GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第三章・南陸行路 ―

第104話 海沿いの砦・其之壱

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PM16:00となり、[討伐連合隊]が西へと足を運ぶ。


PM19:00に、 “パン”や“干し肉”などの携帯食を摂って、30分後には、再び、目的地へと出発したようだ。


途中で15分程の小休止を4回はさんで、AM05:00には砦が見えてきた。

全員の足を止めさせた隊長が、事前の打ち合わせどおり、連合隊を四つに分ける。

これに応じて、本隊以外は、迂回していった……。


小雨のなか、夜が明けていく。

淡い霧が、視界を軽く覆う。

そこまで濃くはないので、誰もが砦を目視できているようだ。

逆に、むこうからも、こちらを確認できる可能性があるので、東・北・南のチームは、しゃがんで体勢を低くしている。

西側の面子は、停泊してある船にバラけて乗り込み、静かに潜んでいた。

このメンバーは身軽な“しのび”たちである。

イーガーは、20人+サーヴァント25体の計45数。

ヒーゴンは、人間や獣人を合わせた50数。

サッツゥーは、獣人と半獣の55数。

全部で150数だ。

北と南には、それぞれに、人間とサーヴァントの100数ずつが待機している。

東の正面出入り口は150数が受け持つ。

北や南は窓からの侵入になるので、大きめのサーヴァントは通るのが難しい。

このため、[GOD SLAYER’S]は、扉のある“東の隊”に組み込まれていた。

それは連合の本隊であるため、“グリュー”が指揮している。

北は、副長の“ルギー”が責任者みたいだ。

西は、イーガーの“真成まさなり”がリーダーを務めることになっていた。

まだ若く、戦闘の経験も浅いが、襲撃された国主の息子という事で、決まったらしい。

一応、彼の警護役であるベテラン忍者が補佐するようだ。

南は、三番目に野営地を訪れていたパーティーの代表が任された。

20代後半の女性で、ジョブは【武闘家】だ。

背丈は165㎝くらいだろう。

凛々しい顔立ちは、やや男性っぽい。

ブラウンの髪をベリーショートにしており、肉体は“細マッチョ”である。

ともあれ、現場での動きは、撤退を含めて、各指揮官の判断に委ねられていた。


グリューが、自身の[画面]を開き、表示されている“デジタル時計”を見ている。

「ぼちぼち、いくぞ。」

静かに告げた隊長が、

「10、9、8、7」

と、カウントしていく。

「6、5、4、3」

彼の右隣に控えていた30代前半の【魔女ウィッチ】が〝スッ〟と立ち上がる。

身長は157~158㎝ぐらいであろう。

とんがり帽もローブも黒い。

「2、1」

ウィッチが、銀製で長さ2Mの[魔法の杖]を砦の上の方に向けて、直径1Mの魔法陣を構築した。

「発射!」

魔法陣と同じ直径×長さ10Mの【炎】を、

ゴォオ――ッ!!

と放つ。

その火炎が、建物の10Mほど上を通過して、西の空へと飛んでいく。

時刻はAM05:30である。

これ・・を合図に、討伐連合隊が、作戦を開始していった―。
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