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― 第三章・南陸行路 ―
第85話 GOD SLAYER’S
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両目を開き、
「……、分かりました。」
承諾した40代の巫女が、紫蓮たちに、
「娘のことを、どうか、よろしくお願い致します。」
と頭を下げた。
「母上、お祖母様、ありがとうございます!」
お礼を述べた涼音が、
「準備してくるので、玄関で待っていてください。」
紫蓮らに告げる。
「“サッツゥー国”に赴くのであれば、書状を用意しておくので、支度を終えたら受け取りに来なさい。」
大巫女の言葉に、
「はい。」
会釈した涼音が、その場から去っていく。
「では、俺達はこれで。」
紫蓮と“くノ一”が立ち上がったタイミングで、
「もしかして…、金時を、ご存知ですか?」
涼音の母が訊ねてきたのだ。
「え?」
「ああ…。」
「同じ部隊に所属していて、いろいろと世話になったんで。」
紫蓮が答えたら、
「元気にしていますか?」
更に質問してきたので、
「ええ。」
と、返した。
「まぁ、それは良かったです。」
「……。」
「彼は、かつて、この御宮に仕えておりました。」
「やがて旅に出て、いつの頃からか“侍王”たちと行動を共にしているとの風の噂を耳にしておりましたが…。」
「そうですか。」
「それを聞いて一安心です。」
40代の巫女が嬉しそうにしたのである……。
玄関の近くにて――。
外は寒いため、黒色を基調とした羽織を着つつ、
「やはり、貴殿のサーヴァントらであったか。」
〝うむ うむ〟と、くノ一が納得した。
「そっちは、お前のサーヴァントか?」
紫蓮の視線の先には、額に“契約の刻印”が有る オスのワーキャット/オスのアルミラージ/メスのゴブリン/メスのヘルハウンド/性別不明のサンダーバードが控えている。
「うむ!」
「相違ない!」
くノ一が首を縦に振った。
「そういえば、自己紹介が未だであったな。」
「私は、“撫子”と申す。」
「俺は、紫蓮だ。」
「ふむ。」
「よしなに、な、紫蓮。」
「こっちこそ。」
名乗りと挨拶を済ませた二人が雑談していく。
数分後…。
ブラウンのブーツ・ホワイトのパンツ・ピンクのロングコートという装いになった涼音が、屋敷の裏口から回ってきて、
「お待たせしました!」
と声を掛けた。
彼女の後ろには、尾が九つあるメスの狐/メスのラミア/オスの鎌鼬/オスのワーウルフ/性別不明の朱雀が続いて来る。
「揃ったな!」
「では、早速、パーティーを組もう!」
「その方が何かと便利みたいだからな!」
「という事で……、紫蓮!」
「そなたがリーダーを務め、名称を決めてくれ!!」
提案した撫子に、
「俺が、か?」
紫蓮が戸惑う。
「ぜひ、そうしてください。」
涼音に後押しされた紫蓮が、
「そう、だな…。」
と、頭を悩ます。
「ちなみに、私の用事が済んだら、協力してくれたお礼に、紫蓮と涼音の冒険に最後まで付き合うぞ!」
撫子が意思表明したところ、
「そうか。」
「……。」
「俺は、〝神々を倒す〟ことを目標にしている。」
「なので…、神を討つ一団、……、“GOD SLAYER’S”というのは、どうだ?」
紫蓮が提案したのである。
これに、
「“ゴッド・スレイヤーズ”ですか…、いいですね。」
涼音が賛成し、
「じゃあ、それでいこう!」
撫子が笑みを浮かべた。
かくして、紫蓮を長とした集団が、[サッツゥー国]へ向けて旅立ったのである―。
「……、分かりました。」
承諾した40代の巫女が、紫蓮たちに、
「娘のことを、どうか、よろしくお願い致します。」
と頭を下げた。
「母上、お祖母様、ありがとうございます!」
お礼を述べた涼音が、
「準備してくるので、玄関で待っていてください。」
紫蓮らに告げる。
「“サッツゥー国”に赴くのであれば、書状を用意しておくので、支度を終えたら受け取りに来なさい。」
大巫女の言葉に、
「はい。」
会釈した涼音が、その場から去っていく。
「では、俺達はこれで。」
紫蓮と“くノ一”が立ち上がったタイミングで、
「もしかして…、金時を、ご存知ですか?」
涼音の母が訊ねてきたのだ。
「え?」
「ああ…。」
「同じ部隊に所属していて、いろいろと世話になったんで。」
紫蓮が答えたら、
「元気にしていますか?」
更に質問してきたので、
「ええ。」
と、返した。
「まぁ、それは良かったです。」
「……。」
「彼は、かつて、この御宮に仕えておりました。」
「やがて旅に出て、いつの頃からか“侍王”たちと行動を共にしているとの風の噂を耳にしておりましたが…。」
「そうですか。」
「それを聞いて一安心です。」
40代の巫女が嬉しそうにしたのである……。
玄関の近くにて――。
外は寒いため、黒色を基調とした羽織を着つつ、
「やはり、貴殿のサーヴァントらであったか。」
〝うむ うむ〟と、くノ一が納得した。
「そっちは、お前のサーヴァントか?」
紫蓮の視線の先には、額に“契約の刻印”が有る オスのワーキャット/オスのアルミラージ/メスのゴブリン/メスのヘルハウンド/性別不明のサンダーバードが控えている。
「うむ!」
「相違ない!」
くノ一が首を縦に振った。
「そういえば、自己紹介が未だであったな。」
「私は、“撫子”と申す。」
「俺は、紫蓮だ。」
「ふむ。」
「よしなに、な、紫蓮。」
「こっちこそ。」
名乗りと挨拶を済ませた二人が雑談していく。
数分後…。
ブラウンのブーツ・ホワイトのパンツ・ピンクのロングコートという装いになった涼音が、屋敷の裏口から回ってきて、
「お待たせしました!」
と声を掛けた。
彼女の後ろには、尾が九つあるメスの狐/メスのラミア/オスの鎌鼬/オスのワーウルフ/性別不明の朱雀が続いて来る。
「揃ったな!」
「では、早速、パーティーを組もう!」
「その方が何かと便利みたいだからな!」
「という事で……、紫蓮!」
「そなたがリーダーを務め、名称を決めてくれ!!」
提案した撫子に、
「俺が、か?」
紫蓮が戸惑う。
「ぜひ、そうしてください。」
涼音に後押しされた紫蓮が、
「そう、だな…。」
と、頭を悩ます。
「ちなみに、私の用事が済んだら、協力してくれたお礼に、紫蓮と涼音の冒険に最後まで付き合うぞ!」
撫子が意思表明したところ、
「そうか。」
「……。」
「俺は、〝神々を倒す〟ことを目標にしている。」
「なので…、神を討つ一団、……、“GOD SLAYER’S”というのは、どうだ?」
紫蓮が提案したのである。
これに、
「“ゴッド・スレイヤーズ”ですか…、いいですね。」
涼音が賛成し、
「じゃあ、それでいこう!」
撫子が笑みを浮かべた。
かくして、紫蓮を長とした集団が、[サッツゥー国]へ向けて旅立ったのである―。
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