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― 第二章・それぞれの成長 ―
第51話 次なる戦へ
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訓練場にて、
「どう? お姉様、言った通りだったでしょ!?」
と、幸永歌が意気揚々になる。
ベンチに腰掛けて腕と脚を組んでいる幸彩は、そっぽを向きながら、
「別に。」
「長旅で疲れてただけよ。」
と口を尖らせた。
清斗は、
「やるなぁ、凛琥!」
「以前は“氷の礫”を同時に30発くらいしか出せなかったのに!」
と、瞳を輝かせている。
「まぁな!」
「でも、俺とかよりは、紫蓮の方が強いんだぜ!」
と何故だか凛琥がドヤった。
清斗の、
「マジかぁ~。」
という熱視線に、紫蓮が少し戸惑う。
少し離れた位置では、永虎に、
「どうだった?」
と、尋ねられた晴虎が、右手で後頭部を〝ポリ ポリ〟掻きながら、
「お手上げだよ。」
と苦笑いした。
「さて、お前たちをどうするかじゃが…、やはり、儂の近衛兵に加えるべきかのぉ?」
と、頭を悩ませる総帥に、晴清が、
「いえ、息子たちには政治なども学ばせたいので、出来れば手元に置いておきたいです。」
と述べる。
これに、幸が、
「そうね。私も、幸彩はそのように育てたいわ。」
と、続いた。
「ふむ。」
「では、暫くの間、武芸は千代らに任せるとして、そのように致すかのぉう。」
「ま、5日後には出陣する事になるがな。」
と告げる清虎に、
「もう、そこまで迫っているのですか?」
と晴清が窺う。
「うむ、“影”たち隠密隊によれば、現在、50万の敵軍が南下しておる真っ最中だそうじゃ。」
「予定では、一週間後に、ここに到着するらしい。」
「こちらは、都市を戦渦に巻き込ませぬよう、平地で迎え撃つ。」
「そのつもりで準備を整えよ。」
と、下知する侍王だった。
それから6日が経ち、かなり開けた場所にヒーゴン軍45万が野営していた。
残りの3万は都市の警護に就いているようだ。
午前11時を回った頃、放っていた斥候たちが帰って来た。
報告によれば、およそ二時間後には敵の姿が見えるだろうとの事である。
それを受けた総帥は、全員に早めの昼食を摂らせ、布陣させていった。
午後一時を迎えようとしている。
敵の軍勢は、約1㎞先に構えていた。
小雪がチラホラと舞い散るなか、どちらからともなく、開戦の火蓋が切って落とされたのである―。
「どう? お姉様、言った通りだったでしょ!?」
と、幸永歌が意気揚々になる。
ベンチに腰掛けて腕と脚を組んでいる幸彩は、そっぽを向きながら、
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と口を尖らせた。
清斗は、
「やるなぁ、凛琥!」
「以前は“氷の礫”を同時に30発くらいしか出せなかったのに!」
と、瞳を輝かせている。
「まぁな!」
「でも、俺とかよりは、紫蓮の方が強いんだぜ!」
と何故だか凛琥がドヤった。
清斗の、
「マジかぁ~。」
という熱視線に、紫蓮が少し戸惑う。
少し離れた位置では、永虎に、
「どうだった?」
と、尋ねられた晴虎が、右手で後頭部を〝ポリ ポリ〟掻きながら、
「お手上げだよ。」
と苦笑いした。
「さて、お前たちをどうするかじゃが…、やはり、儂の近衛兵に加えるべきかのぉ?」
と、頭を悩ませる総帥に、晴清が、
「いえ、息子たちには政治なども学ばせたいので、出来れば手元に置いておきたいです。」
と述べる。
これに、幸が、
「そうね。私も、幸彩はそのように育てたいわ。」
と、続いた。
「ふむ。」
「では、暫くの間、武芸は千代らに任せるとして、そのように致すかのぉう。」
「ま、5日後には出陣する事になるがな。」
と告げる清虎に、
「もう、そこまで迫っているのですか?」
と晴清が窺う。
「うむ、“影”たち隠密隊によれば、現在、50万の敵軍が南下しておる真っ最中だそうじゃ。」
「予定では、一週間後に、ここに到着するらしい。」
「こちらは、都市を戦渦に巻き込ませぬよう、平地で迎え撃つ。」
「そのつもりで準備を整えよ。」
と、下知する侍王だった。
それから6日が経ち、かなり開けた場所にヒーゴン軍45万が野営していた。
残りの3万は都市の警護に就いているようだ。
午前11時を回った頃、放っていた斥候たちが帰って来た。
報告によれば、およそ二時間後には敵の姿が見えるだろうとの事である。
それを受けた総帥は、全員に早めの昼食を摂らせ、布陣させていった。
午後一時を迎えようとしている。
敵の軍勢は、約1㎞先に構えていた。
小雪がチラホラと舞い散るなか、どちらからともなく、開戦の火蓋が切って落とされたのである―。
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