「“ビィーゼェーン”です。」
タリアノが伝える。
「そいつぁ、丁度よかった!」
「あと5分ぐらいで出港するとこだったからよ。」
「行き先は、当然、“ビィーゼェーン国”だ!!」
「この町の仇を討ってくれたお礼に、無料で乗船させてやるよ!」
〝ニカッ!!〟と満面の笑みを浮かべる角刈りこと、“船長”であった―。
その道中で、こないだ[討伐連合隊]の遺体を埋葬した丘に立ち寄り、女性陣が摘んできていた花を手向け、合掌する。
祈りを終えたところ、ロンド―(金髪の少年騎士)が、
「お墓は作ってもらえねぇのかな?」
「人情として、さ。」
独り言かのように、述べた。
これに対して、タリアノが、
「昨夜、グリューさんが、東の町の“副町長”に、お願いしていましたよ。」
「その結果、〝慰霊碑を建ててもらえるよう、上の方々に申請する〟と、約束してくださっていました。」
と、告げる。
それを聞き、
「そっか…。」
「じゃあ、良かった。」
ロンド―が喜んだ。
砦を出発してから、およそ一時間が経つ頃に、紫蓮達は、港町に到着した。
「とりあえず……、船が停めてある所に行ってみる??」
ペイニーの意見に、
「ああ、そうだな。」
紫蓮が賛成し、誰もが頷く。
この町は、[ナーガァートゥ国]と幾つかの国々を貿易で結ぶ、海の要所の一つであり、それなりに栄えてきたほうなので、割と広い。
なので、彼らが波止場に着いたときには、30分が過ぎていた。
港で和気あいあいと語らっている4人の男性に、涼音が、
「あのぉー、少し、よろしいでしょうか?」
声を掛ける。
「ん?!」
こちらを認識した男たちの表情があからさまに変わった。
そのなかの一人が、
「魔物…、サーヴァントか。」
軽く睨み付けてくる。
彼は、身長175㎝くらいで、茶色の髪を角刈りにしていた。
鼻の下の髭もブラウンだ。
髪の毛にも、髭にも、白髪が目立つ。
年齢は50代半ばといったところだろう。
パンツは緑色で、ブーツとコートは黒色だ。
「何か問題でも??」
撫子が伺ったら、
「……、お前たち、どっから来た?」
さっきの男性が逆に質問してきたのである。
これに、黒髪ボブの少女弓術士である真凪が、
「北の砦からですけど??」
と答えたところ、
「なにッ!?」
四人の男達が身構えた。
「どういうことでしょうか?」
首を傾げる鈴音に、
「まさか、砦を占拠していた連中の生き残りじゃねぇよな?!」
角刈り&髭の男性が確認する。
どうやら、〝あの賊どもか??〟と、警戒されているらしい。
一歩〝ズイッ!〟と前に出たララベーリャ(茶髪セミロングの魔女)が、
「なに言ってんのよ!!」
「こっちは、ソイツらを、やっつけてあげたっていうのにッ!」
怒りを露わにした。
4人組は〝キョトン〟としたものの、角刈りの男が気を取り直して、
「そりゃ、本当かい!?」
尋ねてきたのである。
「ま、まぁ…、主に、この人たちが、だけど……。」
言葉に詰まったララベーリャが、紫蓮らの方を振り返った。
「そうなのか?」
窺ってきた角刈りの男性に、
「うむ!!」
「なかでも、我らのリーダーと、そのサーヴァント達が、レッドミノタウロスを倒したのである!」
何故だか撫子が自慢する。
男たちは〝おお―!!〟と感動したようだ。
「いや、こいつぁ、すまねぇ。」
「賊どもが討伐されたっていうのは耳に入っちゃあいたんだが…、詳細までは知らなかったもんでよ。」
「てっきり、砦から逃亡してきた奴らかと、勘違いしちまった。」
左手で後頭部を〝ボリボリ〟掻いた角刈りの男性が、
「申し訳なかったな。」
謝罪した。
ペイニーは、
「……、なるほど。」
「それで、ここに来るまでの間、町の人達に〝ジロジロ〟と見られていたのね。」
「冷たい視線で…。」
状況を察したらしく、苦笑いしている。
「で?!」
「うちらに、なんの用だい??」
角刈りの男が話題を変えたところ、
「“西の大陸”に渡りたいんだが……。」
と、紫蓮が告げた。
「ほぉう。」
「どの国を目指すんだ?」
そのように訊ねた角刈りの男性に、
「“ビィーゼェーン”です。」
タリアノが伝える。
「そいつぁ、丁度よかった!」
「あと5分ぐらいで出港するとこだったからよ。」
「行き先は、当然、“ビィーゼェーン国”だ!!」
「この町の仇を討ってくれたお礼に、無料で乗船させてやるよ!」
〝ニカッ!!〟と満面の笑みを浮かべる角刈りこと、“船長”であった―。
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