GOD SLAYER’S

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
48 / 300
― 第二章・それぞれの成長 ―

第48話 対照的な面子

しおりを挟む
訓練場へと向かう侍王を、長女のさちと、次男の晴清はるきよが、後を追うようにして廊下を歩く。

背丈が160㎝くらいの幸(40歳)は、切れ長の目をした美人である。

肌は白く、長くて黒い髪を結っており、朱玉のかんざししているようだ。

濃い紫色の着物には、白糸で花が、銀糸で茎と葉が、刺繍されている。

純白の帯には鮮やかな模様があしらわれているみたいだ。

更には、グレーで毛皮の着物用コートを羽織っている。

彼女は、もともとヒーラーの一種である【巫女】として活動しており、金時きんときのように薙刀を扱っていたが、結婚後には引退していた。

それでも、並の者たちでは敵わないほど強い。

何故なら、現役でなくなった後も、鍛錬を積んできたからである。


訓練場には、いつもの顔ぶれと、紫蓮しれんが初めて見る三人の男女が居た。

一人は、幸の長女(18歳)“幸彩さあや”だ。

彼女は、【ウィッチ】である幸永香さえかの姉にあたる。

晴清の長男(17歳)は、名を“晴虎はると”という。

【クレリック】の永美香えみかが妹であり、弟(13歳)は“清斗きよと”である。

晴虎は【戦士】で、清斗は【武闘家】であり、幸彩はアサシンの一種【くノ一】との事だ。

ただ、臨時ではないので、それぞれに私服とロングコートを着用していた。

幸彩の身長は162㎝で、肩までのボブヘアと瞳は赤茶色である。

妹の幸永歌もそうだが、彼女らの髪や瞳が赤っぽいのは父方の遺伝だそうだ。

ダークブラウンの髪をオールバックにしている晴虎の背丈は170㎝で、【騎士】である永虎ながとらと同じぐらいガタイが良い。

清斗の身長は、凛琥りくより少し低い153㎝で、眉あたりまでの長さの髪と瞳はライトブラウンである。

この二人は、祖母方の血筋を割と受け継いでいるためか、髪の毛や瞳などがそのような色合いになっていた。

清斗が、少しニヤケながら、

「へぇ~、本当に修行なんてしてたんだぁ。」

と、口を開き、

「文句あんのか?」

と返した凛琥を、

べぇっつにぃ~。」

と、茶化す。

その態度に、幸永歌が、

「なによ! 感じ悪いわね!」
「言っとくけど、今の私たちだったら、アンタらなんて余裕で倒せるんだからねッ!!」

と怒りを顕わにした。

それに対して、晴虎が、

「永虎であればいざ知らず、なんの冗談だ。」

〝フンッ〟と鼻で笑う。

これには、普段そこまでヤル気のない永美香までもが〝カチン!〟ときたようだ。

永虎が、晴虎と清斗を注意しようとしたところ、

「ならば、試してみよ。」

との声が聞こえてきたのだった―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

最後に言い残した事は

白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
 どうして、こんな事になったんだろう……  断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。  本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。 「最後に、言い残した事はあるか?」  かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。 ※ファンタジーです。ややグロ表現注意。 ※「小説家になろう」にも掲載。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...