GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第二章・それぞれの成長 ―

第59話 雲行き

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“影”たち隠密隊の男性陣56人が、敵の親衛隊と戦闘になっている。

こちらの方が数は少ないものの、引けを取っていない。

彼らが体を張って開けてくれた道を、紫蓮しれんらが駆けてゆく。

そこに、相手の一柱が、幅3Mの魔法陣を展開し、それと同じ大きさの白い光線ビームを発射した。

誰もが逃れられそうにない状況で、金時きんときが白金かつ直径3Mの球体である“神火かみび”を放ち、

ズドォオ―ンッ!!

と、相殺したのである。

そのタイミングで、セルグが剣に“雷”を纏わせる。

「フンッ!」

右から左へと武器を払ったセルグによって、幅50㎝の雷撃が横一文字に飛んでいき、

ズバァ―ンッ!!

と神にヒットした。

更には、最大幅2Mで歪《いびつ》なクリスタル形の“氷の塊”が、敵の腹部に、

ズドンッ!!

と、当たったのである。

無論、それは、凛琥りくによるものだった。

ぐらついた一柱に、ゴブリンの権蔵ごんぞうが急接近する。

どうやら、槍で右脛を狙うつもりらしい。

しかし、神が“ラージソード”を上から振るってくる。

それを右に避けようとした権蔵ではあったが、地面にソードが叩き付けられた衝撃で、弾かれてしまった。

仰向けで倒れたサーヴァントに、

「ゴン!」

紫蓮が声を掛ける。

これに反応するかのように上半身を〝むくッ〟と起こした権蔵に、〝ほッ〟としたようだ。

その間にも、最前に居る凛琥を、敵が大剣で突こうと構える。

これを防ぐべく、紫蓮が左のてのひらから雷を発した。

直撃した一柱の足元に、オレンジ色で直径40㎝の球体が現れ、

ドォオンッ!!

と爆発したのである。

それは、永虎ながとらによる攻撃だった。

バランスを崩しかけた神の左膝に、立ち上がった権蔵が、口から、直径30㎝の“火の玉”を放ち、〝ボッ!〟と燃やす。

「ふッ、下等生物どもにしては、なかなか、やるじゃないか。」
「だが、この程度、痛くも痒くもない。」

余裕の笑みを浮かべた敵が、改めて魔法陣を構築する。

今度のは、直径5Mぐらいありそうだ。

そこ・・から、幅20㎝×長さ1Mのビームを、100本ほど乱射してきた。

これよりも一瞬早く、金時が【結界】を出現させた事によって、全員が難を逃れたようだ。

「アイツは、雷撃で痺れないのか?」

首を傾げた紫蓮に、

「いや、僅かではあるが、動きが止まっていた。」
「ま、単純に向こうが俺らより強ぇってことだろう。」

と、セルグが述べる。

「確かに、どれも、あんまり効いてないみたいだしな。」

忌々しそうにする凛琥に、永虎が、

「ハッタリじゃないか?」

との見解を示す。

「おそらく、そうでしょうね。」

金時が頷き、

「ダメージを蓄積させていくしかなさそうだな。」

紫蓮が、一柱を見据えた…。


一方で、女性陣も同様に、100発の光線に襲われている。

しかしながら、永美香えみかの“補助魔法”でステータスが倍増しており、誰もが対応出来ているようだ。

現在の彼女は、自分を含めて、仲間の、体力/魔力/攻撃力/防御力/素早さを、3分間だけ2倍に出来る。

その際のクールタイム(リキャストタイム)は、8分だ。

ちなみに、紫蓮は、自身のスキル(雷系)を一つ使う度に、どれも、6分間のクールタイムとなっていた。

ともあれ、永美香のお陰で、千代ちよたちは、こちらの神の攻撃を、躱したり、魔法やスキルを当てて、阻止していたのである。

が。

ステータスを倍増させてくれる【冥護みょうご】がタイムリミットを迎えてしまい、一本のビームが、来夢らいむの左胸を貫いたのだった―。

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