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― 第三章・南陸行路 ―
第116話 送別
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“梟の半面”を装着している女性アサシンが、
「私達は、これで失礼させていただく。」
と、軽く会釈する。
「ん?」
「報酬はいいのか??」
「これからギルドに報告するが…。」
グリューが伝えたところ、
「此度は“ヒーゴンの総帥”が旧友のため一肌脱いだにすぎず、私らはクエストを受けていないから、貰う訳にはいかない。」
「それに……、後日、忍者マスター殿が謝礼してくださる約束になっているので、心配は無用。」
梟が説明した。
「我らもクエストを受注しておらん。」
「頭領の命令に従って動いたまでだからな。」
そう述べた“鹿毛馬の獣人”に続き、
「俺達も、クエストとは無関係だ。」
「狼藉者どもに落とし前を着けさせるのが目的だったからな。」
イーガー国主の息子である“真成”も告げたのである。
いつの間にか雨は上がっていたみたいだ。
砦の東門付近で、
「うちの“抜け忍”どもが何かと騒がせて、すまなかった。」
馬の獣人が謝罪した。
「いや、解決してなによりだ。」
穏やかな表情の真成に、
「では、これにて。」
鹿毛馬が頭を下げ、サッツゥーの忍たちと共に“鳶の獣人”を連れていく。
「…、じゃあ、な、撫子。」
真成が声を掛け、
「うむ。」
「父君や祖父殿に、よろしく。」
撫子が笑みを浮かべる。
イーガーの忍らが国元へと歩き出すなか、
「“紫蓮”、だったわよね?」
「あなたの事は、総帥がたに、お知らせしておくわ。」
「きっと、活躍を、お喜びになられることでしょう。」
梟の半面であるアサシンが目を細め、紫蓮がお辞儀した。
「さぁ、帰りましょう。」
梟に従い、ヒーゴンの隠密隊もまた、この場を去っていく。
それらを見送って、大きな欠伸をしたグリューが、
「さすがに、一睡もしないでの戦闘はキツかったな。」
「だが! まだ終わりじゃねぇ。」
「砦で亡くなった仲間たちを埋葬しやりたいから、手伝ってくんねぇか??」
「全員、疲れてっとこ、悪ぃんだけどよ。」
いささか申し訳なさそうにする。
「誰も文句ないわよ。」
「……、どこか、景色のいい場所にしてあげましょ。」
グルーの言葉に、[討伐連合隊]のメンバーが同意した…。
砦から徒歩で南へ10分ぐらいの位置に、小高い丘がある。
海を展望できて眺めが良く、風も心地いい。
ここに、縦長の穴を規則的に掘っていき、丁寧に埋めてあげる。
作業中、友の遺体に涙する者も少なからずいたようだ。
最後に、グリューのパーティーに所属している優男の【神官】が祈りを捧げるなかで、全員が黙禱した―。
「私達は、これで失礼させていただく。」
と、軽く会釈する。
「ん?」
「報酬はいいのか??」
「これからギルドに報告するが…。」
グリューが伝えたところ、
「此度は“ヒーゴンの総帥”が旧友のため一肌脱いだにすぎず、私らはクエストを受けていないから、貰う訳にはいかない。」
「それに……、後日、忍者マスター殿が謝礼してくださる約束になっているので、心配は無用。」
梟が説明した。
「我らもクエストを受注しておらん。」
「頭領の命令に従って動いたまでだからな。」
そう述べた“鹿毛馬の獣人”に続き、
「俺達も、クエストとは無関係だ。」
「狼藉者どもに落とし前を着けさせるのが目的だったからな。」
イーガー国主の息子である“真成”も告げたのである。
いつの間にか雨は上がっていたみたいだ。
砦の東門付近で、
「うちの“抜け忍”どもが何かと騒がせて、すまなかった。」
馬の獣人が謝罪した。
「いや、解決してなによりだ。」
穏やかな表情の真成に、
「では、これにて。」
鹿毛馬が頭を下げ、サッツゥーの忍たちと共に“鳶の獣人”を連れていく。
「…、じゃあ、な、撫子。」
真成が声を掛け、
「うむ。」
「父君や祖父殿に、よろしく。」
撫子が笑みを浮かべる。
イーガーの忍らが国元へと歩き出すなか、
「“紫蓮”、だったわよね?」
「あなたの事は、総帥がたに、お知らせしておくわ。」
「きっと、活躍を、お喜びになられることでしょう。」
梟の半面であるアサシンが目を細め、紫蓮がお辞儀した。
「さぁ、帰りましょう。」
梟に従い、ヒーゴンの隠密隊もまた、この場を去っていく。
それらを見送って、大きな欠伸をしたグリューが、
「さすがに、一睡もしないでの戦闘はキツかったな。」
「だが! まだ終わりじゃねぇ。」
「砦で亡くなった仲間たちを埋葬しやりたいから、手伝ってくんねぇか??」
「全員、疲れてっとこ、悪ぃんだけどよ。」
いささか申し訳なさそうにする。
「誰も文句ないわよ。」
「……、どこか、景色のいい場所にしてあげましょ。」
グルーの言葉に、[討伐連合隊]のメンバーが同意した…。
砦から徒歩で南へ10分ぐらいの位置に、小高い丘がある。
海を展望できて眺めが良く、風も心地いい。
ここに、縦長の穴を規則的に掘っていき、丁寧に埋めてあげる。
作業中、友の遺体に涙する者も少なからずいたようだ。
最後に、グリューのパーティーに所属している優男の【神官】が祈りを捧げるなかで、全員が黙禱した―。
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