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― 第三章・南陸行路 ―
第103話 野営地にて・後編
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討伐連合隊の、隊長であるグリューと、副長のルギーは、別々のパーティーのリーダーとの事だ。
まず、グリュー達が、五日前に、この場所に来たところ、砦の攻略に失敗した連中が逃げてきていたらしい。
バッタリ出くわした彼らに聞いてみたら、もともとはサーヴァントを含めて80数ぐらいの一団だったものの、壊滅してしまい、生き残ったのは、男性2人と女性1人だけだったそうだ。
たいして情報を集めないで挑んだのが、敗因になったとの話しだった。
それによって警戒を強めたグリューは、一旦、行進を止めて、どうするべきか思案したらしい。
なにせ、彼のパーティーは60数くらいなので。
砦に赴くべきか、クエストをキャンセルして撤退すべきか、野営しながら考えていた翌日に、通りかかったルギーたちが合流してきたそうだ。
彼女の一団は45数ほどなので、手を組むことにしたらしい。
とは言え、これでも勝てないだろうと判断したグリューとルギーが、いろいろと相談していたところ、他にも砦を目指していた者らが次第に集まってきたとの事である。
そうして、グリューが連合隊の隊長に、ルギーが副長に就き、三日前に偵察部隊を放ったのだと…。
ちなみに、別のルートで砦に向かい、グリュー達の存在を知らなかった幾つかのパーティーは、返り討ちにあっているようだ。
おそらく、人間たちは既に、魔物に捕食されてしまったであろう……。
「それで?」
「奴らを倒す作戦はあるのか??」
紫蓮が尋ねたところ、
「ん?」
「おう。」
「ついさっき、まとまったとこだ。」
グリューが返した。
彼らが囲んでいるテーブルには、大きめの紙が置かれている。
これには、砦の外部と、周辺の地形が、描かれていた。
「いいか??」
「砦には、出入り口が二つある。」
「一つは東側で、もう一つは西側だ。」
「ただし、西の方は海に面していて、軍船が五隻ぐらい有るらしい。」
「そこで…、俺達は、班を4つに分けて、東西南北から攻め込む。」
隊長の説明に、
「北と南からも、ですか?」
涼音が首を傾げる。
その疑問に、副長が、
「ああ。」
「砦の北側と南側には窓が設置されているからね。」
「四方向から同時に突撃すれば、敵は慌てふためくだろうさ。」
「こっちの兵力は、むこうの三分の一だから、どこまで相手を浮き足立たせられるかが、勝負のカギになってくると、私たちは思っている。」
と、答えた。
「成程。」
頷いたタリアノが、
「ところで、いつ出発するのですか??」
新たに伺う。
「夕刻の4時頃を予定している。」
グリューが告げたら、
「じゃあ、それまでは、ゆっくりできるわね。」
ペイニーが述べたのである。
「おう。」
「そういうことだから、取り敢えず……、各自、休憩にしてくれ。」
隊長が促し、一度、解散となったところで、
「あー、そういや、撫子。」
「あいつらも来てるぞ。」
「“剣の女王”の所で会ったんだろ?」
忍者マスターの孫にあたる“真成”が伝えてきた。
「おぉー、兄弟子がたと、姉弟子がたか。」
「ふむ。」
「では…、挨拶しに行くとしよう。」
笑みを浮かべる撫子だった―。
まず、グリュー達が、五日前に、この場所に来たところ、砦の攻略に失敗した連中が逃げてきていたらしい。
バッタリ出くわした彼らに聞いてみたら、もともとはサーヴァントを含めて80数ぐらいの一団だったものの、壊滅してしまい、生き残ったのは、男性2人と女性1人だけだったそうだ。
たいして情報を集めないで挑んだのが、敗因になったとの話しだった。
それによって警戒を強めたグリューは、一旦、行進を止めて、どうするべきか思案したらしい。
なにせ、彼のパーティーは60数くらいなので。
砦に赴くべきか、クエストをキャンセルして撤退すべきか、野営しながら考えていた翌日に、通りかかったルギーたちが合流してきたそうだ。
彼女の一団は45数ほどなので、手を組むことにしたらしい。
とは言え、これでも勝てないだろうと判断したグリューとルギーが、いろいろと相談していたところ、他にも砦を目指していた者らが次第に集まってきたとの事である。
そうして、グリューが連合隊の隊長に、ルギーが副長に就き、三日前に偵察部隊を放ったのだと…。
ちなみに、別のルートで砦に向かい、グリュー達の存在を知らなかった幾つかのパーティーは、返り討ちにあっているようだ。
おそらく、人間たちは既に、魔物に捕食されてしまったであろう……。
「それで?」
「奴らを倒す作戦はあるのか??」
紫蓮が尋ねたところ、
「ん?」
「おう。」
「ついさっき、まとまったとこだ。」
グリューが返した。
彼らが囲んでいるテーブルには、大きめの紙が置かれている。
これには、砦の外部と、周辺の地形が、描かれていた。
「いいか??」
「砦には、出入り口が二つある。」
「一つは東側で、もう一つは西側だ。」
「ただし、西の方は海に面していて、軍船が五隻ぐらい有るらしい。」
「そこで…、俺達は、班を4つに分けて、東西南北から攻め込む。」
隊長の説明に、
「北と南からも、ですか?」
涼音が首を傾げる。
その疑問に、副長が、
「ああ。」
「砦の北側と南側には窓が設置されているからね。」
「四方向から同時に突撃すれば、敵は慌てふためくだろうさ。」
「こっちの兵力は、むこうの三分の一だから、どこまで相手を浮き足立たせられるかが、勝負のカギになってくると、私たちは思っている。」
と、答えた。
「成程。」
頷いたタリアノが、
「ところで、いつ出発するのですか??」
新たに伺う。
「夕刻の4時頃を予定している。」
グリューが告げたら、
「じゃあ、それまでは、ゆっくりできるわね。」
ペイニーが述べたのである。
「おう。」
「そういうことだから、取り敢えず……、各自、休憩にしてくれ。」
隊長が促し、一度、解散となったところで、
「あー、そういや、撫子。」
「あいつらも来てるぞ。」
「“剣の女王”の所で会ったんだろ?」
忍者マスターの孫にあたる“真成”が伝えてきた。
「おぉー、兄弟子がたと、姉弟子がたか。」
「ふむ。」
「では…、挨拶しに行くとしよう。」
笑みを浮かべる撫子だった―。
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