GOD SLAYER’S

ネコのうた

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― 第二章・それぞれの成長 ―

第58話 相克

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「取り敢えず、お前は、あっちに加われ。」
「無茶はするなよ。」

紫蓮しれんの言葉に、〝こくんッ〟と頷いた来夢らいむが、千代ちよらの所へと向かった。

このスライムは、白の武道着に、黒の肩当て/胸当て/籠手/脛当てを纏っている。


“影”も、隠密隊を分けたようだ。

ちなみに、男性56名、女性44名である。

いずれにせよ、数の上では、こちらが有利と思われた。

のだが…。

神々の背後から、二つの部隊が駆け付けたのである。

どちらも100数はいそうだ。

全員が馬に乗り、青紫色で【騎士】の甲冑を装備している。

武器は、剣に槍と様々だ。

その一隊のなかで、肩当てに白いマントを付属させている者が、

「我ら親衛隊も、戦わせていただきます。」

と、述べた。

おそらく、隊長格であろう男に対して、紫蓮らと対峙していた一柱が、

「好きにせよ。」

と承諾する。

「あー、まぁ、これで数的不利になった訳だが…、気にする事はねぇ。」
「一番偉そうな奴を倒せば、俺たちの勝ちだからな。」
「獲るべきは、“神の首”一つだ。」
「それ以外には構わず、突っ込め。」

セルグの意見に、“影”が、

「ならば、敵の兵らは、我々が受け持とう。」
「誰か、女性陣の方にも、そう伝えよ。」

との指示を出した。


「作戦会議は終わったか?」
「ヒーゴンの雑兵どもよ。」

上から目線の一柱を、

「舐めやがって!」

凛琥りくが睨み付ける。

それを、

「挑発に乗るな。」

と、永虎ながとらが落ち着かせた。

凛琥は、【剣士】用で青色の、兜/肩当て/胸当て/籠手/腰回り/脛当てを身に纏っており、それらには白い装飾が施されている。

永虎は【騎士】の重装備で、白銀の甲冑にはオレンジ色の模様が見受けられた。

男性陣の眼前に佇む神が、右手の剣を〝ス―ッ〟と掲げる。

「来るぞ、構えろ。」

声を掛けたのは紫蓮だ。

彼は、【武士】の大鎧と星兜を身に着けている。

一柱が、右手を〝ブンッ!〟と振り下ろしたのを合図に、敵が突撃してきた…。


ほぼ同時に、女性たちの方にも、親衛隊が殺到してくる。

これに合わせるかのように、女性だけの隠密隊も駆け出す。

そこに、赤毛のウィッチが、幅10㎝×長さ1Mの“風の矢”を50本ほど放った。

それらがヒットした敵の兵や馬が、転倒していく。

とこどころ赤いラインが入っている黒色の“ウィザードローブアーマー”と“魔女の帽子”といった姿である彼女に、

幸永歌さえか…、あなた、隠密隊の話し聞いてなかったの?」
「私達は〝神に集中する〟という事だったでしょ。」

永美香えみかが、眉間にシワを寄せた。

こちらは、薄紫色のラインが入った白の“クレリックローブアーマー”と“サークレット”を装着している。

「聞いてたわ!」
「でも、出鼻をくじけたから、問題ないでしょ!」

〝エッヘン!〟と得意げな幸永歌に、永美香が軽く〝はぁー〟と溜息をき、

「魔力の無駄遣いにならいように、ここからは、あの一柱だけ狙うのよ?」

と、念を押す。

「ええ、そうするわ。」

幸永歌が本当に従うかは不明だ。

そんなやり取りをしている彼女らに、千代が、

「お二人とも、行きますよ。」

と告げた―。
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