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― 第二章・それぞれの成長 ―
第57話 一つの局面
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雪が弱まっていくなか、中央では、両軍の攻防が繰り広げられていた。
紫蓮たちも、武器やスキルに魔法などで、応戦している。
それと同時に、信義であったり、翼や羽を有している者たちが、空中で激突しているようだ。
最後尾から前線に上がって来た敵兵らは[南陸第十神国]の精鋭らしく、なかなかに粘り強い。
それでも、ヒーゴン軍が、じわりじわりと押し返していく。
特に、総帥の近衛兵たちの働きぶりは素晴らしい限りである。
やがて、紫蓮たちが相手をしていた敵の隊が崩れ始めた。
後方で静観していた“四神将”の一柱が、
「ふむ…、やるようだな。」
「このまま勢いづかれる前に折っておくとするか。」
と呟き、宙に浮いたのである。
「ん?」
「何か、こっちに来るよ。」
リスの半獣であるラルが気付き、
「……、“神”か?」
褐色肌のヴォニ―が目を細めた。
【シーフ】であるラルは、青色の服装に、黒の胸当て/肘当て/籠手/膝当て/脛当てを装備している。
ヴォニ―は、【戦士】の鎧兜を纏っており、その色は白を基調としているようだ。
飛んで来た一柱が〝ピタッ〟と止まり、〝スーッ〟と着地した。
身長は3Mほどであり、背中に一対の翼が見受けられる。
ところどころに金の装飾が施されている銀の甲冑は、騎士用であろう。
「全員、あの世に送るが…、恨むなよ。」
そう告げた男神が、左腰に帯びている剣を抜くべく、右手で柄を握ろうとするも、背後から、
「待てッ!」
と、飛来しながら声を掛ける者がいた。
その一柱が、地に足を着けるなり、
「俺も共に、ソイツらを屠るとしよう。」
と述べたのである。
彼らは、背格好や顔に装備品が、よく似ていた。
違う部分は、右腰に剣を帯びている事ぐらいだろう。
明らかに兄弟である。
「あ奴らか…、四神将とかいうのは。」
尋ねた侍王に、“影”が、
「左様でございます。」
と、頷く。
清虎は、赤色の当世具足と烏帽子兜を装着している。
黒を基調とした陣羽織に金糸で刺繍されている模様が鮮やかだ。
そんな総帥の近くには、“影”率いる100名の隠密隊が控えていた。
これとは別の100体が上空で戦っており、それら以外の100数は老将の元に送り込んでいる。
剣士用の白い甲冑を纏っている千代が、
「清虎様には一先ずお休み戴いて、私たちで手分けして当たろう。」
と周囲を促す。
「じゃあ、左側を男性陣が、右側を女性が受け持つ、という事で。」
提案したのは銀の鎧兜を装備している騎士のセルグであった―。
紫蓮たちも、武器やスキルに魔法などで、応戦している。
それと同時に、信義であったり、翼や羽を有している者たちが、空中で激突しているようだ。
最後尾から前線に上がって来た敵兵らは[南陸第十神国]の精鋭らしく、なかなかに粘り強い。
それでも、ヒーゴン軍が、じわりじわりと押し返していく。
特に、総帥の近衛兵たちの働きぶりは素晴らしい限りである。
やがて、紫蓮たちが相手をしていた敵の隊が崩れ始めた。
後方で静観していた“四神将”の一柱が、
「ふむ…、やるようだな。」
「このまま勢いづかれる前に折っておくとするか。」
と呟き、宙に浮いたのである。
「ん?」
「何か、こっちに来るよ。」
リスの半獣であるラルが気付き、
「……、“神”か?」
褐色肌のヴォニ―が目を細めた。
【シーフ】であるラルは、青色の服装に、黒の胸当て/肘当て/籠手/膝当て/脛当てを装備している。
ヴォニ―は、【戦士】の鎧兜を纏っており、その色は白を基調としているようだ。
飛んで来た一柱が〝ピタッ〟と止まり、〝スーッ〟と着地した。
身長は3Mほどであり、背中に一対の翼が見受けられる。
ところどころに金の装飾が施されている銀の甲冑は、騎士用であろう。
「全員、あの世に送るが…、恨むなよ。」
そう告げた男神が、左腰に帯びている剣を抜くべく、右手で柄を握ろうとするも、背後から、
「待てッ!」
と、飛来しながら声を掛ける者がいた。
その一柱が、地に足を着けるなり、
「俺も共に、ソイツらを屠るとしよう。」
と述べたのである。
彼らは、背格好や顔に装備品が、よく似ていた。
違う部分は、右腰に剣を帯びている事ぐらいだろう。
明らかに兄弟である。
「あ奴らか…、四神将とかいうのは。」
尋ねた侍王に、“影”が、
「左様でございます。」
と、頷く。
清虎は、赤色の当世具足と烏帽子兜を装着している。
黒を基調とした陣羽織に金糸で刺繍されている模様が鮮やかだ。
そんな総帥の近くには、“影”率いる100名の隠密隊が控えていた。
これとは別の100体が上空で戦っており、それら以外の100数は老将の元に送り込んでいる。
剣士用の白い甲冑を纏っている千代が、
「清虎様には一先ずお休み戴いて、私たちで手分けして当たろう。」
と周囲を促す。
「じゃあ、左側を男性陣が、右側を女性が受け持つ、という事で。」
提案したのは銀の鎧兜を装備している騎士のセルグであった―。
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