GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第三章・南陸行路 ―

第95話 ソイツの行方

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「それでは…、我らは、これにて。」

“イーガーのしのび”である四人組が、ギルドマスターに、お辞儀した。

撫子なでしこ、お前の旅の安全を祈る。」

リーダー格の言葉に、

兄弟子あにでしがたと、姉弟子あねでしがたも、ご無事で。」

彼女が返す。


忍らが去った室内にて、[つるぎの女王]が、

「ペイニー、これを。」

一通の書状を差し出してきた。

「手紙?」

首を傾げる孫娘に、

「サッツゥーの北西に位置する“ヒーゼェン国”に行きな。」
「そこに居る“大魔導師”に渡せば、何かしら力になってくれるだろうさ。」

と、祖母が告げる。

それ・・をペイニーが受け取ったところで、

「いつになってもいいから帰って来るんだよ。」
「必ず、生きたままで。」
「遺体と対面するのは嫌だからね、私は。」
「相手が身内となれば尚更に。」

ギルド長が厳しい目つきになった。

前年に亡くなった別の孫を思い出しているのだろう。

察したペイニーが、

「約束するわ。」

真剣な表情で頷いたのである。

「それじゃあ、この子のことを、よろしく頼んだよ。」

優しく微笑むギルマスに、紫蓮しれん・撫子・涼音すずねが会釈した……。


1Fの酒場で、[GOD SLAYER‘S]が昼食を摂っている。

当然、サーヴァント達も一緒に。

「撫子の先輩方は複数で行動しているのに、あなたは、何故、一人だったのですか??」

涼音の質問に、

「ふぁむ、ほむ、はむ、ほぉむ。」

ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ。

「んぐッ!」
「ぷはぁ――。」

頬張っていた肉をアイスティーで流し込んだ撫子が、

「私にはサーヴァントがいるからな!!」

と答えた。

「つまり…、さっきの4人は“契約”できないってことか?」

紫蓮が聞いてみたら、

「うむ!」
「なので、集団行動しているのだ。」
「“フォ―マンセル”というやつだな。」

との事であった。


[ゴッド・スレイヤーズ]が、“サッツゥーの都”から西へと向かって、16日が経過している。

“アーキン国の首都”にて、東の大通りに面した場所に在る建物に、彼らは入っていた。

この都の、ギルドの一つだ。

そこ・・で、“赤いミノタウロス”について紫蓮が尋ねた。

20代前半ぐらいとおぼしき、窓口の男性(人間)が、

「少々お待ちください。」

業務用の[画面]をチェックしていく。

「……、ありました。」
「最新の目撃情報によりますと、西の関所を強引に突破して、隣国に侵入した模様ですね。」
「“アーキン”と“ナーガァートゥ”の両国が、近々、共同で、問題解決に動くみたいですよ。」

男性が説明を終えたところで、

「〝連合で討伐する〟みたいなことか?」

紫蓮が問い掛ける。

これに対して、

「んんー、…、どちらの国も、長年に亘って大きな戦がなかったので、平和に慣れてしまっている正規兵では倒せないかもしれません。」
「だとすれば、冒険者に依頼するでしょうね。」
「“クエスト”として。」

と、窓口担当者が予想したのだった―。
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