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― 第三章・南陸行路 ―
第112話 争闘・破
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ハーピーが両足で、白虎の頭を掴みにかかる。
その鋭い爪を突き立てようと。
だが、右の脇腹を、
ズンッ!
ゴブリンの“権蔵”が槍で刺して、阻んだ。
左方向に倒れゆく“鳥人間”の顔面に、左のハイキックを、
バンッ!!
と、くらわせたのは、ポイズンスライムの“来夢”である。
これに気付いた“美麗”が、
「グガガァ、グガッ、ガガ、ガァ~ッ。」
何かを述べた。
どうやら感謝されたらしいと察した二体が頷く。
その隙に、レッドミノタウロスが[モーニングスター]を、石造りの床に〝ドンッ!〟と叩き付け、直径2M×高さ4Mの“歪な円錐形”を発生せたのである。
慌てて離れようとした白虎たちではあったが、反応が遅れてしまい、躱しきれず、各自、弾かれてしまった。
起き上がろうとする三体に、魔物らが近づく。
来夢には、ワーラット(人型のネズミ)/ヘルハウンド(黒犬)/1M大のジャイアントアント(蟻)が、権蔵には、二足歩行のアルミラージ(兎)/1.5M大のアラクネ(蜘蛛)/1M大のキラービー(蜂)が、美麗には、ホブゴブリン/1.5M大のモスマン(蛾)/3M級のトロールが、一数ずつ襲い掛かろうとする。
体勢が整っていない三体が、ピンチに陥っていくも、宙に浮いている黒龍の“新羅”が全身から幅5㎝の【黒雷】を、10本、放った。
九発は来夢たちに迫っていたモンスターらに、一発は赤いミノタウロスに、ヒットして、感電させる。
この機を逃さず、来夢は【毒霧】を噴射し、権蔵は直径50㎝の【火の玉】を飛ばした。
当然、口から。
その流れで、二体が、武器を振り回していく。
ちなみに、来夢は、[トンファー]を装備している。
“ナーガァートゥの首都”で、[GOD SLAYER’S]がポーションなどを補充する際に、紫蓮に買ってもらったみたいだ。
美麗は、尻餅を着いているトロールへとジャンプして、首に噛み付いた。
左膝を屈しているレッドミノタウロスの正面から、ブラックミノタウロスの“夜摩”が、[バトルアックス]の刃で、床を、後ろから前と擦る。
10㎝、20㎝、30㎝、40㎝、…、と、段々に隆起していく石の床は、赤いミノタウロスの眼前で1.5Mの高さになっていた。
「ぐぬぅッ!」
動けるようになったレッドミノタウロスが、モーニングスターを左から右へと払い、
ドゴオンッ!!
と砕く。
〝スッ〟と立ち上がって構え直す赤牛を、夜摩が睨み付ける。
一瞬の静寂を破り、新羅が、口から直径25㎝の【黒炎】を吐いた。
これを、赤いミノタウロスが左の掌から放った直径50㎝の【火炎】で打ち消す。
「ぬぅ~ッ、予想はしておったが、なかなかの強敵よのぉう。」
眉間にシワを寄せながらも、感心する新羅であった―。
その鋭い爪を突き立てようと。
だが、右の脇腹を、
ズンッ!
ゴブリンの“権蔵”が槍で刺して、阻んだ。
左方向に倒れゆく“鳥人間”の顔面に、左のハイキックを、
バンッ!!
と、くらわせたのは、ポイズンスライムの“来夢”である。
これに気付いた“美麗”が、
「グガガァ、グガッ、ガガ、ガァ~ッ。」
何かを述べた。
どうやら感謝されたらしいと察した二体が頷く。
その隙に、レッドミノタウロスが[モーニングスター]を、石造りの床に〝ドンッ!〟と叩き付け、直径2M×高さ4Mの“歪な円錐形”を発生せたのである。
慌てて離れようとした白虎たちではあったが、反応が遅れてしまい、躱しきれず、各自、弾かれてしまった。
起き上がろうとする三体に、魔物らが近づく。
来夢には、ワーラット(人型のネズミ)/ヘルハウンド(黒犬)/1M大のジャイアントアント(蟻)が、権蔵には、二足歩行のアルミラージ(兎)/1.5M大のアラクネ(蜘蛛)/1M大のキラービー(蜂)が、美麗には、ホブゴブリン/1.5M大のモスマン(蛾)/3M級のトロールが、一数ずつ襲い掛かろうとする。
体勢が整っていない三体が、ピンチに陥っていくも、宙に浮いている黒龍の“新羅”が全身から幅5㎝の【黒雷】を、10本、放った。
九発は来夢たちに迫っていたモンスターらに、一発は赤いミノタウロスに、ヒットして、感電させる。
この機を逃さず、来夢は【毒霧】を噴射し、権蔵は直径50㎝の【火の玉】を飛ばした。
当然、口から。
その流れで、二体が、武器を振り回していく。
ちなみに、来夢は、[トンファー]を装備している。
“ナーガァートゥの首都”で、[GOD SLAYER’S]がポーションなどを補充する際に、紫蓮に買ってもらったみたいだ。
美麗は、尻餅を着いているトロールへとジャンプして、首に噛み付いた。
左膝を屈しているレッドミノタウロスの正面から、ブラックミノタウロスの“夜摩”が、[バトルアックス]の刃で、床を、後ろから前と擦る。
10㎝、20㎝、30㎝、40㎝、…、と、段々に隆起していく石の床は、赤いミノタウロスの眼前で1.5Mの高さになっていた。
「ぐぬぅッ!」
動けるようになったレッドミノタウロスが、モーニングスターを左から右へと払い、
ドゴオンッ!!
と砕く。
〝スッ〟と立ち上がって構え直す赤牛を、夜摩が睨み付ける。
一瞬の静寂を破り、新羅が、口から直径25㎝の【黒炎】を吐いた。
これを、赤いミノタウロスが左の掌から放った直径50㎝の【火炎】で打ち消す。
「ぬぅ~ッ、予想はしておったが、なかなかの強敵よのぉう。」
眉間にシワを寄せながらも、感心する新羅であった―。
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